コンニャク畑で捕まえて
皆さん、こんにちは。コンニャク大好き木賃ふくよし(芸名)です。
いきなりですが、ワタクシの古い友人の話をしよう。
この友人、実はこのnoteの記事にも時折、少しだけ登場したりしているが、その登場回数は実に少ない。
ワタクシが京都に移り住んでからになるので、既に25年ほどの付き合いになるため、かなり長い付き合いだと言える。
田舎に住んでいた時代からの友人を除くと、ほぼ最長の付き合いだと言えるだろう。
なお、ワタクシは「何年会っていなくとも、音信不通であったとしても、友人は友人である」と思っているが、この友人とは月に一度くらいは会ってるので非常に稀なケースだと言える。
しかし、note記事への出演は少ない。
これは何故か?
答えは簡単。この友人は、いわゆるSNS系の類をまっっっったく利用しないからである。
この友人がSNSに触れないのには幾つか理由があるのだが、その理由については説明しない。
なので、この友人がSNSを利用しない以上、ワタクシはその意思を尊重し、ツイッターやらこのnote、放送などでは話題にしないようにしているって事である。
(´・Д・)」 なので、
登場させざるを得ない時も、
ひっそりこっそり、名前を隠し、
他の話と混ぜたりして、
ネタになる面白い部分だけ
抽出して登場させている。
その友人が先日、「おでん食う?」と言ってきたので「食う」と返事をした所、山盛りのおでんを持って遊びに来た。
まあ、なんで友人宅に大量のおでんを持ってくる羽目に陥ったのか、この辺も話せば面白いのだが、この友人の話はしない方針なので全面カット。その辺は読者の皆様の想像で楽しんでいただくとして、だ。
ココからは友人の出番を全面的にカットして、友人が持ってきたおでんの話をさせてもらおう。
おでん種の1つに見慣れない丸い物体がある。
卵状の、何と言うか、練り物っぽい謎の物体だ。
一番可能性が高いのは「はんぺん」だが、箸で持った時の重さが違う。重い。
ちくわぶ? いや、弾力は竹輪麩どころか竹輪以上だ。硬さも煮卵よりは柔らかいぐらい。
魚肉の練り物? いや、卵白を使用した加工品? なんだコレ?
噛んだ瞬間に正体が判明する。
(´°Д°)」 コンニャク!?
ワタクシは歯ごたえマニアなので、それがコンニャクである事に驚く。
いや、形状からすると、少し楕円で大きい玉コンニャクである事は予想できたかも知れないが、
(´・Д・)」 コンニャクは
普通のも入ってた。
って事があり、可能性から除去されていた。
そして、見た目にはコンニャクの特徴とも言える、
ゼリーっぽい見た目が
見受けられなかったのだ。
以前、赤玉コンニャクを梅干しと見間違えた事もあるが、赤コンニャクや、一部の高級コンニャク(胡麻プリンみたいな見た目で透明感がない)などの例外を除くと、コンニャクってのは基本、
透明感かプルプル感がある。
しかし、このコンニャクにはそれがほぼ皆無。
魚肉の練り物か卵の加工品かと思ってたので面食らったが、食ってみればコンニャクである事は明白。
尋ねてみると、どうやら湯葉を混ぜたものらしいが、味と歯応えは普通のコンニャクと大差ない。
いや、こう言ってしまうと湯葉コンニャクに申し訳がないので、細かくリポートすると、
・歯ごたえはコンニャクより柔らかい。
・弾力はコンニャクより弱い。
・味はコンニャクと大差ないが、出汁を吸う。
調理はしてないので、調理上のポイントや未加工状態の様子は不明。
ちなみにワタクシは割とコンニャクが好きなんだけど、古くは糸蒟蒻やら刺身蒟蒻、蒟蒻ゼリーに始まり、生レバ風蒟蒻と蒟蒻加工品は常に市場を賑わせている。
しかし、この飽食の日本で、コンニャクの人気が衰えない理由は全然わからないのである。
ぶっちゃけ、味がない。
栄養価もない。
なんでこんな食品が日本の食卓の一部を占拠し続けているのだ?
