WEB制作会社とのトラブル事例――トラブルを回避するポイント
WEB制作会社とのやりとりでトラブルになるケースをまとめてみました。
この情報を知らないとトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。
知っているだけで回避できることもありますので、これからWEB制作を依頼する方、必読の情報です。
こんなWEB制作会社はまず避けるべき
リース契約
ひと昔前、WEB制作会社の契約形態はリース契約が多かった時期があります。5年契約など、長期の場合は途中解約できないので、リース契約はおすすめできません。現在でもリース契約をするWEB制作会社には関わらない方が良いでしょう。(リース契約の場合はドメイン、サーバーの所有権は制作会社なので、契約終了後の5年後にすべてを失うことになります。WEBサイトとドメインは資産です。さらに日々更新していた場合、5年の契約が終わってから制作会社に持っていかれる、もしくはデータを削除されてしまうのは悲しいですよね・・・)
SEO対策のツールを提供している会社で5年リース契約の業者がありましたが、現在は廃れて存在を消しています。お客様に無理な負担を強いる業者は淘汰されていくのは当然です。
制作費を分割して支払うタイプの価格設定
格安の制作会社によくある価格設定で、制作費用が月額5,000円~というものがあります。一見すると、とても安く感じますがフタを開けてみると、制作費を分割して5年間支払うものであったりと、年間60,000円×5年で360,000円と普通に制作するのと変わらない金額になります。(格安ではありません)
WEBデザインにはトレンドがあり、5年後のデザインは今と全然違うデザインになっている可能性が高いです。またスマホ対応など技術の進歩にも対応する必要があるため、5年間で制作費用を支払うタイプの価格設定をしている制作会社はおすすめできません。
毎月の支払う額が安く見えますが、実際はリース契約と変わりがありません。
また、分割払いなので、途中で解約することもできず、いわば借金みたいなものです。避けるべき制作会社です。
契約解除できない
制作が終わり、運用が始まった途端に修正や更新の対応が遅くなる制作会社はあります。レスポンスが早そうな別の制作会社に乗り換えたいと思ったが、契約期間があり、途中解約すると違約金が発生するので、解約できないというトラブルもあります。
ドメインの所有権が制作会社
ドメインとは「aaaa.com」などWEBサイトのアドレスのことです。
年間で契約して取得するものです。
制作会社がお客様に代わって取得代行をすることがありますが、ドメインの所有権(名義人)はお客様の名前にする制作会社は優良な会社です。
しかし、ドメインの名義人を制作会社にする会社は、避けるべきだと言えます。
制作会社を乗り換える際に、ドメインを持ち出しできないと、新規にドメインを取得する必要があり、これまで運用してきたSEOの評価が0からスタートになります。ドメインを持ち出しできることで、SEOの評価をそのままで、検索順位を下げずに制作会社を乗り換えることができます。
WEBサイトのデータ(サーバーにアップロードされているデータ)の所有権が制作会社
ドメインと同様にWEBサイトのデータ(サーバーにアップロードされているデータ)の所有権はお客様にあるべきです。これを制作会社の所有権があるとなると、お客様が制作会社を乗り換える際に、新たにWEBサイトを制作する必要があり、制作費用が発生します。基本的にはデータも持ち出しできる制作会社を選ぶべきです。
しかし、例外もありWEBサイトの内容によっては制作会社と共同でコンテンツを作成している場合など、詳細な条件が揃っている場合は制作会社によって所有権に関する判断がわかれるところです。企画段階でそこまで詰めれる場合は決めておく方がトラブルを回避することができます。
WEBサイトのデータを持ち出す際には、静的なファイル(html・css・js等)のみなら、そこまで労力がかからないため比較的安価(制作会社によっては無料)でWEBサイトのデータを支給してくれる制作会社が多いと思います。
しかし、ワードプレスなどCMSを使ったWEBサイトの場合は、データベースを引っ越す必要があるため、データ移行費用は掛かると思っておいた方がいいでしょう。
WEBサイトの制作データについては、基本的に制作会社に著作権や所有権があります。制作会社データとはアドビのPhotoshop、illustrator、XDなどで制作したデザインデータや写真を加工したデータのことです。
こちらは有料でデータを支給してくれる制作会社もありますが、基本的には、支給されないものだと思っておいた方がいいでしょう。
中には相談することで対応してくれる制作会社もあります。
WEBサイト制作中のトラブル
デザインの修正回数について
お客様が描いてるデザインを実現することが制作会社には求められます。
担当ディレクターとの相性もありますが、コミュニケーション不足による認識の違いでトラブルになることがあります。
お客様が描いているデザインが反映されていないので修正を依頼したが、修正回数に制限を掛けられて、これ以上の修正ができないと制作会社から言われることがあります。
制作会社はお客様の要望をくみ取る努力をしていますが、形のないものを作るWEBサイトのデザインの性質上、言葉によるコミュニケーションでは限界があるのは事実です。デザインの感性は100人いれば100通りあります。
お客様の発注の仕方によって仕上がるデザインに差が生まれることが多いです。WEBサイト制作会社に
WEB制作費用に原稿作成や写真撮影も含まれていると思っていたが別だった
お客様の中には、WEBサイトで掲載する文章や写真をWEB制作会社が全部用意してくれるものだと思っている方もいらっしゃいます。
