ホイールの振れの原因
今回はホイールの振れについて。
長期間使っていたり、何かにぶつけてしまった時に発生するホイールの振れ。
特に視認できるのはいわゆる横振れと呼ばれる回したときにホイールが横方向に振れながら回る振れでしょう。
これともう一つ上下(縦方向)に振れながら回る縦振れと呼ばれる振れもあります。
ではこの振れはどのように起こるのかについてまとめていきます。
この振れの原因を知るためにまずホイールの構造から。
ホイールはご存じの通り、中心にあるハブからスポークを介してタイヤがついているリムが地面に接することで走行時に回転するという構造です。
簡単に言うとホイールの振れとはこのホイールを構成している部品のうちスポークの張り具合(スポークテンション)のバランスがばらつくことで発生します。
もちろんリムが曲がることでも振れは発生しますが、この振れが起きるときは基本的に大きな事故にあってしまった等の外的要因が主なものだと思うので、この時はリムまたはホイール本体を交換する必要があります。
さて、話を戻します。
ホイールは最初に組み上げるときにすべてのスポークテンションが均一になるように設計されています。
このスポークテンションはスポークとリムをつなぐニップルと呼ばれる部品をネジのように回すことで調整できるのですが、走行時の微振動によってこのニップルが徐々に徐々に緩むことで全体のスポークテンションにばらつきが生まれます。
このばらつきがホイールの振れとして視認されるわけです。
この振れを取るには当然ニップルを回してスポークテンションを調整してあげれば取れるわけですが…。
実はこの時に注意しないといけない点があります。
それが縦振れです。
横振れはブレーキシュー(ブレーキパッド)とのクリアランスが狭くなっている方と逆のスポークのテンションを上げるとリムが引っ張られて振れが取れるのですが、この時に横振ればかり注意していると全体として横方向に振れていないけど張り具合の強さが違うことで縦振れはあるという状態になります。(イメージとして真円の中心がハブの中心からずれている状態)
こうなると一回全部のニップルを緩めたうえで再度スポークテンションを均一にするという作業が必要になります。
もし、ご自身でふれ取り台を使ってホイールの振れを取る際にはご注意を。
また、その際にニップルにもサイズや専用工具が必要になることがあるのでそこもご注意を。
ただ基本的にニップルが緩んでしまうことはあってもスポークの長さにばらつきがあったり、リムだけの状態でリムが真円ではないということは高価なホイールではあまりないと思うので、テンションに気を付ければ大丈夫かと思います。
ホイールの振れがあると走行時の抵抗になりますし、ホイールが破損する原因にもなりかねないので定期的にチェックしておくのが一番だと思います。