では少し、コンニャクについて解説しよう。
コンニャクの原料となる蒟蒻芋は、サトイモの種類だが、蒟蒻芋には異臭と毒性があり、花も(実もチョット)キモい上、目ざといサルや、あの悪食であるイノシシさえ好んで食べない。そう。人間と違い、加工せずとも蒟蒻芋を食える野生動物でさえ「好んで食わない」 つまり、「美味しくない」と思われているので、食糧不足にならない限り手は出さないのだ。
西洋では、あのキモくてデカい花の形状から「悪魔の舌」とまで呼ばれる。
人間がコレを、面倒な加工してまで食べようとした理由は謎に包まれているのだ。
まあ、出自がどうあれワタクシは好きだが、コンニャクが廃れない理由はどう考えても謎だと言える。
なお、コンニャクは江戸時代には既に「白いまま」で加工する方法が確立されたが「蒟蒻っぽくない」との理由で不人気。
ちなみに現在は「しらたき」や「刺身蒟蒻」「白コンニャク」として「白いコンニャク」は地位を確立したが、あの地味な色に人気があったのは、意外と言えば意外。
あの色の元はひじきの色である。今日までに様々な色の蒟蒻が開発されており、赤、緑、ピンク、黄色と戦隊モノが編成できるぐらいにバリエーションが豊富。
なお、派手好きで知られる織田信長が赤コンニャクを好んだという話もある。
そう。逆を返せばつまり、戦国時代の人間でさえ、「コンニャクは地味」と感じていたという事だ。
お祝い用に砂糖菓子を鯛の形にしちゃうような昔の人でさえ好まない地味さ。いや、でも白いコンニャクが売れなかったから、色は好まれてたのか? どっちなんだ? でも実際、赤コンニャクが大人気って訳でもないし。
カラフルなコンニャクも子供は喜んだりするが、大人は灰色を選ぶ人が多いし。なんだ? 渋好みか? 利休好みなのか?
やはり、今ひとつ廃れなかった理由が見えてこない。
と言うのも、コンニャクは加工が必須なだけでなく、植えてから食えるまでに、最低でも2年は必要で、すぐさま飢饉に対応できる便利な植物って訳ではない。
すぐに育つカブやほうれん草、世話が少ないフキ、土地が痩せても育つ蕎麦と言うような利点が見当たらない。
見当たらないどころか、寒さや病気にも弱く、割とデリケート。そう。栽培も簡単ではないのである。
それどころか収穫時に傷を付けちゃっただけで腐る。収穫後は植え替え必須。
なんやお前、見た目はラフレシアみたいなくせに扱いはメンヘラお姫様級か。
そしてトドメを刺すように、更には流通価格も安い。農家が儲からない。
何故こんな食品が生き残れたんだ?
かつては主食として重宝されたはずの粟や稗はほとんど廃れたのに。今じゃ鳥のエサ扱いやで!
なお、廃れなかった理由は様々な推測がされている。
かつては内臓に溜まった砂を取り除く効果があると信じられていた。←コレは大きい。
(´・Д・)」 なお、そんな効果はない。
また、凍らせて水分を抜いてから食べると肉っぽいから。
何と言っても腹持ちがするから。
精進料理に欠かせないから。
肉食禁止の時代があったから。
しかし、それらが決定的とは思えない。代用食品はあるからだ。
現在でこそ、ローカロリーで腹持ちがいいため、ダイエット食品として活躍している。
赤コンニャク技術を活かして生レバ風になったり、ゼリー風にデザート的な役割もあるだろう。
だが、昔はそれが理由にはならない。
だとすると、理由はたったひとつしかない。
(´・Д・)」歯ごたえ。
現在でこそ他に幾らでも代用品があるものの、それまでは、あのゼリー状に弾力のある歯応えを感じられる食品は他になかったのではないか。
歯ごたえマニアであるワタクシは独断と偏見でそう決め付けた。
[完]
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。