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カリフォルニア州の出生前検査について
※ 必ずはじめにこちらをご確認ください - 免責事項 -
米国カリフォルニア州で一般的に行われている出生前検査についてまとめています。
カリフォルニア州は他州に先駆け、2022年9月より検査内容が変更されました。他の州では内容に違いがあると思いますので、ご自身のプロバイダーとご相談ください。
カリフォルニア州内においても、クリニックによってオファーされる検査内容に違いがある場合があります。詳細はご自身のプロバイダーとご相談ください。
出生前検査の前に考えること
次のような質問をパートナーとも話し合い意思決定することが大切です。
「なぜ検査を受けたいか?」
「検査の結果をどう受けとめ、その後の対応にどうつなげるのか?」
検査を受ける理由としてよく聞かれる例は、なんらかの診断がつく、または可能性が高い場合に、出産前にできるだけ情報を集めて環境の準備ができるように、あるいは、妊娠を継続しない決断をするため、というようなことがあります。
妊娠初期(一般的に初診時)にプロバイダーから、検査の種類と内容・診断の限界・リスクなどの大まかな説明があります。
さらに詳細な情報を入手したい場合などは、遺伝子カウンセラーとの相談もすすめられます。
日本では自費ですが、米国では保険が効くことが多いです。確かでない場合は、加入している健康保険会社に確認しましょう。
出生前検査の内容
カリフォルニア州がオファーしている出生前検査は下記(1)非確定的(スクリーニング)検査の①②と(2)確定的検査です。
(1) 非確定的検査(Screening test)
下記の3つの選択肢があります。こちらは、あくまでスクリーニング検査で、可能性を示唆するものです。診断は(2)の確定的検査(Diagnostic test)で行うことができます。
① 出生前遺伝学的検査(NIPT または Cell-free DNA)
この検査が2022年に新しくカリフォルニア州が導入したものです。
方法: 血液検査(妊娠10週以降)
内容: 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)
性別(希望者のみ)
費用: $232
上記の内容は、Medi-Calを含むほとんどの保険でカバーされます。
上記以外の検査をする場合は別費用となります。検査実施ラボ(Natera、Quest)からの提示額をご確認ください。
② 母体血清マーカー(msAFP)
方法: 血液検査(妊娠15~21週)
内容: 無脳症(Anencephaly)や顕在性二分脊椎症(Open spina bifida)などの神経管閉鎖障害(Neural tube defect)
費用: $85
上記の内容は、Medi-Calを含むほとんどの保険でカバーされます。
③ キャリア(保因者)検査(Carrier screening)
方法: 血液検査(親が遺伝的な保因者であるかを検査するため、妊娠前・妊娠中・産後いつでも受けることができ、結果は一生変わらず、次の妊娠時も同じ。)
内容: 米国でよく行われるのは、嚢胞性線維症(Cystic fibrosis)と脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy)の2つです。家族歴がある場合などに、希望すれば他の検査も可能です。陽性の場合は、パートナー(父親・精子提供者など)のキャリア検査を行います。
費用: こちらはカリフォルニア州の検査には含まれていませんが、追加費用で上記の検査と同時に受けることができます。費用はそれぞれのクリニックや保険会社にご確認ください。
④ 初期超音波ソフトマーカー検査(妊娠11〜13週)
方法: 超音波検査
内容: 胎児の首の後ろのむくみ(NT)など
費用: こちらはカリフォルニア州の検査には含まれていませんが、カリフォルニア州以外の州ではオファーしているところが多いです(2022年9月現在)。カリフォルニア州内でも、クリニックによっては、初期の胎児の超音波検査を何らかの形で行っているところもありますので、各クリニックの方針をお確かめください。費用についてはそれぞれのクリニックや保険会社にご確認ください。
(2) 確定的検査(Diagnostic test)
下記の2種類があります。一般的には上述の非確定的検査やキャリア検査で陽性となった場合に選択肢として提示されます。この段階では遺伝子カウンセラーとの相談をすすめられます。
① 絨毛検査(Chorionic Villus Sampling / CVS)(妊娠10~13週)
方法: 経腹的(Transabdominal)もしくは経腟的(Transvaginal)に胎盤(絨毛)の細胞を採取
リスク: 感染症、流産(約0.2%)、早産など
費用: カリフォルニア州では非確定的検査で陽性の場合は、MediCal含めほとんどの保険でカバーされますが、詳しくはご自身の保険会社にご確認ください。
② 羊水検査(Amniocentesis)(妊娠16~21週)
方法: 経腹的に羊水を採取
リスク: 感染症、流産(約0.1%)、早産など
費用: カリフォルニア州では非確定的検査で陽性の場合は、MediCal含めほとんどの保険でカバーされますが、詳しくはご自身の保険会社にご確認ください。
執筆者:
小谷祥子(ウィコラ代表・米国ナースプラクティショナー)
監修:
上中美月(日本の産婦人科医・米国の超音波検査士)
無断転用・転載を禁止します
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