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ハイパーロボット大戦の解法分類【東大ボドゲサークル Weeple Advent Calendar 2日目】

 この記事は『東大ボドゲサークル Weeple Advent Calendar 2024』の2日目の記事です。東大のボドゲサークルのメンバーがそれぞれボドゲやサークルについていろいろなことを思うがままに書いています。
 ぜひ他の日の記事も読んでみてください。


はじめに

初めまして。
 東大ボドゲサークル Weepleで共同代表のうちの一人を務めている山内です。Weepleって何?って思う方もいるかもしれませんが、その説明は1日目にあると思うのでそちらに譲ります。3日目の今日ですが、もう早速ガチガチのボドゲ攻略の話に入っていきたいと思います。
 3日目の内容は『ハイパーロボット大戦』の解法分類です。最近サークル内でじわじわと流行りが来ていて、それに乗じてサークル内の需要を満たしていくことしか考えていません(え
 ゲームのルールを知っていることは前提とするので、もし知らない方はこちらの記事などに書いてあるので読んでみてください。

この記事の内容と構成

 この記事において、動かすロボットは基本的に2色以下の場合に絞ります。1色と2色は本質的に考え方が異なりますが、3色は2色の超発展系みたいなものですし、ほとんどの最適解が2色しか動かさないので、そういうことにしました。というか3色は分類したら書ききれん
 また、Kevin Coxさんという方が作成したこちらのサイトをふんだんに使います。基本的に各解法の本質的な部分を抽出した盤面をはじめに提示し、それが出てくる実戦の盤面を提示する形で進めていきます。筆者の独断と偏見に塗れた難易度評価も載せていくので、参考にしてみてください。



1色しか動かさない解法

 まっすぐしかありません。当たり前ですね。途中でロボットにぶつかることもあるかもしれませんがまあ壁とみなせば同じものです。
 とはいえ、曲者の1色の問題もあるのでちょっとみていきましょうか。

【難易度:★☆☆☆☆】 まっすぐ

※画像をクリックするとKevin Coxさんのサイトに飛びます

 全ての基本です。これができないとハイパーロボットは解けません。とはいえ、人によっては7, 8手以上で辿り着かないと2色による解法の方を探し始めてしまう人もいるみたいで、意外と気づかない1色の解法とかもあったりします。筆者が調べた限りでは12手くらいまでありそうでした。
 筆者はとりあえずこれを調べ切るところから始まるので、同じような考えを持つ人だとここでスピード勝負(+運)になりがちです。ゆっくりやらせて欲しいものです(???)

 では早速例題を見てみましょうか(下にスクロールしすぎると答えが出てくるので注意)。

最短手数は5手





ではなく3手です(答えは画像をクリックして左上の「Solve」を押すと出てきます)。
 この問題、引っかかった人まあまあいるんじゃないでしょうか。ゴールが左上にあるので赤のロボットをまず上に動かしたくなりますが、それより2手短くたどり着けるコースが実は右にありました。
 
 とまあ、いきなり引っ掛け問題を出しましたが、これ以降は手数を言っても嘘はついていないので安心してください。ここで伝えたいのは、今考えた手が最短だと思ってもとりあえずいろんな場合を試してみよということです。諦めずに少ない手を探し続けましょう。

では次の例題です。今回は最短手数を当ててみましょう。







 正解は11手です。単色で行くルートが最短だったと思います(もしかしたら2色以上の別解もあるかもしれません。見つけたら教えてください)。こんな感じでかなり長い1色の解答もあり得るんだよって話でした。1色力は養いましょう。


2色を動かす解法

 さあ、ここからが本題です。本当のハイパーロボットはここから始まります。
 2色を動かすということは、2色を交互に動かすことになります。なので何回色を変えたかで分類したくなりますが、基本的に緑→青→緑→青というふうに動かした時は一回目の緑と二回目の緑は別々に考えられることも多いので、ここではそういう分類はしません。
 この記事の目的は、自分がどの解法を思いつきやすく、どの解法を思いつきにくいのかという思考パターンを把握した上で、今まで見えなかった解法を見えるようにしようということです。なので、もっと人間(というか筆者)の主観に依った分類をしてみます。ただこの分類も、実はその解法が登場する最短手数を参考にしたりもしているので、それも含めて見ていってください。

