2021 Giro d'Italia プレビュー 選手編
もうすでに第3ステージがスタートしている第104回ジロ・デ・イタリア。
各特別賞ごとに有力選手を確認していきましょう。
マリアローザ
マリアローザ(バラ色のジャージ)は総合時間賞のジャージ。
各ステージのタイムを合算して、最もタイムが短い選手に与えられます。
最終ステージまでのタイムが一番短かった選手が総合優勝となるわけです。
昨年優勝のテイオ・ゲオゲガンハート(イネオス・グレナディアーズ)はツールに向かうとのことで、ジロはスキップ。
そんな昨年の優勝チームはエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)がエースとして出場します。
一昨年のツール総合優勝者ですが、昨年は腰の痛みでツール第17ステージでDNSしてからはリハビリに努めていたとのこと。
今年は春先のストラーデ・ビアンケで3位に入っていますが、腰痛は根本的な対処が難しい原因によるものだそうで、3週間のグランツールでどうなるかは未知数です。
調子の良さそうなのはサイモン・イエーツ(バイク・エクスチェンジ)です。
3ステージ勝利し15日間マリアローザを守りながら、第19ステージのバッドデイで総合優勝争いから脱落してしまった2018年の印象が強いですね。
今年はツアー・オブ・ジ・アルプスで総合優勝(ステージ1勝)。
急斜面に強いクライマーなのでゾンコランにフィニッシュする第14ステージでは注目ですね。
2018年の忘れ物を取り戻すことはできるのでしょうか。
昨年、12日間マリアローザを着続けたジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)もジロに忘れ物をしている一人。TTに強いアルメイダは第1ステージの個人タイムトライアルで4位に入り、現在総合でも4位につけています。
登りで他を離すことができれば、総合優勝の可能性が高まりそうです。
DSMに移籍したロマン・バルデも活躍を期待したい一人です。AG2R時代はツール中心に年間の出場レースが決まっていたこともあり、ジロは初出場。
ここ2年程勝利を上げられていませんが、本来はツールで表彰台に上がるようなグランツールレーサーです。
復活を期待したいですね。
その他、総合を争うことになりそうなのが、ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO)、ジョージ・ベネット(ジュンボ・ヴィスマ)、マルク・ソレル(モビスター)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(クベカ・アソス)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード)などのステージレーサー達。
厳しい山岳ステージでどんな争いを見せてくれるか楽しみですね。
マリアアッズーラ
マリアアッズーラ(青いジャージ)は山岳賞。
登りの頂上に設けられた山岳ポイントをより多く獲得した選手に贈られます。
ポイントを積極的に集めていくために逃げに乗る勇気や、カテゴリーの高い山岳を上位通過するための登坂力が求められます。
一番予想しづらいのがこの賞で、状況により誰が狙うのかが変わってきてしまうところに難しさがあります。
基本的には総合上位にエースが残っているチームからは山岳賞を狙う選手は出てきにくいです。
そういったチームはエースのアシストの仕事のほうが重要だったりするためです。
個人的に山岳賞争いに加わってくれるとおもしろそうだなという選手は、
クレモン・シャンプーサン(AG2R・シトロエン)
ツール・ド・ラブニールで2018年5位、2019年4位。
フランス期待の若手ステージレーサーです。
ヴァレリオ・コンティ(UAEチームエミレーツ)
今年はおそらくチームはステージ狙いなので、イタリア人クライマーは山岳賞を狙っていってほしい。
山岳賞はこういったノーマークの選手に活躍してほしいものです。
トーマス・デヘント(ロット・スーダル)
逃げ屋といえばこの人。
2018年のブエルタで山岳賞獲得、昨年のジロでは山岳賞3位と、はまればマリアアッズーラを狙えそう。
今年34歳のベテランですが、老獪なレース運びで山岳賞争いに加わってほしいところです。
その他にも強いクライマーはたくさんエントリーしています。
例えば一昨年マリアアッズーラを獲得したジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)や総合争いにも絡めそうなダン・マーティン(イスラエルSUN)などは強力です。
