スノー・ロワイヤル、そして父と雪山と死
先週の頭のことですが、週明けすぐにカッとなることがあって、auマンデイを利用し「スノー・ロワイヤル」を観に行きました。
そして翌日「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」をアマプラで。
これ、「ファイティング・ダディ」を、同じ監督がセルフリメイクしたものが「スノー・ロワイヤル」なんですよ。
大筋どころかシーンによってはセリフや構図もほぼ一緒のところがあるので、家で寝っ転がりながら「これ昨日映画館で観たな…」と、デジャブともまた違うなにかを味わう貴重な体験ができるのでオススメです。
いや、普通に観てもオススメですよ。
ファイティング・ダディの時点でぬるっとブラックな笑いを楽しむ感じの素敵な映画でして。
最近流行り?の「ナメてたおっさんが実はクソ強でハチャメチャ大乱闘」ジャンルなんですが、主人公自身は「素人ながらも寡黙に息子の復讐」をしてるだけで、そこにマフィアのアホのボスが勘違いしちゃって町ぐるみで混乱の渦が巻き起こるプロットがまず楽しい。
で、そこに数年経っての監督のスキルアップか、はたまた反省点を活かしたのか、配給会社の意向か、予算の差なのかどれが正解かわからないんだけど、セルフリメイクした箇所がことごとく大正解なんですね。
「ファイティング・ダディ」で面白かったそれぞれの箇所を確実にブラッシュアップして、殺しのシーンはかっこよく、舞台設定を変えることでより分かりやすく、それぞれのキャラ付けをガッツリなどなど、バキバキに尖りながらもさらに観やすくなってて。これスノー・ロワイヤル単体でも面白いけど比較して二重に楽しむのがまじオススメです。
あと「スノー・ロワイヤル」の邦題考えた人がマジの秀才。なんだ「ファイティング・ダディ」って。これ完全に「スノー・ロワイヤル」だもん。
「スノー」が雪とコカインのダブルミーニングで、「ロワイヤル」もバトロワと”バトロワ”のダブルミーニング。なんだ「ファイティング・ダディ」って。
そう、父と雪山で思い出したんですが、ぼくですね、父のせいで雪山で死にかけたことあるんですよ。
マジのあと一歩で「死」のやつ。
父はアウトドア好きで夏はサーフィン、冬はスキーで土日いなくなるような人間で、まあ息子の僕にも父の「好き」を押し付けてくるんですよ。
当時はまだスポーツに得意不得意がなかった頃とはいえ小学生にできるラインってあるじゃないですか。父にはそれがわからないんです。
なので一通りスキーのいろはを教えたらもう山頂へゴーなんですね。
で、教えてくれるかと言うと先に滑ってっちゃう。
獅子は子を谷底へなんて言いますけどソレじゃないですね、単に自分が滑りたいのと教えるのがめんどいから。だから先に滑ってっちゃった。
んでスキーのいろはつってもハの字と直滑降しか知らないわけ。
ハの字でガガガガガって削っては転んでを繰り返して降りてたら、気付いたら周りが一面真っ白。
頂上だから気候が変わりやすいんでしょうね、マジでもう周りなんも見えないし、かといって父はもうはるか下。
ゴンドラで一緒に乗った他のスキー客はおろか後続も見当たらない。
キャッチコピーにしたら「白銀の中、頼れるのは自分のみ。」なんてワンシチュエーション映画撮れるやつだけど、その実態は小学校低学年のボーゲンオンリーで下山。
そんなこんなでボーゲンでガガガガやりながら半べそで降りてるその時、腰あたりになにかが当たった気がしたんですね。
こわいなーこわいなー何かなーってなりながらガガガガ進み、ふと気づく。
「あれ、これってコースに張られているロープじゃ…?」と気付いた瞬間、視界が一瞬晴れたわけです。
その時の光景は忘れませんね。
スキー板の1,2本分右横にずれた先はもう谷だったんです。
斜面じゃなくて90度直角のやつ。
気付かずにもう少しガガガガ削って進んでたら谷底に真っ逆さまだったと。
その後はスッと晴れたこともあり後続のスキーヤーに助けられ下山。
それ以降、父のスキーについていくことはありませんでした…ということもなく、それなりの年齢まで家族旅行の定番でしたね。
うーん、つたないハの字ではオチまで辿りつけなかった
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