挨拶が通じない時代? 田舎暮らしで感じた「ご近所付き合い」の変化
最近、新しいアパートに引っ越しをした。
田舎の静かなエリアで、これから少しずつ生活を整えていこうと意気込んでいたが、引っ越し早々、ちょっとした驚きがあった。
粗品を手に両隣の家に挨拶に伺ったものの、誰も出てこない。
田舎の方だから、まだ昔ながらの「引っ越しの挨拶」という風習が残っていると勝手に思い込んでいたのだが、どうやら違ったらしい。
挨拶が期待外れの現代
昔の映画やドラマでは、引っ越しの挨拶シーンがよく描かれていた。
新参者が「よろしくお願いします」と頭を下げ、手土産を渡しながら、近所付き合いの第一歩を踏み出す姿。
それがごく当たり前のことだと思っていたが、現代ではその「当たり前」が通じなくなりつつあるのだろうか。
ドアを叩いたのに誰も応答せず、そのままスゴスゴと戻る姿を想像してほしい。寂しいというより、どこか疎外感さえ感じてしまう。
時代が変わったのか、それともただの偶然?
もしかしたら、たまたまその日は不在だったのかもしれない。
もしくは、田舎といえども、都会と同じようにプライバシーや個人の距離感が大切にされるようになったのかもしれない。
だが、田舎特有の「顔を知っておく安心感」を期待していた自分としては、やはり少し寂しいものがある。
ご近所付き合いの大切さ
都会では「隣に誰が住んでいるのか知らない」なんてよく聞くが、それを感じるとは思わなかった。
たまに顔を合わせた時に、軽く「おはようございます」くらいの会話ができる関係があればいいなと感じていた。
特に、生活の中で何かあった時、ちょっと声をかけられる相手が近くにいるのは心強いものだ。
けれど、今はみんなそれぞれの事情で、自分の時間や空間を守りたいという気持ちが強いのだろう。
時代がどう変わろうとも、挨拶は人と人とのつながりの第一歩だ。
こちらも距離感を保ちながらたまたま鉢合わせ機会を見つけて少しずつ関係を築いていければと思っている。
結局は、相手がどう感じるかは分からないし、それが面倒だと感じる人もいるだろう。
それでも、心のどこかで「挨拶をして良かった」と思う瞬間が訪れるかもしれないと信じている。