大会が進むにつれ、山岳賞を狙う選手がはっきりしてくると思います。
ジロの楽しみの一つですね。
マリアチクラミーノ
紫色のマリアチクラミーノ(シクラメン色のジャージ)はポイント賞です。
スプリントステージの少ないジロですが、トップスプリンターが多数エントリーしています。
注意しなくてはいけないのが、今年のジロはゾンコランを登らないといけないことと、ゾンコランの後にはスプリントステージが一つか二つしかないということです。
そのため、本格的な山岳ステージに入る前にジロから去ってしまうスプリンターもいそうです。
ジロに集まったスプリンターの中でも、一番のスターはペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)でしょう。
昨年もジロに参戦しポイント賞で2位でした。
今年こそマリアチクラミーノを着るサガンが見たいですね。
復調の気配がみられるエリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)もトップスプリンターの一人。コフィディスに移籍した昨年は1勝も挙げられませんでしたが、今年は1クラスのレースで1勝を挙げています。
ジロでは第2ステージで3位に入り好調そうです。
2020年のツール・ド・ポローニュでファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)を押し、落車させる原因となったことで9か月の出場停止処分を受けていたディラン・フルーネウェーヘン(ユンボ・ヴィスマ)はジロが復帰初戦です。
スプリンターにはレース勘が必要かなと思うのですが、ジロ第2ステージでは4位と健闘。
ニッツォーロの番手を上手くとったりしていたのでレース勘も問題ないでしょう。
クリーンなスプリントで復帰後の初勝利を見たいですね。
ポケットロケットの異名を持つカレブ・ユアン(ロット・スーダル)は今一番強いスプリンターの一人です。
比較的軽量で上れるスプリンターのユアンは、ど平坦なスプリントステージ以外でもステージ優勝の可能性があります。
今年、3大グランツールへの出場を宣言していますが、疲労などを考えると途中でDNSしてジロを離れるのではないかというのが大方の予想です。
最後までマリアチクラミーノ争いをしてくれたら嬉しいんですけどね。
第2ステージを勝ったティム・メルリール(アルペシン・フェニックス)は現在マリアチクラミーノを着ています。今年、クラシックレースを含むベルギーのレースを3勝していて、非常に好調そうです。
とはいえ、基本的にクラシックレーサーであることと、グランツールに出場するのが初ということで、マリアチクラミーノ争いでは少し難しそうです。
その他にも、ダヴィデ・チモライ(イスラエルSUN)、ジャコモ・ニッツォーロ(クベカ・アソス)、フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ)などのスプリンターも、スプリントステージで注目したいスプリンターですね。
マリアビアンカ
マリアビアンカ(白いジャージ)はヤングライダー賞ジャージ。
1996年1月1日以降生まれの選手の中で最も総合タイムの少ない選手に与えられます。
基本的に総合争いをしている選手の中で対象の選手がマリアビアンカを着ることになるでしょう。
マリアローザのところで上げた選手の中では、エガン・ベルナル、ジョアン・アルメイダが対象。
その他にもパヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアーズ)、アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック)、ジャイ・ヒンドレー(DSM)などが対象です。
最近若い選手の台頭が目覚ましいので、今回のジロでも新しいヒーローの登場に期待したいですね。
というわけで、注目選手を各特別賞別にご紹介してきました。
ここに挙げた選手以外にも、どんな選手が活躍するのか楽しみですね。
また、今年のジロには新城幸也選手(バーレーン・ヴィクトリアス)が出場しています。
完走してくれることとアシストとしていい仕事をしてくれることを期待したいですね!
第104回ジロ・デ・イタリアはJSPORTS4とJSPORTSオンデマンド、またGCN+にて生中継されています。
毎日レースが見られるのって幸せなことだなって思います。
3週間楽しみましょう!
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