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月に代わって
たまたま帰りが遅かったので
皆既月食の時間にぶつかって
人々が同じ空を見上げていた。
昨晩が皆既月食という知識と
皆が空を仰いている事実とで
勝手に推測しただけだけれど
誰もが月の方角を睨んでいた。
足早に帰るのを一時中断して
つられるように視線を上げる。
ない。月の残骸すら見えない。
それでも全員ブレることなく
同じ方角だけを見つめている。
月の所在ですら不明瞭なのに
皆既月食を捉えているような
人々の集中した視線がこわい。
心の綺麗な人には見えるのか。
もちろんそんなことはないが
皆既月食には出会えなかった。
月がないので月見蕎麦をした。
がっつり「月より団子」です。
屋外飲酒が快適な季節なのに
自宅待機でスマホ月見をする。
新しい文化に慣れてきました。