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【FVP政治観察記】(第2回)被害者救済法成立を受けて

【衆参】

〜与党と野党と〜


0.はじめに

ついに統一教会被害者救済法が成立しました。

与野党で協議を重ね、成立したことによかったと思っています。

まだまだ不十分かもしれません。それは今後、運用しながら継続的に修正をしていくべきだと思います。

今国会の目玉となったこの法案。その成立の過程で日本の政治が新たなフェーズに入ったと感じました。


1.法案成立まで

参院選以降、旧統一教会の悪質な行為が明るみになり、政治家との関与が次々に明るみになる中で、旧統一教会の被害者の方々が声を上げ始めていました。

一ヶ月半ほど前、はじめに動いたのは野党でした。

驚きました。

立憲民主党と日本維新の会が国会内で共闘すると発表したのです。

参院選前までは非難しあい、目指す社会像も大きく異なっている両党です。

別々に訴えたほうが個々のアピールには有効かもしれません。支持者からの反発も少なからずあったと思います。

それでも旧統一教会の被害者を救うという目的で一致し、大きな塊となって被害者救済法を成立するという本気度を感じられました。

立憲と維新が法案を提出してから与党側の動きというものは消極的だったと言わざるを得ないと思います。

はじめは、政府としての法案を提出せず、野党の法案の不十分な点を列挙するというような不誠実な対応でした。

ここで、与党側がそのまま放っておくこともできたはずです。野党側が不誠実な対応だと非難に終止することもできたはずです。交渉が決裂してもおかしくないような状況だったと思います。

しかし、野党は協力して協議の重要性を訴え、与党もその協議に応じることになったのです。そんな中、3人の大臣が相次いで辞任し、予算委員会ではそれについての話題や物価高対策などが中心となっていました。

それでも、野党側は被害者からの声を聞く国対ヒアリングや党内での議論を数十回重ねるなどあまり注目されないところでも良い法案にするために精力的に動いていました。

ついに提出された政府法案は与野党の主張がある程度盛り込まれていたものでしたが、野党が求めていたマインドコントロール下での寄付の禁止は規定されていないなど、野党側としては不十分な法案でした。

そんな中で法案成立のその日まで政府に修正を求め、協議を続けました。

与党側も取り入れられるところをできるだけ取り入れようと協議を続けました。

そうして、自民、立憲、維新が3党とも賛成する形で成立にこぎつけたのです。

法案は不十分だと思います。

しかし、成立したことは大きな前進になりました。

これから、法律として運用しながら継続的に修正を続けて言ってほしいと想っています。 


2.新たな政治の姿かもしれない

この法案は野党からの提案でした。はじめは与党側はあまり進めようとはしていませんでした。

それでも、与野党が垣根を超えて何度も議論し、協議し、互いの主張を最大限に盛り込もうと努力していました。

最後の一時間まで、最後の一文まで被害者救済のために互いの要求をぶつけ合う姿勢は非常に好感が持てました。

ここ十年ほど、与党が数の力で押し切るという場面を何度も見てきた身としては非常に新鮮でした。

与党と野党が互いの意見を思いを議論しできるだけ合意できるように進めていくという姿勢は今後の日本政治の進むべき道なのではないかと思います。


3.何が政治を動かしたのか

では、なぜ政治は動いたのでしょうか。

それは、今まで苦しんできた被害者の方々が勇気を出して声を上げたからだと思います。

そして、多くの国民が「今のままではいけない」と声を上げたからだと思います。

国民が声を上げても政治は変わらないと思っている人もいるかもしれません。しかし、確実に言えることはひとりひとりが声を上げ、思いを発信することは野党を動かし、与党を動かし、政治を動かすことができるということです。

政治を動かす力はいつでも国民の中にあると思います。

主権者は私たちです。



※「FVP政治観察記」ではそれぞれのメンバーが活動を通して感じたことや政治への思いを書いています。賛同できる意見もできない意見もあると思いますが、ぜひご一読いただき、また、皆さんの意見を発信していただければ幸いです。

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