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【レポート】第1回総合道場を開催しました!
2025年2月4日(火)、住友生命保険相互会社さんとWEとの共同企画「総合道場」を開催しました!初の試みとなる今回、教育に関心があり行動する多様なバックグラウンドの方々が終結し、熱く語り合いました。その様子をお伝えします。
総合道場とは
「総合道場」は、総合的な学習(探究)の時間の授業設計に悩む小中学校の先生方のためのイベントです。
先生方の悩みを持ち寄っていただき、ワークショップでの壁打ち&対話を通して、一緒に解決方法を考えることを目的としています。
悩みの内容は、「なんとなく悩んでいる、なんとなく不安」「なんとなくモヤモヤしている」というものから、「具体的にコレを相談したい」というものまで、幅広く自由です。先生方の悩みやお考えについて、みんなで考えていけるような場にすることを大切にしていくものです。
企画者の思い
総合道場は、戸田(株式会社WE代表取締役)と、トビラクエスト!チャレンジャーズでもある山口潤さん(住友生命保険相互会社)が教育について語り、意気投合したことから生まれた事業です。
企画者はそれぞれ、このような思いで今回の第1回を開催しました。
戸田裕昭(株式会社WE)
私自身、ビジネスの現場に身を置きながら学校の授業にも関わらせていただく中で、「今の教育ってこんなに凄いんだ!」と感動すると共に、教育現場の皆様から多くのことを学ばせていただいています。
また、先生方からも「民間企業の視点を学べて良かった!」との声をいただく機会が増えています。
このような経験を通じて、より良い教育の実現には共創の場が必要だと感じ、この度「総合道場」を立ち上げるに至りました。
山口潤さん (住友生命保険相互会社)
住友生命は、将来世代のウェルビーイング実現のため、「もっと大人達(民間企業)が教育現場に関わり合う世の中にしたい」をコンセプトに、金融教育やキャリア教育、探究学習など、小学校・中学校・高校・大学とあらゆる将来世代に向けた多岐にわたる授業支援サービスを新規事業として提供しはじめています。(2024年度時点全国200回超の導入実績)
特に多くの先生方が悩みを抱える探究学習では、民間企業ならではの視点を生かした授業のプロデュースやサポートの実績が多く、積み重ねた知見は是非多くの先生方にシェアしたい、結果として先生方のウェルビーイングにも貢献したい、と願いWEさんとの共催にいたりました。
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実施内容
参加のきっかけ
今回参加してくださった先生方は、こちらのお二人です。学校の先生方に呼びかけ、「はじめまして」の状態から参加していただけることは大変貴重なこと。なぜ、このイベントに参加してくださったのか、どのような思いを抱えていらっしゃるのか、お二人の先生方に伺いました。
渋谷区 根岸先生(中学校教員 / 国語 / 教師歴 8年)
自分は、いろいろな方々と話すことで得られるものを、教育に還元したいと思い、日々こうした場には積極的に関わるようにしています。
もともとやんちゃな学校で教員を務めており、一時は教育の限界を感じました。でも、東京であれば何か変えられるのではないか、と考えたことから地域を変え、東京に転出しました。特に渋谷区は先進的な取り組みが多く、いろいろなことができるのではないかと期待していました。
でも、大きなチャレンジをしようとすると、やはり失敗やぶつかることも多いです。それでもチャレンジは続けたいと思い、そういう経験もふまえようと今回参加しました。
企業の方々がこんなにいらっしゃることには驚きました。企業と学校が合わさって教育をつくっていくものだ、と思うので、そうした話ができることも楽しみです。
茨城県 吉村先生(高校教員 / 理科 / 教師歴25年)
私は教師を25年務めていますが、教師の仕事は「それおかしくない?」と言う機会が少ないです。長く続けていて、それでもやっぱり「おかしいな」と感じることがあります。ですから、残りの時間はそのように感じたことは、発信していきたいと考えるようになりました。
教師として務めながら教育現場を表現していくような活動をしたい、そのために情報収集をしよう、と動いていたところ、WEさんのプログラムを見つけて「これだ!」と思いました。実は、ChatGPTに聞いたら出てきたんですよ!そこから戸田さんと話して、このイベントについても教えていただきました。
現場の問題は、何よりも教員不足です。いろいろな状況が起きる学校で、教員の数が少ない。だからこそ負担が増える。こうした状況をもっと知ってもらって、世論を変えていかないと教師の世界は知ってもらえないのです。
今回は、そういう機会の一旦となったらいいな、他の先生方はどんなふうに考えているんだろう、と思い参加させていただくことになりました。
熱い思いの参加者の皆さん
また、今回の参加者数は総勢22名。先生方とWEと住友生命さんの大・運営チームに加え、こんなにバラエティ豊かな参加者の皆さんが集まってくださいました!
