また
土砂降りなんですけれども。
外干した洗濯物を心配して
悲しみに明け暮れていたが
自分自身もずぶ濡れになり
それどころではなくなった。
こうも頻繁に水を滴らせて
憐れな姿で帰宅するなんて
一体誰が想像するだろうか。
小雨に打たれている時点で
大人しく傘を買えばいいが
もったいない精神が働いて
結果ずぶ濡れになる羽目に。
もう何度目かも分からない。
傘を購入せず乗り切ろうと
張り切るのが間違っている。
いい歳をして雨に打たれて
惨めな気持ちになるだけと
分かりきってはいるけれど
染み付いたケチが抜けない。
もう途中で駆け足も止めて
ずぶ濡れを楽しむ日もある。
最近は電子機器の類は全て
防水加工になっているので
濡れて困るものは極少数だ。
映画のワンシーンのように
大声で叫んでみたりすれば
吹っ切れたりするだろうか。
そこまで大袈裟になれれば
きっと気分もいいだろうが
流石にそれはできないので
ただ不愉快な雨に打たれる。
べっとり張り付いた衣服が
帰宅後の不快感を助長する。
手荷物を玄関に置いたまま
とにかくシャワーを浴びる。
少し体温の下がった身体に
やや熱めの湯水が沁み渡る。
でもいつか土砂降りの日に
何も持たない身軽な格好で
目一杯の雨を浴びてみたい。