最近の若者は

　皆さん、こんにちは。最近のおっさん、木賃もくちんふくよし(芸名)です。
　さあ、「最近の若者は」って言葉がありますよね。
　何でも古代エジプトの頃から言われてたって噂がありますが、調べてみるに、

　(´･Д･)」 ガセっぽい。

　数字のキリがいいのだろうが、5000年前から言われてた説が有名なのだけど、ソースらしきものが確認できるのは3500~4000年前って辺りである。
　しかも、特に若者だけが悪いとは言ってなかったり。つまり、若者も老人も批判されてる。

　また、いくつかの噂の出所があり、それっぽい事を言ってる源泉はあるものの、居酒屋でクダを巻くおっさん的に「最近の若者はなってない」「オレがお前ぐらいの歳の頃は〜」「オレも昔はワルでさぁ」と言うオリジナルは見つけられなかった。
　まあ、言ってなかった確証を見つける事は出来ないし、そりゃ当時から言ってたんだとは思うけど、コレを言うのが若者のはずはないので、古代エジプト云々って話を出されても、

　「確証もない噂話をドヤ顔で言うなんて、
　最近のおっさんはなってないですね」

　って言うか、あるいは、

　「確証もない噂話をドヤ顔で言うなんて、
　いつの時代もおっさんはなってないですね」

　って返してあげるのがよろしいかと存じます。

　さて。ここで問題ですが、果たして、

　最近の若者は
　本当になって
　いないのか？

　さあ、これはなかなかに難しい問題だ。先人達の苦労に甘えるだけで、本当になっていないのか。それとも懐古主義の老害どもが、自分たちの思い出を美化しているだけなのか。

　これの答えを先に言っちまうと、

　(´･Д･)」 どっちも正解。

　例えば、スポーツの世界を見てみよう。
　あらゆる競技の記録は、ガンガン塗り替えられているのである。
　こーゆー視点から見ると、近頃の若者の方が頑張って新記録を作り続けているのだ。
　ん？ 昔と今じゃルールや環境が違うから一概に言えないだろ？

　(´･Д･)」 あー、
　変わっていく環境と違って
　アナタの脳ミソが
　昔と変わってない事は
　証明されちゃいましたね。

　陸上競技のように「走るだけ」の競技で、ルールや環境がどれほど変わっていると言えるのでしょうか。
　無論、競技場の環境が良くなったり、シューズや水着が改良される事で記録が伸びるケースもあります。そりゃ後発の方が有利ですよね。

　でも、それって悪い事ですか？

　環境やウェアが良くなる事は「選手の怪我が少なくなること」でもあります。
　そもそも、どんなスポーツも選手全員の条件を等しくするなんて事は不可能。慣れない海外遠征やホームタウンデシジョン(地元贔屓)をなくす事なんて出来ないのです。時代が違う事も、条件が同じにならないってレベルでしかありません。
　なになに？ ドーピング薬が昔より凄いだけ？

　(´･Д･)」 検査も
　厳しくなってますよ？

　残念ながら、体操競技なんかを比べてみりゃわかりますが、技術がとんでもなく上昇してるんですよ。
　かつてはC級までしかなかった技(AよりB、BよりCが高難度である)が、ウルトラCが出現し、今ではCなんてオリンピック選手なら普通になっちまってる訳でな。
　そう。「走るだけ」なんかではないのだ。そのただ「走るだけ」にどれほどの高度な技術や知識や努力を詰め込んであるか。
　効率のいい練習。肉体を故障させない練習。そんな環境がより良い記録を生み出しているのである。
　ん？ んん？ その環境を作り出しているのは「若者」じゃない？

　(´･Д･)」 いいえ。
　好成績を残した
　かつての「若者」が
　作ってきたんですよ。

　先人の作った環境があり、それで育った若者が、より良い環境を作る。その結果として、若者が「なっている」のだ。
　学問の分野でも優秀な若者はガンガン輩出されてるからね。

　それでも近頃の若者が「なってない」とするなら、それは先人であるおっさん側の問題なのである。

　では、逆に「近頃の若者がなってない説」を検証してみよう。
　そう。世の中が色々と便利になりすぎて、

　(´･Д･)」 アホで軟弱な
　若者が増えている説だ。

　多分コレは事実である。しっかりとデータの取れる国語力の低下や、身体能力をはじめ、根性がなくなっている。メンタルが弱い。コミュニケーション能力の低下。などなど指摘される弱体化は数多い。

