2021 Liege-Bastogne-Liege プレビュー
今週末、4月25日(日)はアルデンヌクラシックの最終戦で今年3つ目のモニュメント、第107回リエージュ~バストーニュ~リエージュです。
「ラ・ドワイエンヌ(=最古参)」と呼ばれる最古のクラシックレースについてプレビューしていきましょう。
リエージュ~バストーニュ~リエージュはワロン地方の中心都市、リエージュをスタートし、8の字を反対向きに進むように南部のバストーニュに至り、北上してリエージュに戻ります。
総距離は259km、獲得標高差は4000mにもなる、アルデンヌ地方の美しい丘陵地帯を走るレースです。
レースのポイントになるのは終盤の丘ですが、その中でもフィリップ・ジルベールの坂としておなじみのコート・ドゥ・ラ・ルドットは注目して見ていたい坂です。
路面にはジルベールを応援する「PHIL」のペイントが延々と続いています。
(4月25日訂正)このPHILのペイントは毎年日本人のファンの方が書いているそうで、今年はないそうです。
また、フィニッシュ前最後の登り、ラ・ロシュ・オ・フォコン(登坂距離1.3km、獲得標高差225m、平均勾配11%)はレースの大きな展開を生む上りです。
強力なアシスト選手の集団牽引でセレクションがかかったり、一発のアタックで独走に持ち込んだり。
今年はどんなフィニッシュが待ってるんでしょうね。
今年のリエージュ~バストーニュ~リエージュの優勝候補は誰でしょうか。
一昨年のコース変更でフィニッシュ前が平坦になって、やや傾向が変わった感じがします。
総合系の選手よりワンデイレーサー向きになったように思います。
最後のラ・ロッシュ・オ・フォコンの登りでのセレクションで残った精鋭集団でのスプリントか、上りでのアタックで独走に持ち込んで、というのがパターンなのかなと思います。
そうするとクライマー系の選手だと独走力やスプリント力の面で難しそうです。
昨年優勝のプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)は今年も優勝候補の筆頭です。
初挑戦したフレッシュ・ワロンヌではアタックのタイミングが少し早く、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)にゴール前でかわされて2位フィニッシュ。
しかし、よりクライマー向きな性格で距離の長いこのレースでは、ログリッチの方が有利ではないかと思います。
その前哨戦、フレッシュ・ワロンヌを優勝したアラフィリップは降着処分になった去年の雪辱を果たしたいところ。
スプリント力にも優れた選手で、小集団でのゴールスプリントになれば有利。
ただまだ本調子ではないということのようで、アップダウンを繰り返すプロフィールで消耗し、精鋭集団から脱落してしまうという展開もありえそうです。
昨年2位のマルク・ヒルシ(UAEチームエミレーツ)はチーム内にCOVID-19感染者が出たためにフレッシュ・ワロンヌをキャンセル。
今年はコンディションを上げている途中のようで、優勝争いには厳しそうです。
同じチームでは、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)がエースになるでしょう。
昨年はツールドフランス総合優勝。
今年も好調をキープし、ティレーノ〜アドリアティコで総合優勝しています。
一人で何でもできるタイプの選手なので、どんな展開になっても残ることができるのが強みです。
下りの速さと独走力に優れてているマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)も優勝候補の一人。
得意のスーパータックポジションは禁止になってしまいましたが、それでも下りの速さは抜群です。
ラ・ロッシュ・オ・フォコンからフィニッシュまでで独走に持ち込めれば、可能性が膨らみそうです。
4月25日で41歳になるアレハンドロ・バルベルデは今年年齢を感じさせない活躍を見せています。
UCIプロシリーズのグランプレミオ・ミゲル・インデュラインを勝利し、アムステル・ゴールドレースで5位、フレッシュ・ワロンヌでは3位と上り調子です。
ユイの壁での脚を見ると、やはり特別な選手だなという感じがします。
5回目のLBL制覇も夢ではありません。
その他にも総合系のアダム・イエーツ(イネオス・グレナディアーズ)、マイケル・ウッズ(イスラエルSUN)、マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ)など、有力選手が多数エントリーしています。
このレースが終わると、夏のグランツールシーズンに入っていきます。
春のクラシック最終戦、第107回リエージュ~バストーニュ~リエージュは4月25日日曜日、20時からGCN+にて、20時30分からJSPOTS4とJSPORTSオンデマンドにて生中継されます。
美しいアルデンヌの景色とプロトンをぜひお楽しみください!