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【インタビュー】中国から世界へ、中国大手モバイルゲーム会社に勤める日本人責任者

 今回は、ロードモバイルなどを手掛ける中国モバイルゲーム会社のIGG で働く森岡夢信さん(28)に話を聞いた。同社日本エリアの責任者で、8月28日の日中茶龍のイベントでも講演してもらっている。
 近畿大学在学中に中国へ留学。新卒で広告代理店に入社し、その後現在の仕事に転職した。中国とかかわるようになったきっかけや、転職にまつわるエピソードなどを聞いた。

−中国語に触れることになったきっかけを教えてください

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*留学していた際の写真

 大学で中国文学や文化を専攻していました。大学1年生のときに短期留学のプログラムで北京大学に行って、中国にはまりました。その後、語学も真剣に勉強して、長期留学を考えるようになりました。3年生から4年生の間に休学して、前期に清華大学、後期に広西師範大学に留学しました。休学留学のいいところは、大学のプログラムではないので自分の好きなように留学先を選ぶことができて、僕のように前後期で大学を変えることもできるということですね。

−森岡さんは中国にルーツがないいわゆる「純ジャパ」です。中国の一番の魅力やエピソードを教えてください

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*中国の桂林で学生を100人集めてフラッシュモブした際の写真

 人との関係のあり方や考え方が、日本よりも合理的なところが一番魅力に感じます。中国企業文化にも通ずるところがありますが、相手の感情よりも人との関係性を大事にするところが、日本よりも楽だし面白いなと思います。 またITの発展や中国のグルメにも惹かれました。

−学生の時に中国留学をご経験されたと思いますが、その後新卒で広告代理店を選んだ理由はなんですか?

 アドウェイズという会社に入社したのですが、幅広い業界を見ることができるのと、社風がいいなと思って。あとその会社は中国クライアント向けの業務も強みだったので、中国に関われると思って志望しました。

−IGG Japan に転職されたきっかけはなんですか

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 *IGGのロゴマーク

 人の強みにはいろいろタイプがありますが、僕は自分のことを「野武士」型だと思っています。 柔軟性が高くどんなことでも素早くこなせる人間もいたり、人たらしで周りに助けてもらって成果出している人もいます。やれと言われたことを完璧にできる人もいて、そういう人がいないと組織は回らないですが、 僕は自分のやりたいことをやっていったほうがパフォーマンスを発揮できるタイプだと思っています。

−IGGに転職後のキャリアは、どうステップアップしていきましたか

 マーケティングのメンバー、マネージャー、ゼネラルマネージャー(本部長)、日本責任者という4ステップを経験しています。
 最初はオンラインマーケティング担当としてスタートしました。半年後くらいに誘ってくれた責任者の人が退職してしまい、オンラインマーケティング(YoutubeやSNS、TikTokなど獲得型広告)とオフラインマーケティング(イベントやテレビCM、キャスティング企画、OOH広告など)のリーダーを 担当しました。
 そして、マーケティングマネージャーに昇進し、マーケティング・広報などコミュニケーション周りのマネージャー業務を一年くらい経験しました。同時に、アライアンスにもかなり注力するようになり、IP の版元とかアライアンスもやりつつマネージャー業務を一年半ほど務めていました。
その後、ゼネラルマネージャーが退職したタイミングでそのポジションに昇進。半年ほど担当した後、ゼネラルマネージャーの上の役職である日本エリア責任者になり、今に至ります。
 登記上は本部の役員が日本の代表 になっていますが、一応僕が日本の責任者みたいな感じです。昇進が早いのは中国の企業ならではなのかな、と思っています。

−今後、ゲーム業界でやりたいことや期待などはありますか

 日本には面白いゲームがいっぱいあるので、日本のゲームの海外進出をもっと行っていきたいです。
 海外でのマーケティングのやり方や海外ユーザーとのリレーションの取り方はIGGの強みなので、日本のゲーム会社と一緒にやっていけたらいきたいです。もちろん現実的に難しいですが、逆に言うとそれが今後のゲーム業界に期待している部分でもあります。日本で売れていても海外だと売れない、というゲームもあると思いますが、ぜひもっと多くのゲームの海外進出を手掛けていきたいです。

−中国語を使って働きたい、中国と関わって働きたいという方に向けてアドバイスやメッセージをお願いします

 僕の中国語の能力は、1年留学したくらいのレベルで、ビジネスレベルではありませんでした。今の会社で本部にプレゼンする機会があって大変でしたが、慣れていきます。語学力をそこまで気にする必要はありません。文法、単語のミスは気にせず、伝わればOKというマインドがあればなんとかなるので、果敢に挑んでいただければと思います。もちろん語学ができることは加点ポイントではありますが、語 学力がないからマイナスになる、というのは絶対にありません。
 また、日本と会社と社風がだいぶ違うので、日本のやり方とかに違和感を感じているとしたら、中国や他の国の資本が入っている会社を探してみるのもいいかもしれませんね。
 あとは最近、中国のIT周りの取り締まりのニュースが毎日のように出ていて、株価も安定しません。どうなるか分からない状況が続いていますが、僕の考えとして、「上に政策あれば下に対策あり」という言葉の通り、今までIT業界以外でもいろんな政策がありましたが、その度に民間が「対策」をしてきたので、今回もしばらくすればうまいことやっているのではないかな、と思います 。

− 転職を考えている人に向けてメッセージをお願いします

 組織づくりでも大切にしていることなのですが、僕は働く上で「自分の強みを活かせる」ということが一番大事だと思っています。
 RPG のキャラクターでは、剣士だったら絶対に力が強いし、メイジだったら魔法力、タンクだったら防御力が高い。人も同じです。その強みを理解して活かさないとパフォーマンスが発揮できないと思います。もし、強みが活かせていないな、と思う方がいれば、転職を考えてもいいのかなと。強みが出せる組織に行くと、パフォーマンスも発揮できますし、「本当はこんな楽しく働けるんだ」という気づきもあるはずです。そんな組織を見つけてほしいなと思います。

日中茶龍
公式ホームページ: http://j2c-chalong.com
Instagram: https://instagram.com/j2c_chalong?utm_medium=copy_link
Twitter: https://twitter.com/J2C_ChaLong

文/Himiko Ito

(インタビュー内容は読みやすいように編集されています)

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