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流れよ我が涙、とサイゼリヤは言った。


 皆さん、こんにちは。「さいでりあ」と「サイゼリヤ」を間違えやすい昭和世代です。木賃もくちんふくよし(芸名)です。

 小林亜星が「さいでりあ」 食べる方が「サイゼリヤ」です。なお、さいでりあの方は倒産している。
 てな訳で、本日は一体、何回目であろう、


 サイゼリヤ炎上


 についてのお話なんですけれども。ええ。
 こう言うとアレなんですが、サイゼリヤは何かある度に炎上する。しかも、主にサイゼリヤは悪くない。ってか、サイゼリヤは関係ない。関与していない。

 なんか、サイゼリヤを褒めるような話が上がる度に、

 (´°皿°)」 サイゼリヤ如きに!!


 という声が上がり、アイゼリヤ(サイゼリヤ愛好者)とサイゼイヤ(サイゼリヤ嫌悪者)の宗教戦争が始まる。ぶっちゃけ、サイゼリヤは戦争に一切関わってないので、むしろ被害者。とばっちりである。可哀想に。

 ※ ちなみに、愛社精神あふれるサイゼリヤ社員(社畜洗脳済)を「ラブゼリヤ」と呼ぶ蔑称があると聞いた事があるが、真偽のほどは定かではない。社員から聞いたから嘘ではないと思う。

 今回も漫画やイラストで「サイゼリヤで喜んでくれる女の子」が描かれただけなのに、ものすごい勢いでサイゼリヤが絨毯爆撃に晒された訳だ。

 似たような炎上は波が如く繰り返されるが、サイゼリヤと4°Cとティファニーのオープンハート辺りが毎度槍玉に挙げられている気がする。チー牛とか。

 まあ、ティファニーのオープンハートや4°Cが、微妙なブランド扱いされてしまうのは非常に不憫ではある。
 しかし、サイゼリヤは外食産業の中でも屈指の安さが売り。


 サイゼリヤと4°C辺りを並べること自体が色々アレである。


 更にはサイゼリヤ擁護側の人間までも、微妙に友軍誤射してたりするから厄介だ。要するに、

 サイゼリヤに
 連れてったら
 嫌な顔をする
 相手なんかより、
 サイゼリヤごとき・・・
 喜んでくれる相手が
 良いに決まってる!


 って、

 (´°Д°)」 さり気なくサイゼリヤがdisられてる、、、。


 長らく飲食業に染まっているワタクシなどは、今回の炎上で、日本人は男女貧富の差を問わず、

 多くの利用客側からもサイゼリヤが「下」に見られてるこんな状態じゃ、飲食業界のブラック体質が改善されるのは夢のまた夢だな、と苦笑いが出てしまった訳ですよ。ええ。

 ちなみにワタクシは2年前まで個人店を経営してたし、パスタも提供してたので、サイゼリヤを「下」に見ていたとは思っていない。
 感覚的には「そんなに安くで食えるモノを提供されたら、コッチが商売にならねえだろ!」という「目の上のたんこぶ」のように思っていた。
 また、その安さが「企業努力の賜物」であると敬意を払う一方で、その「企業努力の所為」で飲食業界はブラック体質のままなんだよ!!と複雑な思いがあることも事実だ。

 なお、特にサイゼリヤを下という風には見ていないが、個人店とチェーン店との差は大きく感じている。
 コレは別に、個人店が上だとか、チェーン店が下だとかいう意味ではなく、用途や方向性が違うのだと解釈していただきたい。
 敢えて皆さんが大好きな「ラーメン」で例えれば、個人店のラーメン屋と、大企業のカップラーメンぐらい別物なのである。


 ちなみにワタクシはラーメン屋よりカップ麺の方が好き。


 個人的にイタリア料理屋とファミリーレストランなら、イタリア料理屋の方が好きだが、特にどっちが上だとかは思っていない事を明示しておく。

 その上で言うと、ワタクシはサイゼリヤを


 イタリア料理屋だと
 思った事は一度もない


 のだが、ファミリーレストランとしては優秀だと思っている。
 だから、イタリア料理屋として「サイゼリヤ」の名前を出されると、


 スコープドッグは、
 モビルスーツじゃ
 ないだろうキミぃ…


 という気分にはなってしまうのだ。わかるだろうか。別にガンダムとボトムズでどっちが優秀か、どっちが好きかを無理に決めるつもりはないのだ。
 戦ったら性能的にガンダムが勝つだろ、、、とか、同じ生産コストなら、ATの数で押せばガンダムにも勝てる、、、とか、ニュータイプとPSのどっちが強いんだ? とか、そーゆー話ではない。
 どっちも好きでいいと思う。

 なお、ガンダムとボトムズのどっちが好きなの!? って迫られたら、

 (;´°∀°)」 ダグラムです!!


