TTバー導入記。(7)
ストレートバーというのは、案外握りやすいと言えるのではないか。
昨日までは2日連続でいいものを食べるように心掛けたが、見事に飽きがきて今日から朝食は蕎麦をひと束と大根おろし、そして筋トレをするようになってから気に入って摂取するようになった蛋白源の牛乳200mlという内容で1食200円の生活に戻った。
めんつゆも好みに合うように自家製で、蕎麦であれば濃縮しなくてもギリギリ食べられるくらい、やや濃いめくらいの濃度にしておき、濃縮したとしてもそれはそれで何にでも流用できるという仕上がりにしてあって、これがまたうまい。個人的つゆの大革命。それはそれとして……、
宿題だったストレートバーの取り付けと試走を済ませた。手首の負担がすごいのではないかと予想していたが、人差し指と中指の股に挟むような形で握ればなんてことはないし、姿勢保持力が自分で思っているよりも高いのか案外添えるだけで済むものだなと思った。
ただし、Jベンドとストレートではどっちがいいかというのは迷宮入りかと思われる。2024年現在での最新のTT/トライアスロン/トラック用バイクではJベンドしかあり得ないというくらいの採用率だから、今のトレンドは手首や何やらの解剖学的に楽に握れるほうが結果は良くなるという考え方なのだろう。だが時折カンチェラーラみたいな古風なライダーが現れて混乱させるのである。余談だが、彼はチームで唯一TTバイクでメカニカルのコンポーネントを愛用していたという逸話もあるらしい。また、過去にシマノ製だかカンパニョーロ製だかのクランクをあえて使わずにFSAのゴッサマーというクランクを指名して使っていたこともあるらしい。前面投影面積でいえばストレートのほうが優れていそうだが、そこまで拘って使い続けるほどの違いを生むかは個々人で風洞に入ってみるしかあるまい。なんなら、地面とぴっちり平行! 美しいだろ? でも構わんだろう。
ひとしきり確認程度に走って家の片付け。一念発起して始めたこと自体は大きな一歩だったが、そもそもが散らかりすぎていて全然理想通りにいかない。だが、焦ってすぐに済ませようとすると途方もなく思えて心が折れ、暗礁に乗り上げる。数年単位で考えないとまず無理だろうという諦念を交えつつ気長に構えるしかあるまい。
その後、締め括りのジョギング。5kmを1時間のペースである。私にしてはよくやっているほうで、よくもまあ1年かそこらでここまで体力がついたものだと呆れるくらいのバイタリティーだと自画自賛する。
そして、夕食はオートミールのチーズリゾット1食分と、キウイフルーツと牛乳。燃費よし。痩せてよし。
寝しなにFUJIのTRACK ARCV(Brushed Aluminumのみ。販路を限定しすぎて売れ残った?)がSHIFTAでセールになっていることに気付いた。本気度でいくとTRACK PROのほうがいいのだが、あまり大袈裟なエアロシェイプはグラベルバイク化やストリート志向のチューンをする上で潰しがきかないし、どうせ部品はヘッドパーツ以外は好みのものに取り替えるし、何よりレースをする予定がなくて完全な練習用だし、初期投資はできる限り抑えられたほうが未来は明るいのでは……? ロードバイクで巻き起こったディスクブレーキ採用ブームのような一大センセーションが起こらない限りは呑気にそう言っていられるだろう。13速化が現実になった(即ち個人的に夢に描いていた11-23のカセットが完全なクロスになる時が現実として訪れた)のは嬉しいのだが、電動化でその兆候はうっすら見えてはいたものの、ロードバイク用の機材においてディスクブレーキ以前と以後という過去と未来の明確な分断が起こってしまったことは甚だ遺憾である。ちなみに、調べていて驚いたのだが、同じくFUJIのロードバイクでNAOMI DISCというモデルが、完成車に採用されているコンポーネントはかなり低めのグレードながら、フレームはリヤエンドが142mm、フォークは1-1/8インチからおそらく1-1/2インチのテーパードという出来栄えが本気すぎてニヤニヤしてしまった。105でいいからレースも視野に入るコンポーネントを入れたら飛べると思う。良いフレームは飛んでいるような心地で乗れるものなのだ。
つづく?