チャレンジャーズ 角野さん、今井さん、只隈さん
笹川財団にて海洋教育を行っている高倉さん
一般財団法人地域活性化センター戸田ゼミ受講生
八千代エンジニヤリング 池田さん
学校教員、民間企業、自治体、財団法人など、所属は様々で多様。さらに、それよりも一人ひとりの皆さんが、「教育をより良くしたい」「子どもたちの未来を明るくしたい」という思いをお持ちで、本当に温かい熱い方々が集まってくださいました。
交流の様子
お一人おひとりのバックグラウンドが違うので、今回はまずランダムにテーブルに着いていただき、食事も楽しみながら自由に交流していただきました。同じ「教育に取り組んでいる」方々でも、それぞれの考えや行っていることが多様で、どのテーブルでも話が盛り上がっていました。
途中で席替えをして、さらに交流の輪を拡げます。最初は緊張されていた様子の先生方も、だんだんと打ち解けてこられてきたような様子でした。
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参加者の声
あっという間に時間は過ぎ、最後に皆さんで今回の時間について感想を伺いました。
先生方の感想
現役教員の先生方はお二人とも熱意をもって行動されているからこそ、このような場について率直なご意見もいただくことができました。
吉村先生
なかなかこうしていろんな分野の方々とお会いして話す機会がないので、参加できてよかったです。今後は、教員がもっといたらいいなと思います。
教員は横の繋がりがありません。でも、本当は、自分の困りごととか、学校のなかではあまり話せない思いとか、共有したいと思っていると思うんです。
学校はやっぱり閉じられた空間なので、困りごとを言いにくい。学校のなかには、スーパーマンのような教員もいるけれど、多くは本当に普通の教員。ですから、「教師はこうあるべき」という姿が一人歩きするとなかなか辛いものがあります。
世の中で教員に求められているものは変わっているのに、教師がこうあるべき、ということは変わっていないんですよね。だから、こんなふうにフランクに話せる場があるといいなと思います。
根岸先生
今回、参加できて本当に良かったです。
学校の教員は、普段校務に追われてこういう場にいく機会が少ないです。時間も、校務に重なっていると難しい。でもやっぱり、こうして外の社会と繋がりたい、と求めている教員は多いと思います。
今回来てよかったなと思うのは、自分の考えていることをアウトプットできたからです。さらに、それに対して他の意見やアドバイスをもらうことができた。これはとても良かったです。
それと、企業の方々がこんなにも教育のことを考えていて、一緒にやりたい、社会で育てていこうとされていることを知れたことも、今回とてもよかったと思っています。
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皆さんの感想
有志で参加してくださった方々にもお話を伺いました。
地域活性化センター(自治体職員)
公務員なので、外部の方と出会う機会は少ないのですが、センターに来てから交流の場が増えました。今回は、その延長と思って参加しました。本当に楽しかったですし、第2回があればまたぜひ来たいと思います!
池田さん(八千代エンジニヤリング)
会社の事業とは別で教育事業を展開しているのですが、なかなか悩みを相談できる人がいませんでした。そうした状況で戸田さんと出会って、教育について話すようになったきっかけで今回参加することができました。こうして皆さんにお会いできて、とても嬉しく思っています
高倉さん(笹川財団 海洋政策研究所)
学校への「海の学び」を展開する事業を行っています。もともと自身が教育学専攻だということもあり、関心とご縁があって今回参加させていただきました。教育の課題は多種多様なんだなということを、改めて実感する機会になりました。
このような感想を受けて、戸田は「こうした機会を自治体職員の皆さんとともに展開したい」という提案や、山口さんからは「第2回も盛大に、有意義に行いたい」という希望が共有されました。
Special Thanks
記念すべき第1回総合道場の会場は、WEの取り組みに常にご賛同して協力してくださる土岐山協子さんの「だしラボcafe」(国立オリンピック記念青少年総合センター)。
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これまでも、トビラクエストの合宿やチャレンジャーズ新年会にて、会場としてご協力いただいています。今回も、心も身体も温まるお料理と共に迎えてくださいました。ありがとうございました!!