アクタージュの連載終了について思うこと
いやーーー、残念な事になってしまいました。。
連載終了だけでなく、既巻の出荷・配信も停止。
メディアミックス企画も全て中止。
考えてた限り最も重い処置を下したな、という印象です。
25年以上ジャンプ購読してた読者の立場から、今回の騒動で思うことを書いてみました。
罪と作品について
よく言われる「作品に罪はない」について。
まず、強制わいせつの容疑で逮捕された松木達哉容疑者については、同性として心底軽蔑しています。
とても卑劣な犯罪で、擁護する余地は一切ありません。
しっかり刑事責任を果たして、被害者への謝罪と民事責任も果たして欲しい。
但し、これが「原作者の立場を利用した犯罪(例えば、オーディションに応募してきた少女が被害者だった場合)」だったら作品との関係が密接になるのですが、今のところの情報だと今回はそれには該当しないかな、と。
なので、私としては犯罪と作品が独立してるんですよね。
もちろんあんな罪を犯した人の漫画をジャンプに載せ続けるわけにはいかないので、原作:マツキタツヤのアクタージュはこれにて幕引きでしゃーないと思っています。
こんな所で終わってしまうのが本当にもったいない作品だったのですが、作画の宇佐崎しろ先生が次の漫画を描ける環境を整える事を最優先に動いてほしいのです。
ジャンプ編集部が公式発表でその旨を明言していたのは救いでした。
そして、これは本当に読者のワガママなんですが、夜凪始めキャラクター達の未来をいつかどこかで描いてくれたらなあと思っています。
アクタージュという作品の看板は下ろすしかなくても、キャラクターにこそ罪は無い。
何年かかっても良い。僕らは待ちます。
アクタージュの面白さ
アクタージュも面白いんですけど、前身の読切「阿佐ヶ谷芸術高校映像化へようこそ」が好きだったんですよ。
黒山墨字というキャラクターを通した映画・表現への想いは凄かった。
そして、その熱くて泥臭い感情を、とても綺麗に昇華させる宇佐崎しろの画との相性が抜群だった。最高の相性だったんだよ。。。
ジャンプでアクタージュ連載するに当たって夜凪主人公の役者漫画になったのは、なるほどなあと思いました。
黒山主人公だとどうしても少年漫画にはならないだろうし。
デスアイランド編、銀河鉄道編、羅刹女編と仲間とライバルがどんどん参入して入り乱れいく展開は実に少年漫画で面白かったです。
これはマツキ先生の少年ジャンプリスペクトと、売れるための戦略が見事にハマってたと思います。
役者への興味
アクタージュ読んでて一番思ったのが「生の演劇を一度見てみたいなあ」でした。
最近は映画やドラマほとんど見ないので、今の役者さんの顔と名前があまり一致しないのですが。
相棒シリーズと池井戸作品はクオリティ高いので見てるんですが、「凄い演技だったな、今の人誰?」と調べると舞台役者さんだったりすることがチラホラあって。
興味があったけど流石に遠い存在だった演劇が、アクタージュのおかげでだいぶ身近に感じられて。
特に夜凪オーディションからの銀河鉄道の夜舞台化はめちゃめちゃワクワクした。
「初めて演劇を見に行こう」と思っていた機会だったので、こちらが中止になったのもとてもショックでした。。。
でも、アクタージュの看板でなくても、必ず近い将来舞台は見に行きます。
持論ですが、ファンになるということは作品を自分の人生にフィードバックする事だと思っていまして。
私がアクタージュから受け取ったのは、役者という職業への興味。
役者さんが輝いてる姿を是非ともこの目で見てみたい。
ドラゴンボールの例えに物申す
※ここより、コミックス派の方はネタバレになるかもしれないので注意
ちょっと話題が逸れますが。
アクタージュ打ち切りについて、「どれだけ良いところで終わったか」を「DBで例えるとナメック星についた辺り」「超サイヤ人になった辺り」とか言ってるネタが多少盛り上がってるのを見かけまして。
お 前 ら な ん も わ か っ て ね え な !!!!!
ちゃんとアクタージュ読んでた???そもそもちゃんとドラゴンボール読んでた?????
ちょっとこれは見過ごせなかったので、語らせてください。
まず、ドラゴンボールにおけるナメック星編の位置づけですね。
新たなドラゴンボールを求めて他の星に行っちゃうワクワク感と、悟空が超サイヤ人に目覚める作中最大の衝撃シーンある、作品を代表するエピソードである事は間違いないです。
ドラゴンボールは幼年編と青年編で大きく作風が分かれていると思っていまして、大人になって漫画を読み返して面白いのは幼年編だったりする派です。いわゆる一般的に認知されてるDBとは、青年編のアニメでいうZの部分だと思うので、まあ「一番有名なシーンを引き合いに出した」程度の話だと穿った見方をしています。
対してアクタージュは、大河編のだいぶ序盤で連載終了してしまいました。
この大河編とは、黒山の映画始動に向けて「夜凪に箔をつける最後の一手」の章ですよね。
「主人公を覚醒させる」フェーズは、銀河鉄道と羅刹女でしっかり描き切ってるでしょうよ!!!
だから、ナメック星からは絶対に生きて帰ってきてるはずなんですよ!!!!
どうしてもそこが解せなかった。
「トランクスと一緒に人造人間と戦っている最中に打ち切られた」とかの表現だったら握手を求めてました。
最後に
すいません、DBで熱くなりすぎたので締めます。
今となっては「アクタージュありがとう」でしか無いです。
なかなかの理不尽な状況ですが、個人的にはそこまで怒りとかは感じてなくて。
「人間が描くものだから、こういう事もあるか。。。」というのが本音。
漫画とは俺が読みたい都合に合わせて提供され続けるものでは無い。
今読めてることに感謝。読めなくなっても、今まで楽しませてくれたことに感謝。
そして、大きな損失を受けましたが、少年ジャンプはまだまだ死なない。
集英社は事後処理にめちゃめちゃ大変だと思いますが、なんとか頑張っていただきたい。
できれば、漫画担当の編集さんはなるべく漫画に集中できるようにサポートして欲しい。
常に新しい面白さを届けてくれる最強の漫画雑誌を、これからも応援し続けます。