【緊急寄稿】ロシア・ウクライナ侵攻からの気づき(7)―台湾を”第二のウクライナ”としないための教訓(柳澤協二氏)
(1)長期化する戦争
5月9日の対独戦勝記念日に劇的な変化はありませんでした。マリウポリは陥落しましたが、戦争は長期化しています。心配なことは、ウクライナへの武器供給で戦力が拮抗し、戦争の目標が侵攻兵力の撃退、すなわちロシア侵攻前の現状回復ではなくなりつつあることです。西側諸国はロシアの弱体化を目指し、ウクライナはクリミア奪還を目標にしています。それは、かつて武力で奪われた領土を取り返すという意味で”侵略”とは言えないにしても、ウクライナが攻撃側に回ることです。少なくとも