【難易度:★★☆☆☆】 シンプルな壁(最短3手)

 言わずもがなメインとなる解法です。これが基本となってさまざまな解法が生まれます。

 とはいえこの基本だけでも難しい問題は存在します。少し例題を見てみましょうか。





 正解は7手です。短いですね。ゴールからそれなりに近いところで壁を作ってくれればいいのですが、ロボットにぶつかってからも4手かけてゴールに向かっているのがよくないです。しかもこれに関しては後で解説する逃げつつ壁になる解法にかなり見た目が近いのも悪さをしている気がします。

 またもう一つ、2色解法の中核を担う解法があります。

【難易度:★☆☆☆☆】 どく(退く)(最短2手)

 これは実質的には1色の解法です。そいつがいなければ1色だけでゴールに辿り着けるのに…みたいな状況が発生した時にこの解法が出てきます。

 とてもシンプルですね。1色の解法を探す時にロボットを無視してみればいいだけなので、ムズい壁と比べるとめちゃくちゃ簡単です。
 ただ、どいたと思いきや他のところで壁になることがあり、そうなると難易度が1, 2段階上がります(筆者的には跳ね上がります)。何個か先からそういうものが出てきます。

【難易度:★★★☆☆】 引き返す(最短4手)

 ここから徐々にテクニカルになっていきます。 まずはじめに引き返しです。

 このゲーム、普通ロボットが来た道を戻ることはないように思えますが、この解法では、壁の使い方を変えるために一度ゴールが見えるところを通り過ぎます。その後に壁を作って戻ることでゴールの見える直線上に止まるというわけですね。
 これ、最初に緑を動かすと別のラインに青を通す壁になるのですが、ここからわかるのは、「壁になりそうなロボットがいる場合、行けるマスが見た目以上に増えていることが多い」ということです。今回の場合は、緑を下→左と移動すれば、青にとってはまた別の壁となります。
 今後もそういう発想によって生まれやすい解法が出てくるので、各解法に至るまでの参考にしてみてください。

【難易度:★★☆☆☆】 逃げつつ壁になる(最短3手)

 さあ、ここら辺からどいて壁になるコンボが始まります。

 壁用のロボットが、本命の色と同一方向に進んで進路を確保しつつ自身はその先で壁になるというものです。どくのと壁作りを同時に行います。
 これに関しては普通の壁と同じ認識をしている人も多いですが、違うように見えている人も一定数いるので一応分けておきました。

 というかこれ、筆者は結構苦手です。なんか緑をそっちに送るっていう発想が出てくるのが遅い。本当に普通の壁と全く同じようにみてる人も多いので、マインドが結構違うのかもしれませんね。

【難易度:★★★☆☆】 どいて戻って壁になる(最短5手)

 どいて引き返すコンボです。

 見た目的には引き返しとほぼ同じですが、緑が青のコースを塞いでいるところから始まります。こうなると実戦の時に意外と見えなくなる人は増えてきます。筆者はなんか上の逃げ壁よりこっちのほうが得意です。マジで人によるっぽいですね。
 これも青が行けるラインみたいなのを考えれば結構見えてくるかもしれません。

【難易度:★★★☆☆】 どいて他の場所で壁になる(最短5手)

 ここらへんから本質抽出したやつでも少し時間がかかる人が増えてくるかもしれません。ただ更にこの後出てくるやつらが、ルール覚えたての場合は絶対に思いつかないものなので、まだ星3で耐えておきます。
 今回は本質抽出も2パターンほど載せてみます。