　そりゃ娯楽の少なかった昔に比べると、今は飽食の時代である。
　ワタクシのように、「買ったゲームがクソゲーでも、とりあえず遊び尽くさなきゃ元が取れない！」なんて環境で育ったら、

　(´･Д･)」 忍耐力や
　根性はつくだろうさ。

　今はTikTokだのYouTubeのショート動画を指先ひとつでザッピングしながら、面白いモノを探せる。新しいゲームなんて無料でダウンロード。漫画も映画も無料で楽しめちゃう。
　好きな時に美味しい部分だけ食えるんだから、そりゃ忍耐力は育たないし、若者が「なってない」と言われたら、否定はできん。

　だがそれだと、前述の「なってる説」と矛盾してないか？ という疑問が出るのも当然だろう。

　(´･Д･)」 でも、
　矛盾してないの。

　わかりやすく言ってしまおう。
　最高得点はガンガン上がってるので、「若者はなってる」
　しかし、平均値は下がってるので、「若者はなってない」

　こーゆー事である。

　2023年8月時点で、29歳の平均所得を100人のサンプルデータから算出したら、400万円だったとしよう。
　しかし、そこに大谷翔平(年俸６億円超)を１人混ぜるだけで、平均所得は1000万円になってしまうのである。
　いや、99人がクソ引きニートで収入がゼロだったとしても、年収600万円になるから例外にもほどがあるんですが。

　しかし、いくら大谷翔平を混ぜたとしても、サンプルを1000人にして、、、

　(´°Д°)」 あかん。
　まだ大谷翔平に
　引き上げられる。

　やり直し。ｺﾞﾎﾝ｡
　いくら大谷翔平を混ぜたとしても、サンプルが10000人を超えた辺りから、さすがに平均値に埋もれてしまうのである。
　なお、年収にはマイナスが存在しないので、「上に引っ張られるしかない」という現実も考慮に入れるべきではあるのだが。

　そして、例えば不景気続きで全体の給料が下がってると仮定すると、大谷翔平を交えようとも、平均所得は400万円を切っていく事になる。

　※ 実際はコロナやロシアの問題があろうとも、この数年は所得が下がりっぱなしなんて事はなく、微増だったり、雇用だけは増えてたりもするので要注意。

　さて。少々話が逸れたが、若者が「なってない」のが真実かと言われると、回答は「なっている」し、「なってない」し、「どちらとも言えない」のである。

　つまり、頑張っている若者がいる限り、なっている。
　しかし、それに甘えて怠ける若者が足を引っ張る限り、なってない。
　そーゆー事になっちゃうので、どちらとも言えない。

　ん？ それでも最近の若造を見てると目に余る奴が多い？

　特にネットを見てると酷いのが多い？

　(´･Д･)」 あー、うん。
　わかります。

　でも、それって、

　特に酷いアホまでが発信力を持ってしまっただけで、ド級のアホはあんたの若い頃にも沢山いたし、ネットの環境があったら、今の若造より酷いことをやらかしてると思うよ。割とマジで。
　そりゃ中には「こりゃ酷ぇな」って若者もいるが、「こりゃ酷ぇ」っておっさんはもっといる訳でな。
　だって、同じ１%なら、人口の多いおっさんの方が数が多いんだもん。

　(´･Д･)」 つまり、
　そこまで考えてなかった
　って事でしょう？

　それは自らのアホを晒してるのと同じですし、そもそも、

　(´･Д･)」 画面の向こう側の
　「若造」が「若造」だと
　いつから錯覚していた？

　って話でな？
　悪ィけど、暴走族にシンナーに校内暴力が横行してた時代に比べりゃ、軟弱な若者が多いくらい、まだまだマシだと思うぜ。少なくとも法的にはな。

　※ この記事はすべて無料で読めますが、なってる若者もおっさんも、なってない若者もおっさんも投げ銭(¥100)をよろしくお願いします。
　なお、この先には、もっと酷い現実について書かれています。