固定トルクの管理って?
今回はどんなバイクでも必要になるトルク値の管理についてです。
さて、まず皆さんは定期的にいろんなところを固定しているネジの増し締めしてますか?
どんなネジでも使っているうちに少なからず微少であったりしますが緩みます。
そのままほったらかしにしておくと故障や事故の原因になってしまいます。
そうならないためにも定期的に締めこんだ方がいいです。
しかし、実際のところどのくらい締めこめばいいか分からない。
特に高価なカーボン製のバイクに乗っている人なら一度は「カーボンは締めこみすぎると割れてしまう」と聞いたことがあると思います。
できるだけ強く締めることができればそれがいいのは間違いないと思いますが、素材や場所によってそれにも限度があります。
そこで使えるのがトルク値です。
自転車はもちろんのこと自動車やバイク、その他ネジを使う製品には必ず指定トルク値というものが存在します。
では、このトルク値とは何なのか。
これはどのくらいの力までネジを締めるべきなのかを表す指標となる数値のことです。
単位としてN・m(ニュートンメートル)が用いられ、1N・mは1mの長さのところに1Nの力を加えた時の値を表します。
簡単に言うとこのトルク値の値が大きいほうがより強い力をかけて締めこまないといけないということです。
参考までに、メーカーにもよりますがステムのハンドル側は4~5N・m、シートポストの固定部分は6~8N・m、ペダルは35~55N・mと指定トルク値が決められています。
このトルク値を守ることで自転車やパーツを壊すことなくネジの増し締めを行うことができます。
ただもちろんですが、普通の六角レンチ(アーレンキー)などの工具ではこの数値を計ることはできません。
このトルク値を計るには「トルクレンチ」という専用の計測工具が必要になります。
比較的安価なアナログでの設定のものから、高価だけどデジタル表記で0.1N・m単位でトルク値を指定できるものまで、たくさん種類があるのでご自身のメンテナンス頻度を考慮してご自身で購入して持っておいても、定期的にショップにもっていって点検ついでに増し締めしてもらってもいいでしょう。
作業になれた人は手ルクレンチと言ってトルク値を自分の感覚として持っていたりしますが、あくまで感覚なので基本的にはちゃんとトルクレンチを使うことをお勧めします。
トルクレンチを使って定期的にネジの緩みがないか確認して事故発生を予防していきましょう。