#10 流行りに乗るのも一つの手
GWに入って、ふと昨年のことを思い出しました。
ちょうど、昨年のいまごろ、エンジェル投資家の方と話をする機会がありました。
タイトルには「流行りに乗るのも・・」と書いたけど、「流行りに乗れなかった、乗らなかった」という話です。
スタジオをオープンしてから、個人向け(to C)のお客さんだけでなく、なんとか企業向け(to B)のサービスを作って売りたいな、と常々考えていました。
というか、これは今でもその気持ちは変わらず、どちらかというと私が力を入れているのは企業向けの案件です。
理由はいくつかありますが、収益の安定性と自分が得意だから、というのが大きな理由です。
個人が趣味や日常のトレーニング代として出せる金額には限界があるし、それぞれの個人が求めるニーズもバラバラ。それに比べれば、企業案件はある程度、「こういうニーズで」というのが読みやすいと私は感じています。
そして、何より、今まで企業向けに仕事をしてきたこともあって、営業活動そのものも、to Bのほうが好きだしアイデアも出やすい。
というわけで、to Cより、to Bに力を入れたいのですが、販路開拓には時間がかかる。しかし、目先の資金は減るばかり。
開業時に受けた融資は早くも底を尽きはじめ、なんとかしなければならない状況でした。
資金調達の方法を模索している中で、「エンジェル投資家」という人に会って話をさせていただくことができました。
紹介されたときは、フィットネス系のジムを展開している会社の代表者、とのことでしたが、企業サイトをいろいろ調べてみるとソーシャルレンディングなどの「おカネになりそうなこと」も手がけているような様子でした。
先方は、私が取り組んでいる事業に関心を持ったようで、応援しても良い、というような言葉を口にされてましたが、資金提供の条件とともに言われたアドバイスに引っかかりを覚えました。
資金提供の条件としては、早い段階できちんと利益をあげられる道筋を見せること。
これは、当たり前といえば当たり前なので、そのこと自体にはなんの違和感もありませんでしたが、アドバイスとして言われたことが気になりました。
「今あなたがやっているエアリアルは、需要の掘り起こしに時間かかるし、まずは人を呼び込めるヨガとかを取り入れたほうがいい。ヨガなら有名なインストラクターとか呼べればすぐに(月に)100(万)くらいいくから」
私としては、 to B案件を積極的に展開したい意向で話をしたのですが、どうやらそこはさておき、といった様子。
しかし、気になったのは自分の意向が無視されたということではなく、
率直に思ったのは「ヨガか・・」という気持ち。
ヨガは確かにいまや、かなり身近になったし、流行っているとは思います。だけど、どのエリアでも「ヨガ教室」を目にするようになったので、参入するには遅いんじゃない?という感じもあるし、スタジオのある江東区では、かなり安価にやっているところもあります。その金額では、ちょっと無理だなとも思う。
もちろん、金額については、エアリアルとセットにするなど、オリジナルの付加価値をつけて市場価格より上げるなど工夫の余地はあります。
しかし、流行っているから、すぐ人が集まりそうだから、という理由で取り入れるというのは、私がやりたかったことなんだろうか・・という思いが過りました。
そして、何より、私がヨガそのものに興味がなかった。(ヨガやっている人、気を悪くしたらすみません)
なぜ興味がないかの詳細は省きますが、自分が関心のないものをサービスラインに加えたところで、果たして人が集まるのか(集めることができるのか)?という気持ちが先に出てしまい、素直に「やってみます」とは言えず、検討します、としか言えませんでした。
自分がやりたいと思うことがニーズを捉えてないなら、事業として成り立つまでに時間がかかるので、やりたいことをやりつつも、ニーズにマッチしたサービスに乗っかるのは、基本的にアリだと思っています。
まずは結果、やりたいことはそのあと。
選り好みせずに流行りに乗るなり、成果が出てるやり方を真似するべきだな、と。
このときも、自分の関心はさておき、いろいろな人の意見も聞きながら何周もぐるぐる考えました。
しかし、どうしても「遅すぎた感」を否めず、それを拭えるだけの戦略は考えられなかった。結局、ヨガには手を出さずに今に至ります。
ありきたりですが、口で言うのは簡単だけど、いざ実践するとなると難しいですね。
流行りごとに対して自分の気持ちがあまりにもかけ離れているなら、そこは割り切って乗らないのもアリ。
抵抗が無いなら、乗っかるのがいいのかな。
答えはないし、自分が選択した道を正解にしていくしかないのですが、堂々巡りの自問自答の日々です。
今のところ、大衆的な流行りモノとは違うものを求めているような雰囲気のお客さんに来ていただいているので、昨年の選択は、まぁ、あれで良かったんじゃないだろうか・・とは思っています。