★大人なんて偉くない。人はそんなに優しくない。
前回のお話で、あたかも〈無音〉で瞑想することで、心が穏やかでいられるような印象を与えてしまったかもしれません。だから、補足したいです。
私はまだ60歳、70歳、あるいは80歳を経験していないので断言はできませんが、どんなに年をとっても人は間違えるし、常に他人に優しくできるわけでもないと思います。かく言う50代の私も、エラクないし、ヤサシクありません。
偉くなれないし、優しくなれないから、徒党を組まず、他人と距離を置いて、ぼっちで行動していると言っていいかもしれません。なるべく誰にも迷惑をかけないように、それが信条です。
生きるのってツライのです。大人になってさえです。
大人になれば、すべての疑問は解けるものと思っていましたが、そんなことはありません。
世界には、バカな大人が多過ぎる。モノを知らない大人は、たくさん存在します。
だから、若くない私でさえ大人の言うことは鵜呑みにせず、できる限り自分でリサーチしてから受け容れるようにしています。そのため、他人を怒らせてしまうことはしょっちゅうあります。だけど、一見立派にみえるような人のお話でも、信用できないと判断した情報は受け容れることはできませんよ。
東京の人は冷たい、田舎の人の方が温かいでしょ、と田舎の人ほどよく言います。それは、ある側面では正しいけれど、ある側面では正しくないです。
私は田舎の人の方が、ぞっとするほど冷たいと感じるときもあるのです。
それこそ、感情に支配されて行動する人間の〈本質〉なのですが、そんなもの、人の置かれている立場によって変わるだろう、というのが私の意見です。だから、
日本人は優しいとは言えない。そんなものは幻想です。
当の日本人である我われが、日本人は優しい民族だと驕っていることに恥ずかしくなるときがあります。
私にもいろいろな側面があります。私のパートナーにも、私のみていないところでいろいろな側面をみる人もいるでしょう。すべての人間がカメレオンのように、自分の身を護るためにころころと色を変え、生き延びているのです。
身を助けてくれるのは知識と知恵です。
いろいろと支障があるので、今日はとても抽象的なお話になってしまったことが不本意ですが、甥らと姪らに向けても、大人なんて偉くない。人はそんなに優しくない。だから、そんな幻想・期待からは早く解放されなさい、というのがお伝えしたいことです。