 解けましたか?2パターン載せたのには一応理由があって、このゲームは基本的に縦に動いたあとは横に動き、横に動いた後は縦に動くことが多いので、偶数回動くか奇数回動くかによって壁として働く方向が変わることが多いんですね。実際今回は最初の青から見た緑の位置は縦と横で違いましたが、それぞれのロボットを動かす回数が異なったため、青は両方とも横から緑にぶつかってゴールという形になりました。
 この考え方は、この後でちょっとずつ大事になってきます。なんせここから出てくる解法は、各ロボットの移動回数に関する偶奇などによって最短手数が支配されており、しかも最短が長いことが多いので、難易度が高い問題で出てくることが多いからです。逆に手数が短い問題では考える必要がないということでもありますが。


 さあ、ここから初心者は基本思いつかないであろうゾーンに入っていきますが、その前にちょっとした問題を出してみましょう。
 以下のように壁が全く無く、ロボットも3色しかない場合、ゴールにロボットをたどり着かせることは可能でしょうか?なお、青のロボットはゴールのマスを通り過ぎてはダメで、そこに止まらなければなりません。







 実は可能なんです。解答はかなりキモいですね。
 この通り、一見行けなさそうな場所は、(場合によっては3色以上が)お互いに壁になり合うことでゴールできることがあるんです。今回みたいに壁が全く無い場合、基本的に3色あれば、初期配置に依らず、どこにでもゴールが出来るはずです。

 では、これを踏まえて難易度の高い実戦的な解法を見ていきましょう。

【難易度:★★★★☆】 背中で受ける(最短6手)

 背中とか脇とか腹とか出てきます。これを分けているのは微妙に登場の仕方とか最短手数が違ったりするからです。あんまり区別する意味が大きいわけじゃないので、たくさんの具体例を見てこの発想を吸収するモチベで見てください。
 まずは背中受けです。

 この通り、青が緑の壁として機能してから、緑を壁として使うという相互関係になっています。「背中」と言っているのは、緑がぶつかった面と反対側に進んでるからです。
 この解法が短い手数で出てくる場合、青は列で見たらゴールにかなり近い事が多いです。実際上の例はどちらも列で見ればゴールとの差は2列以下だと思います。
 ただし、もう少し手数が多いものも許すと、全く違うところで背中で受けることにはなります。こんなんとかね。

 さっきの盤面の派生なので今はわかった人も多いかもしれませんが、実戦でいきなりこれが出てきたらかなり難しいと思います。

 またこの解法、最短は6手ではありますが、6手でこれしかないというケースはほとんどないです。1個目の例でちょっとでも壁の配置を変えたら、背中で受けなくなってしまうと思います。なのでほとんどの場合では7手以上の解法だと思っていいかもしれません。

【難易度:★★★★☆】 脇で受ける(最短5手)

 脇なのでぶつかってきた方向と垂直に移動してそいつにぶつかりにいきます。ただ、背中で受けるときと比べて手数は短くなりやすいです。背中受けと同様に最短の5手は流石に珍しいですが、6手以上ならそれなりに出現すると思います。6手が珍しい背中受けより短くなりやすいと考えて良いでしょう。

【難易度:★★★★☆】 背中で流す(最短6手)

 お互いに壁になり合うという点では背中受け同じなのですが、さらに壁役が動くと短い手数でより変なところに行けるようになるという例です。
 壁役が最低限しか動かない場合、本命のロボットは同じ列のゴールに向かうことになります。でもここで示したとおり、それ以上動くと全然そうとも限らないのでもう訳分かりません。

【難易度:★★★★☆】 脇で流す(最短6手)

 これも、当たり前ですが手数が短いと本命ロボットがゴールにそもそも近いです。一手でも増えるともうかなり遠くなりますが。

【難易度:★★★★☆】 腹で流す(最短6手)

 腹の場合はもちろん受けるということが存在しません。流さないと道が開かないので。ということで腹に当てたら流します。

 受け流しシリーズは以上となります。ここら辺はかなり難しいですが、出現頻度も低くはないです。知っているだけでもかなり世界が変わると思います。ぜひモノにしましょう。


 さあ、ここからはもう思いつかなくても仕方ないと言うレベルの解法に入っていきます。

【難易度:★★★★★】 元居たところで壁になる(最短4手)

