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#50 指導者に必要だと思う要素

「良い指導者」「教えるのが上手い先生」と言われるためには何が必要なのか、ということをインストラクターになってから特に意識するようになりました。

”特に”と書いたのは、会社員のときも一緒に仕事をする後輩やチームメンバーをマネジメントすることがあったため、ひとに何かを教えることや伝えることについては、以前から常に頭の片隅にある課題でした。

noteを始めてからこれまでにも、伝えることや教えること、教わることなどについて雑感をいくつか書いています。

そして、自分が吸収したこと・経験したことをアウトプット(言語化)することは、”教える人”にとって、とても良いことであり、わりと必要な要素の一つだと感じています。


勉強でもスポーツでも、教える側の指導者・先生は、教える対象について何らかの工夫や試行錯誤をたくさんしてきていると思います。

その”何らかの工夫”をアウトプットする習慣の積み重ねが大きくなればなるほど、教え方についても、バリエーションを増やしたり工夫ができる。

アウトプットというのは、言語化しておくこと。できれば、なんでもいいので「ひとの目に触れる」ようにしておいたほうがいい。

友達や家族に話す、でもいいし、SNSにアップするでもいい。自分だけのメモとして書き溜めるより、必ず誰かに見てもらったり聞いてもらったりしたほうがいいと感じています。


なぜなら、経験したこと・学んだことを言葉に置き換えるという作業は、簡単なようで難しいことが多いからです。

明確な単語や表現を使わずに「あれ」「これ」「ここ」「そこ」と指示語(こそあど言葉)を一切多用せずに表現する難しさ。

知れば知るほど経験と知識が備わるので、シンプルに伝えたつもりでも実際は、多くのジャマな情報が混在してしまう難しさ。

この難しさは、自分だけの手元のメモでは気づかず、ひとに見て聞かせて気づくことのほうが多いと思います。


前者については、スポーツなど体を動かすことを教える際には使いがちです。私もトレーニングやダンスを教えるときに、気をつけていないと「ここをこうやって動かすとそこがこうなるから・・」と話してしまいます。

教えているときは、一緒に体を動かしながら伝えているので全くダメではないけれど、教わる側の頭の中には指示語しか残らない
指示語を多用せずに「上になる右手は軽く握る、下になる左手はしっかりポールを押す、そうするとポールと自分の間にスペースができて大きい遠心力を作れる」と、しっかり単語を使って伝えることで、教わる側の記憶の定着にもなります。


後者の、シンプルに伝えたつもりでも情報過多になっている、というのも意識して気をつけていないと、分かりづらい指導方法になってしまうありがちなパターンだと思います。

セミナーや講座で、講師が途中で脱線話をし始めて収集つかなくなって「なんの話だっけ?」と感じたこと、ときどきありませんか?脱線した与太話は面白いのですが、そっちの記憶のほうが定着してしまって肝心なことが記憶に残らないというのはわりと”あるある”ではないかなぁ。


スポーツの世界では「良いプレーヤーが良い指導者になるとは限らない」という言葉があります。

こう言われる理由は様々あると思いますが、「良いプレーヤー」になるために積み重ねてきたプロセスをアウトプットしていた習慣があったのかなかったのか、というのもわりと大きな要因ではないかなと感じています。



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