 って答えますけどね。ええ。高級イタリアンとサイゼイヤのどっちが好きなの!?って言われても、フランス料理の方が好きだからなあ、、、とか思うし。

 つまりは、そーゆー事である。
 だから、サイゼリヤはワタクシの中ではファミリーレストランのジャンルなのだ。イタリア料理風ファミリーレストラン。そーゆー位置付けだ。そこに優劣はない。

 だから、ギャグではなく真剣に、「たまにはイタリアンでも食いに行こうぜ!」って言われて「サイゼリヤ」「カプリチョーザ」「ジョリーパスタ」などの名前が挙がると、


 コンバットアーマーは、
 アーマードトルーパーじゃない…


 って気持ちになる。わかるだろうか。
 「パスタ食いに行こうぜ!」って言われたら「ロボットアニメ」って括りだからソレでイイんだ。だが、イタリア料理じゃない。
 皆だって、「インド料理屋に行こうぜ!」って言われて「CoCo壱番屋」に連れて行かれたら、


 ウォーカーマシンは、
 オーラバトラーじゃない…


 ってなると思うんだよ。そーゆー事だよ。日本のカレーライスはカレーだけどインド料理じゃないだろ? な? そうだろ? まだカレーライスもスパゲッティも洋食って言われた方がギリギリ納得できる。そんな感じ。

 知人(イタリアワイン関係者)の言葉を借りるなら、

 "SAIZERIYA"の名前に、
 "Y"があるからイタリア料理じゃない。


 って事なんだよ! え? 違う?


 ※ イタリア語は"Y"を使わない。


 ただ、コレは音楽でも映画でも小説でも料理でも何でも、重要なのはジャンルやカテゴライズじゃないって事だけはハッキリしておきたい。
 イタリア料理屋かイタリア料理屋じゃないかは問題じゃないんだ。美味しかったか、楽しめたか、価格相応以上の価値があったか。それだけの事なんだ。

 そりゃ、高級フランス料理だと銘打ってたのに、本格懐石料理しか出てこなかったら、流石に面食らうだろう。
 予想が裏切られて期待外れと思うか、予測と違ったから楽しめるかはわからない部分はある。だけど、それで満足したかどうかが問題で、カテゴリは問題の本質じゃない。

 最後にとあるエピソードを紹介して本日の記事を終わりたいと思う。

 それは、とあるイタリアワインの試飲会に行った時のことだ。(※ 筆者は元ワインバー経営者なので)
 その試飲会には、ワインの生産者が招かれており、日本のイタリアワイン事情やイタリア料理事情をその身で感じた事を語ってくれたのである。

 「日本には、他国では考えられないぐらいにイタリア料理店が多い。外食産業という意味では、夥しいほどの数でその一角を担っていて、本国よりも栄えていると感じた。

 中でも想像していなかった事は、そのイタリア料理店のシェフを務めるのが、

 ほとんど日本人


 だと言うことです。

 私は今まで仕事で色んな国に行きましたが、シェフは皆イタリア人だった。

 だが、日本のどのイタリア料理店も、

 みんな日本人シェフで、日本の食材を使い、独自のパスタを作っている」


 ワタクシはコレを聞き、「あ〜、極めて遺憾って言われるヤツや。文化盗用とか言われるヤツや」と眉を寄せた。


 しかし、


 「どれも美味しく、とても素晴らしいと思った。

 イタリア料理を愛し、イタリア料理を日本に合うようにアレンジしている。

 イタリア人として誇らしいと思う」


 と絶賛してくれたのである。
 ワタクシは目からウロコが落ちた。文化盗用などではない。文化交流なのだ。
 そこにジャンルなんかない。


 本場の味を愛して、そのまま伝えるのも愛。
 地元にマッチするようにアレンジするのも愛。
 自分の味を追求するのも愛。
 お客様のリクエストに応えていくのも愛なのだ。

 目一杯考えてサイゼリヤを選ぶのも愛。
 目一杯考えてサイゼリヤを選んでくれた事を喜ぶのも愛。


 地球は愛なんかで救えないけど、人は愛で喜びを分かち合う事は出来るんだぜ?


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、ワタクシの腹は愛で満たされないので、投げ銭(¥100)の方をよろしくお願いします。
 なお、この先には「サイゼリヤ」の名前についての話が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。