 多分最難関。星5にするのもどうかとは思いましたが、これはうちのサークルでも解くのに結構時間がかかる人が多かった。でもなんで難しいのか説明しづらい。実戦でポッとこれが出てきたらそいつはかなり強い可能性があります。引き返しとかとほとんど同じことしてるはずなのに実際に出てくるとこれだけ異様にわからないという感じがあります。多分青が一回どいてるのがやばい。

【難易度:★★★★★】 2箇所で壁になる(最短6手)

 これはあんまり分類するつもりはなかったのですが、出てくる頻度は低くはないみたいなので一応書きます。

 同じ色のロボットが2箇所で壁になります。これが実戦で出てくる人はまあーーいないです。ハイパーロボットが流行ってるうちのサークルでも見たことありません。実戦の盤面を見てみたらわかると思います。無理です。



ここまでのまとめ

 いかかでしたか。いやー、ハイパーロボット難しいですね。ここまででもだいぶ難しかったのにこれらにすら当てはまらない例外的な解法もちょくちょくあります。最短が22手の問題だってありますし、ものによってはこれらの解法が複合的に何回も現れるというものもあります。そんなの人間に解けたもんじゃないんですが、このゲームは解いたもん勝ちなのでやるしかないっすね、、、、

 てことでここからは演習問題です。ハイパーロボットマスターを目指して頑張っていきましょう。難易度爆高です。

演習問題

 いい盤面を見つけたら追記していく予定です。また数が膨大になったら新しい記事を書くかもしれないです。
 ちょっとスクロールすると最小手数が見られます。答えは見たくないけど最小手数だけでも見たいよって人はそちらを見てください。さらにスクロールをすると分類が見られます。

【難易度:★★☆☆☆】 1問目

 行きやすいが故に最小手数に自信が持てない1題。






 最小手数は7手でした。




 1色解法です。

【難易度:★★☆☆☆】 2問目

 可能性が膨大なので見る視点によってはかなり厳しくなりますが、基本問題寄りです。行き当たりばったりではなく再現性のある考え方をしていれば意外と解けると思います。






 最小手数は9手です。





 分類としてはただの壁ですね。 

【難易度:★★★☆☆】 3問目

 人によっては星2かも。考え方によって難易度が分かれる1題。






 最小手数は7手です。





 典型的な逃げ壁でした。

【難易度:★★★☆☆】 4問目

 これは最初は難しいかもしれませんが、考え方として身につけたい1問です。






 最小手数は8手です。




 すごく泥臭い解法ですが、どいて引き返すものの一種ですね。ただ面白いのが、これも少し初期配置が変わると全く異なる手順が最短となります。





最小手数は7手です。





 ぐるぐる回ってますね。引き返しであることには変わりないのですが、ルートが違うと言った感じです。このゲームは壁にぶつかるまで止まれないので、ちょっとずれただけで全く異なるルートとなる一例でした。

【難易度:★★★★☆】 5問目

 星3と迷いましたが、多分慣れが必要な解法なので星4にしときました。






 最小手数は8手です。




 引き返しの究極系みたいな解法ですね。

【難易度:★★★★★】 6問目

 激ムズ問題に挑戦してみましょう。筆者はこれを解いた人を見たことがありません。






 最小手数は12手です。増えてきましたね。





 2箇所で壁になるやつでした。そらむずいわ。


こっから3色以上使う問題も開放していきましょう。

【難易度:★★★★★】 7問目






 最小手数は10手です。

【難易度:★★★★★★】 8問目

 最後に激ヤバ問題でも残しておきましょう。






 最小手数は10手です(←!??!)




 人間にわかる手じゃないですね。わかった人は人間じゃないです。人間卒業おめでとうございます。ありがとうございました。

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