「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」の中間取りまとめを発表
国土交通省 航空局 航空ネットワーク企画課は、23年2月に立ち上げた「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」の中間の取りまとめを6月9日に発表した。
グランドハンドリング、保安検査をはじめとする空港業務については、厳しい労働環境などによってコロナ禍以前から人手不足等の問題に直面していたが、パンデミックの長期化によって過去にない規模で航空需要が激減したことにより、空港業務の必要量が大幅に低下し、採用抑制や離職者が増加した。
昨年秋から国際線の復便が徐々に進み、インバウンドの本格的な回復に対し期待が高まりつつあるが、航空機の運航に不可欠な空港業務に従事する人手不足が一つの要因となり、空港内の混雑等の課題が顕在化している。
空港業務は、公共交通や貨物輸送は国民生活や社会経済を支える航空ネットワークの根幹であり、インバウンド推進等を通じた地域振興を実現するための拠点でもある「空港」の機能を維持していく上で極めて重要な役割を果たしている。
その空港業務の持続的な発展に向け、航空業界において働きたい人が誇りを持って長く働き続けられること。そのために必要な賃上げを含む処遇の改善や人材育成、航空業務の社会的意義や魅力の発信を考えるとし、以下内容に具体的に取り組む。
今後は、これらを踏まえ官民が総力を挙げた具体的な取り組みを進めていくことにより、空港業務を取り巻く構造的課題の解決等を図っていくことが重要としている。
検討会は、「容易とは言えないものの、賃上げを含む処遇改善等への対応は待ったなしの課題と言える。“航空業界”というブランドや、現場で働く人の使命感などに甘え、やりがいの搾取を続けているような現状は一刻も早く改善していかなければならない」とたうえで、「この検討会の枠組みを活用し、各主体の具体的取り組みの進捗やその改善状況についてフォローアップを実施し、その過程で新たに明らかになった課題等があれば議論し、必要に応じて見直しをする」とコメントしている。
2023年6月15日掲載