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食事マナーではなく、食事メソッドだ。


 皆さん、こんにちは。マナーは将来的になくしていけ、と思う木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。ちょいとネタ的に飲食関係の話をやっていこうかと思ったんですが、飲食と言うとどうしても付きまとうのが、「食事マナー」「テーブルマナー」である。

 ええ。ワタクシ、この食事マナーってヤツが基本的に嫌いでして。はい。いやまぁ、マナーにも色んな意味はありますが、「流儀」や「方法」の意味ではなく、日本で主要な使われ方をする「礼儀」の「マナー」です。


 以前書いたマナーの話


 テーブルマナー教室の話

 着物警察的な話。


 ワタクシは、ルールとモラルがあれば、マナーは要らないと言い続けております。
 ルールとして明文化せずに、「それぐらいわかるだろ?」なんてのはむしろモラルの欠如だろう。

 やってはいけない事をハッキリするのがルールである。どうせルールがあったってグレーゾーンは存在するのだ。だから、そもそもグレーゾーンであるマナーをなくすべきだと常々言い続けている。
 モラルってのは、

 ・ルールを守る。
 ・他人の嫌がる事をしない。
 ・他人の趣味や好みや手段に口出ししない。
 ・自分の善意や正義や方法を押し付けない。

 こーゆー事だ。マナーってのは、いきなりこれに反しかねない。
 そりゃ、マナーのなってない山猿を見極めるのは役立つが、マナーがなってない山猿を笑ってるのはマナー違反だろう?

 無論、マナーは知ってた方がいいし、行儀よく振る舞える方がいい。
 だが、マナーとは相手を不快にさせないために学び、身に付けるものであり、自分がマナーのなってない奴に対して、いちいち不快になるためのモノではないのだ。
 礼儀の礼(他人を思いやる心)は必要だが、儀(形骸化した儀式)は不要。ワタクシはそう考えるのである。

 そして、マナーと混同されている所為で、その存在を軽視されがちなのは、

 メソッドである。


 サラダ食べるんじゃなかったのかよ、はメドッソです。アストナージ・メドッソ。
 method。メソッド。メトード。メトッド。読み方は何でもいい。


 「やり方」である。


 割と、マナーとメソッドは同一視される。しかし、それは大間違いだ。
 無論、マナーが「同席者を不快にさせない」「自分の身分に下駄を履かせる」メソッドでもあるのだが。アストナージ! ゲタの用意はどうか!?

 メソッドは「方法」である。儀式ではない。
 この道具はこう使った方が便利で役立つって「方法」なのである。

 わかりやすく言おう。
 カニの食い方は、フンドシ(前掛け)を外し、甲羅を外して、エラ(肺・がに)を取ると食べやすい。
 コレは便利で簡単で楽ちんな「やり方」なのである。
 「この手順も知らないなんて、カニが高級品だから食べた事ないのォ?」ってのが形骸化した儀式になるのだ。
 外し方を「知らない」ようなら、教えてやりゃいい。それこそが本来のマナーだ。

 要するに、フォーク・ナイフなんてのは手を汚さず、効率よく、料理を口に運ぶためのものでしかない。
 考えてもみろ。洋食ではライスをフォークの背に乗せるなんて言うが、利き手で持つなら腹に載せた方が食いやすい。
 だが、利き手にナイフを持ってれば、フォークは必然的に背側になる。コレをいちいち左右や上下に持ち替えるのは不便だ。だから、フォークの背にナイフを使ってライスを乗せるのである。
 これは礼儀などではない。単に効率のいい「やり方」なのだ。

 こうしなければ失礼にあたる、というマナーと、こうやったら便利よ、ってメソッドは別々に考えなければならない。


 まあ、そもそも「マナー」には前述のように「やり方」「流儀」「礼儀」という複合的な意味がある。日本では「礼儀」の部分が強調されて妙な事になったのだと思っているが、マナーであれメソッドであれ、使うか使わないか、出来るか出来ないかも別の話として、知っていた方がお得だとは思うのである。

 以前、とある中華料理屋で食事をしたのだが、正直、本格的な内装や雰囲気の割に味はイマイチだった。(もう存在しない店なので悪口は問題ない。てか、店の名前も思い出せない)
 しかし、食後に割と本格的な中国茶が出てきた。
 そう。香港映画によく出てくるアレだ。
 茶碗蒸しみたいなフタ付きのアレ。蓋碗と言うのだが。
 白磁の蓋碗で、中身は花茶だったと思う。20年以上前の話なので記憶が曖昧だが、ジャスミン茶ではなかったと記憶している。

 ワタクシはワクワクした。今まで蓋碗で中国茶を飲んだ事はなかったはずだ。
 香港映画などで度々目にはしているが、とうとうそれに触れる事が出来るなんて!

 すると、チャイナドレスのウェイトレスさんが、ワタクシにこう告げた。



 (*´∇`*) 「中国茶の飲み方は、

 ご存知ですか?」



 えっ!? (´°Д°)」 知らない!!



 アレか? 茶道みたいな御点前とかあるの? 中国4000年の仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌的な儀式があるの!? 知らないよ!? 全然知らないよ!?

 その時のワタクシは、まだまだ知ったかぶりしたい血気盛んな年頃だったが、聞くは一時の恥である。次回から蓋碗で中国茶を出されても、しれっと、それこそ日常茶飯事だぜ?って顔してマウントを取れる。
 ここは後学のためにも恥を忍ぶのだ! ワタクシは意を決して問うた。



 (;´・Д・)」 「あ、あの。わからないので、

 教えていただけると、、、」



 すると、チャイナドレスのウェイトレスさんは、ほんの一瞬だけ鼻で嗤う(卑屈な心がそう思わせただけかも知れない)と、




 (*´-`*) 「フタをずらして

 飲んでください」




 って、


 それぐらい (´°皿°)」 知っとるわァ!!


 見りゃわかんだろォ!?


 フタを外したら茶葉が、
 口ん中に入ってくるだろうがァ!!


 香港映画一杯観てるから、
 その動作ぐらいは知っとるわァ!!



 ってなったんです(もちろん、心の中で。実際には笑顔でお礼を言いました)けど、コレって常識的な話なんでしょうか?
 そりゃ、フタをずらして飲む習慣は日本人にはない気もするんですが、茶っ葉が浮きまくってたら、「そうか! フタで堰き止めるのか!」ってなりません? 「そう言えば香港映画でそーゆー持ち方してた!」とかなると思うんですけど、どうなの?



 (´・Д・)」 割とマジで実際のところ、どうなんだろう?



 ※ この記事はすべて無料で読めますが、このnoteをここまで読んだ人は投げ銭(¥100)をするのがマナーだって、すごーく偉いマナー講師が言ってたって聞いた事があるような気がする。
 なお、この先には、この直後ワタクシが知的好奇心に負けた話が書かれてます。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。