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閑話休題コラム(その2)

パンクロックは音楽の1ジャンルの枠を超えている、ということは、
言われすぎて言われすぎて、こうして文字にするのも恥ずかしいぐらいだ。
そうでなくとも、パンクロックに求めるものは、ひとそれぞれだと思う。
だけどもし、パンクロックに、騒々しくて陽気で、ちょっと泣ける、夏の1日みたいなものを求めているのだとしたら、これは1つの答えなんじゃないかと思う。

ramones とbob marley のマッシュアップ。パンクとレゲエの親和性が高いことも、昔から言われていることだ。the clash も、the offspring も、いわゆるスカパンク系も。脈々と受け継がれてきた系譜の先に何があるのか、前を向いて探していたら、いきなり後ろから答えが見つかった。そんなことを思った。もっと素直に言うと、昔こういうのやりたかったんだよなー、と思った。シンプルでストレート。その手があったか、と思わずにいられない。でも実際、「パンクにレゲエを混ぜる」や「スカビートでパンク」みたいに、考えて作ってもこれはできないと思う。そういう意味では、マッシュアップならではと言える。パンクの塊とレゲエの塊を混ぜてどーん、と出したという話だけど、そもそもほとんどの場合、この塊を持ち合わせていないわけで、どうしようもないのだ。

もしこの夏、パンデミックが収束していたら、このアルバムは、各地のフェス会場で流れていただろう。だけど、闇雲に悲観はしたくないのだけれど、今の状況だと、昔のようなフェスはもう少し先だろう。夏の日射しとアルコール、たくさんの人、様々な料理と、汗と日焼け止めの混ざった匂い。それらを取り戻して、このアルバムのラストを飾る「bye bye redemption」が空高く、鳴り響くことを願っている。

おしまい。


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