ファッションデザイナーになりたいなんてファンキーな人に一言。
数年前から母校の専門学校に年に何度か
お手伝いに伺う事がある。
社会経験が殆どない僕が話せることなんて
何もないのだけれど、業界トップクラスの
会社がコロナ関係なくコロっと倒れてしまう
時代に、自分なりに感じていることならば
話せるのかなと思い、毎回恐縮ながらも
伺わせてもらっている。
その中で知り合った高校生に
どうやったらデザイナーになれるんですか?
と聞かれることがある。
僕の答えはいつだって簡単で
自分がファッションデザイナーだと思えば
あなたはファッションデザイナー
なんじゃないですか?
と答える。
【デザイナーとアーティストは違う】
僕が業界に入った20年近く前と
時代は大きく変わって、モノの売り方や
作り方、そして業界に携わる人達の肩書や
仕事の内容まで大きく変わった。
自分の店を持とうと思えば、
インターネット上に簡単に作ることが
できるし、SNSを駆使すれば
世界中に宣伝だってできる。
それは決して企業でないと出来ない訳でなく、
学生でさえ作れてしまう世界。
生産だって、例えばインターネットで
オーダーを受けて、縫うのが得意な人で
あれば必要分だけ自分が縫うなんて
方法もあるだろう。
要は自分がどんなスタンスで仕事を
したいかで、肩書や規模感なんて今の時代に
大した意味を持たないと思っている。
けれど、
誤解のないように一ついえば
デザイナーという肩書を持つ以上、
売れないものを作ってはいけない。
どんな業界でも、
建築だろうがインテリアだろうが
誰かに必要とされるものを作ってこそ
デザイナーであり、
ユーザーを満足させられないものを
作るのならば、それはデザイナーではない。
そしてブランドというのは
その活動を持続し続けた先にある形だと思う。
だから
ブランドを維持し続けることは
とても難しいし、常に顧客さんに感動と満足を
提供する存在でなければならない。
一流のブランドを作ろうと思えば尚更だ。
じゃあ、
こんなことを偉そうにツラツラ書いてる
お前さんはどうなんだ?
と言われたら、
最近
とてつもなく売れないものを
生み出したことがある。
コロナだから服が売れない、
とかも平気でぼやいちゃう。
これはデザイナーとしては失格だ。
売れねーのは人のせいじゃねーんだよ、
テメェのせいなんだよ。
、、ていうくらい、
ダメダメへっぽこな存在です笑。
でもね、
僕みたいなへっぽこだろうが
才能あるデザイナーだろうが、
この世界でご飯を食べて行こうと
思うなら、
覚悟をもて。
その一言につきるのです。
杵築