丸投げで自動的にWEBサイトが出来上がると思っている方もいらっしゃいます。
しかし、どの制作会社でも、基本的には文章と写真はお客様が用意することを前提にしています。
本当に目的を達成するWEBサイト制作は、お客様と制作会社で力を合わせて二人三脚で作り上げるものです。お客様の力なしでは質の高いWEBサイトは基本的には完成しません。
制作会社の中には、ライターがお客様にヒアリングして原稿を作ってくれるサービスを提供している会社もあります。写真もプロが撮影してくれる制作会社もあります。原稿と写真をお客様でご用意できない場合は、これらのサービスを利用することで質の高いWEBサイトを作成することが可能です。
基本的には、原稿と写真はお客様がご用意することが前提になります。
WEBサイト制作後・運用のトラブル
修正対応のレスポンスが遅い
ちょっとした文章の修正を依頼したが、対応するのに1週間も掛かるなど、制作会社のレスポンスが遅いことがあります。
すぐに修正しないといけない内容だった場合、すぐに対応してくれない制作会社には不満が溜まりますよね。
可能なら自分で修正できれば、良いのですがWEBサイトの作りが自分で修正できない作りになっている場合、制作会社に依頼するしか修正することができない状態になり困ります。CMSのワードプレスで作られたサイトなら、制作前のヒアリングの際に自分でも更新できるようにしたい等のご要望を伝えることでワードプレスで制作してくれる制作会社もあります。
検索結果に自分のサイトが表示されない
制作会社によってSEO対策の知識がない制作会社もあります。
目標キーワードで表示されない場合は、SEO対策だけを別の会社に依頼するか、自分でSEO対策を勉強して制作会社に修正指示を出すかの対応になります。できればSEO対策を考慮してWEBサイトの制作まで依頼できる制作会社が良いですよね。
新規で取得したドメインの場合、Googleの検索結果に反映されるまで時間が掛かります。これはどの制作会社でも同じです。新規ドメインの場合は、目標キーワードで上位表示するためには2~3ヶ月は掛かるものです。
3ヶ月くらい経っても目標キーワードで20位以内にもランクインしない場合は、SEO対策ができていない可能性があります。半年経っても検索上位表示しない場合は、SEO対策の会社や制作会社を変更することを検討してみてもいいと思います。ただし、目標キーワードがワンキーワードや難易度が高いキーワードの場合は、上位表示するかどうか半年ではわからないので、様子を見ることをおすすめします。会社名や商品名などの固有名詞の場合で競合が少ないにもかかわらず、半年経っても20位以内にランクインしない場合は、完全にアウトなのでSEO対策会社や制作会社を変更することをおすすめします。その会社にSEO対策ができる力がないと思います。
WEBサイト制作後に追加費用を請求された
お客様がうまく修正指示を伝えることができず、修正回数が多くなった場合に追加費用を請求されるケースがあります。これは制作会社が悪い訳ではなく、お客様の修正指示の仕方にも原因があります。
WEBサイトの管理に費用が発生することを知らなかった
WEBサイトを管理するには、ドメインとサーバーの管理が必要になり、手間と工数がかかるため、制作費とは別に管理費というものが発生します。
もし、ドメインかサーバーのどちらか一つでも更新(支払い)を忘れてしまったら、WEBサイトは表示されなくなります。
担当ディレクターがWEBサイト制作前に、管理するのに費用が掛かることをお伝えしていないことが原因のトラブルで、お客様の中には管理費が掛かることを知らなかったケースです。制作会社には当たり前に思っていることが全くWEBの知識のないお客様には見えないところだと思います。
また、WEBサイトは制作が終わってからが大切になります。
ほとんどの目的を達成しているWEBサイトは制作後の運用を頑張っています。例えば、SEO対策のためにページコンテンツを追加したり、Googleアナリティクスを使って人気のあるページをさらに良いものにしたり、アクセスが少ないページを改善してアクセス数をアップさせたり、現状チェックと改善を繰り返しています。
制作後に放置していて目的を達成することは難しいのが実情です。
ドメインとサーバーを管理するだけなら、手間と工数はそこまで掛かりませんが、現状チェックと改善、さらにWEBサイトを更新するとなると、管理費用と更新費用、改善費用というものが発生するのは当然です。
まとめ
WEB制作会社とのトラブルを避ける方法についてまとめてみました。
少しでも、お客様や見ている人のお役に立てると幸いです。
WEB制作をしたことがないお客様にとっても、未知なことだらけだと思います。事前にWEB制作会社についての知識があるだけで、トラブルを避けることができると思います。
WEBサイトはお客様と一緒に作り上げるものだと思います。
トータルプロデュースできる制作会社は少なかったり、文章作成や写真撮影まですべてお任せした場合は、制作費用が高額になるケースがあります。
制作会社からすると文章作成や写真撮影は、WEB制作に欠かせないものですが、制作会社はサイトの目的を達成する設計、デザイン、コーディング、プログラミングがメインの仕事です。
まったく、文章作成や写真を撮影しないというわけではありませんが、ベースはお客様にご用意していただく文章を元に原稿を作成します。
WEB制作で使用する写真もお客様から支給していただいた写真を元に明るさを調整したり、ゴミを除去したり、合成加工したりと編集を加えています。
WEB制作は制作会社に丸投げにしないことが、トラブルを避ける方法でもあり、目的を達成するWEBサイトを制作するために必要不可欠なことになります。