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「言葉は身体は心は世界」に寄せて

友人である瀧瀬彩恵さんのエッセイ「言葉は身体は心は世界」出版イベントのトークセッションにお招きいただいた。

私自身、どのようにその場にいるべきかと色々と思索を巡らしていたのだが、その力みに反して、本を読みこむほどに心は柔らかく、感性は広がっていき、瀧瀬さんの言葉のなせる技に驚く自分がいた。

出雲という地に生まれ、神事が身近にあった幼少期。
20代の頃に重ねた引っ越しと旅。
時たま、暗黒舞踏やトライアスロンなどに振り切って、身体感覚に戻っていったこと。そんな自らの経験を、瀧瀬さんのエッセイの言葉をたどりながら思い出していった。

昨年からゆるやかに作り始めたChai Apothecaryというチャイシロップのブランドの背景は、そんな全てがつまっている。旅先の美しい大地や風土、食文化や季節や素材への感性、出雲という土地への土着感覚など。無自覚に集めてきたものが、ふとしたきっかけと縁で形になり、少しずつ広がっていっている。

瀧瀬さんの言葉が、循環して、いつの間にか自分へと還っていった。
そしてまた、これからはじまる対話やトークセッションにいらっしゃる方たちとコミュニケーションの協奏をしていきながら、見える風景が今からとても楽しみだ。

本を読みながら感じた感覚を、瀧瀬さんに送った

本文気になった箇所をいくつか引用して、トークセッションの手がかりにしてみたいと思う。

P.5 L.8
ヤドカリのように多くの引っ越しを経て、囲まれる物理、空間によって変化する心身も経験してきました。このような感覚を持つ身体、宿る心から見える世界や人間の姿があります。

P.22 L.1
誰かが「何を見てどう呼ぶか」言い換えれば「何を知覚してどう定義するか、形にするか」には必ず身体と過ごしてきた時間が大なり小なりあらわれる。

P.36 L.9
受けた影響が身体にあらわれない自分なんて全く想像がつかない。性質を自覚しながらも翻弄されないだけの強度、囲まれる環境を意識的に選ぶ知力、想定外の影響が訪れても受け容れて手のひらで転がす余裕が今の自分にはあるので順応を楽しめている。

P.57 L.10
友人は「visitorであることは希望だ」と続けた。居る場所で身体も心も自分が発する言葉も、ものの見方もすべて変わってしまう。自分の外側にあるものもずっとそのまま続くわけじゃない。この感覚を携えた私たちに見える景色と生み出せるものがある。

P.132 L.10
わりきらない自分のままわりきれない世界に身を委ねていく。心地よさと「まちがっていない」ことだけは信じて、目の前に立ち現れるものごとの上を浮いていく。

その他、大きな章として「巫女的心身」など、気になる部分は読めば読むほど出てくるのだが、それはまた当日まで温めておこうと思う。

最後になってしまったけれど、簡単な自己紹介を。

Biography
1989年島根県出雲市出身。
津田塾大学英文学科中退後、青山学院女子短期大学国文学科卒業。文化人類学研究室、建築事務所、カフェ勤務を経て、レストランカンパニーブランド部署にてクリエイティブや企画関連の仕事に携わる。東京での仕事の傍9ヶ国ほど旅をし、タスマニアのハーブファームで働いたり、北インドの奥地まで出かけたり、都市と辺境を行き来。昨年、自身のプロジェクト”SCYTHE”を始動、その一環でホリスティックチャイブランド”Chai Apothecary”を立ち上げる。

Chai Apothecary
スパイスと和漢の薬草、山の蜂蜜でつくったホリスティックなチャイ。自然豊かな出雲の風土で育った植物と旅のインスパイアを1杯に。季節の素材を活かして、暦に沿った"2shi 2bun"というシーズナルブレンドを、春分夏至秋分冬至にリリースしている。

瀧瀬彩恵「言葉は身体は心は世界」
BOOK LAUNCH EVENT トークセッション詳細

7月9日(土) 13:00-14:30 / 16:30-18:00(1時間半程度予定)
会場:AOI COFFEEの同じ建物にあるイベントスペース
参加費:2000円(チャイ付き / 各回定員8名 要予約)
*各回10分前までにご入場ください / 参加費は当日現金精算をお願いいたします

ご予約は下記フォームよりお願いいたします
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScWldqiSOrntTQTw99ojiGlGDPKuRrAt9Yc95zr3MKEWdnntg/viewform


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