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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
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#人間

アクターネットワーク理論を意味分節理論で読む 〜記述の可能性を発生させる非同非異の媒介子

ここ数年、井筒俊彦氏の著作を日常的に読んでいるためか、近頃ではなんでも意味分節理論として読める。アクターネットワーク理論もまた意味分節理論として読める。 * 「として読む」などというと、なにやら曲解、誤解、誤読、事実のねじ曲げ、捏造、偽造、詐欺などなど、要するにマナー違反やルール違反、犯罪スレスレのことをしているというふうに捉えられることがある。確かに、その通りの場合もあるし、そうでもない場合も稀にある。 として読む ー正しい読みと正しくない読み「として読む」が妙な感じ

天/地を切り結ぶ太陽*月*ヤマアラシ*三姉妹 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(76_『神話論理3 食卓作法の起源』-27,M455天体の妻たち)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第76回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第五部「オオカミのようにがつがつと」を読みます。 これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 はじめにレヴィ=ストロース氏が論じる「神話論理」を、空海が『吽字義』に記しているような二重の四項関係(八項関係)のマンダラ状のパターンを、波紋のように浮かび上がらせる脈動たちが共

マンダラを観想すること、神話を聞くことは、心の底を同じ構造へと励起する -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(71_『神話論理3 食卓作法の起源』-22)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第71回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第四部「お手本のような少女たち」から「ヤマアラシの教え」にかけてを読みます。 今回は、マンダラを観想することと、神話の語りを聞くことは、心の底の底において同じようなゆらぎ・振動を生むのではないか、という話です。 これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます * * レヴィ

"ある"ように"なる"ような・・/「月」と「カエル」が二つの結婚を捩って分離しながら結合する -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(69_『神話論理3 食卓作法の起源』-20)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第69回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第四部「お手本のような少女たち」を引き続き読みます。 これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 前回の記事に引き続き、神話的な「結婚」の話である。 結婚とは?結婚といえば、それ自体として単独で自立独立した女性と、これまたそれ自体として独立自存する男性とが、たまたま何か

【*】"ある"ように"なる" 神話の論理と近代の論理、論理を息づかせるコミュニケーションの問題 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(68_『神話論理3 食卓作法の起源』-19)

(本記事は無料で最後まで立ち読みできます) クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第68回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第四部「お手本のような少女たち」を読みます。これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 いま、目の前にボールペンがひとつ”ある”。 窓から空を見上げれば、大きな雲が”ある”。 もうすぐ雨が降るでしょう、という情報が”ある”。

¥710

超-明るい部屋へ/埋蔵経典を”発掘”する神話的思考 -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(7)

中沢新一氏の『精神の考古学』を引き続き読む。 精神の考古学。 私たちの「心」は、いったいどうしてこのようであるのか? 私たちが日常的感覚的に経験している分別心(例えば、好き/嫌いを分別したり、自/他を分別したりすることは当たり前だと思っている心)が、発生してくる深みへと発掘を進める中沢氏の「精神の考古学」。 いよいよ第八部「暗闇の部屋」を読んでみようと思う。 ここで中沢氏は、「まったく光の入ってこない部屋の中で、一週間にわたっておこなう[…]暗黒瞑想」について書く(p

海幸山幸の猿かに合戦からの玉手箱開封の儀で、かごめかごめをうたう -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(65_『神話論理3 食卓作法の起源』-16)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第65回目です。『神話論理3 食卓作法の起源』の第三部「カヌーに乗った月と太陽の旅」を読みます。 これまでの記事は下記からまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 今回読むところもとてもおもしろいのであります。 いや、もちろん、基本的にすべておもしろいと思ったところだけを抜書きしているので、つまり、いつもおもしろいのであります。 それにし

潜在眼で心の深層を「見る」/卵の殻としての言語 -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(5)

中沢新一氏の『精神の考古学』を引き続き読む。 精神の考古学。 私たちの「心」は、いったいどうしてこのようであるのか。 私たちが日常的に経験している「心」は、よい/わるい、好き/嫌い、ある/ない、真/偽、結合している/分離している、同じ/異なる、自/他、といった二項対立を分別するようにうごいている。通常「心」というと、こういう識別、判別、判断を行うことが、その役割であるかように思われている。 しかし、こういう分別する心、分別心は、いったいどこからやってきたものだろうか。

執着の源である”言語”を「心の解放」のために転用する -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(3)

中沢新一氏の『精神の考古学』を引き続き読む。 『精神の考古学』 第五部「跳躍(トゥガル)」の冒頭、中沢氏は師匠から授けられた言葉を紹介する。 ベスコープというのは映画のことである。映画を見るのはとても楽しい体験である。感情を喚起され、いろいろなことを考えさせられる貴重な機会である。 中沢氏がネパールでチベット人の先生のもとで取り組んだ修行にも、「光の運動をみる」ヨーガが含まれている。このヨーガで光が見えることと映画を見ることとは、視覚が動くという点ではよく似た体験である

鶴の恩返し?!「神話」から神話の外へ -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(62_『神話論理3 食卓作法の起源』-13)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第62回目です。これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 鶴の恩返しの八項関係一年生になったばかりの下の子が、学校で「鶴の恩返し」のお話しを聞いてきたという。 そして次のように尋ねてきた。 ん? わたしに聞くと、ちょっと、話、長くなるよ? どうして見ちゃいけないというのか? どうして見られたら逃げるのか? こ

「三枚のお札」と「かぐや姫」は同じ話?! -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(58_『神話論理3 食卓作法の起源』-9)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第58回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 まさかそんな「三枚のお札」と「かぐや姫」は"同じ話"である。 まさか、そんなはずないだろう! またいい加減なことを書いている! と憤慨される向きもあるだろうが、ところがまさか、神話論理という観点からすれば、この二つは「同じ」なのである。 もちろん、かぐ

マニ教の創世神話を深層意味論で読む

「深層意味論で読む」シリーズの第三弾! 今回は青木健氏の2010年の著書『マニ教』を深層意味論で読みます。 「マニ教と言えば二元論」と、たしか中学生の頃に丸暗記したような記憶があるが、一体、何と何がどう関係して二元なのかは不明なままであった。そして「あれから40年」いや30年くらいを経て、この『マニ教』を手に取ったのである。 マニ教は西暦3世紀の西アジアで生まれた宗教である。キリスト教の文献ではキリスト教会の敵役として登場することが多い。 マニ教の開祖の名はマーニー・ハ

超感覚的世界を感覚するための器官としての言語の神話論理モード -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(53_『神話論理3 食卓作法の起源』-4,M364転がる頭)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第53回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 経験的区別を概念の道具にして 抽象的観念を抽出レヴィ=ストロース氏は『神話論理』の第一冊目『神話論理1 生のものと火を通したもの』の冒頭で次のように書いている。 『神話論理』を読んでいるうちに迷子になってしまったら、この冒頭の一節に立ち戻るといい。 *

¥310

星は天空の魚/魚は水中の星 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(52_『神話論理3 食卓作法の起源』-3)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第52回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えてきた。 即ち、神話的思考(野生の思考)とは、図1に示すΔ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立とを”異なるが同じ”ものとして結合する、と言うために