マガジンのカバー画像

文化人類学がおもしろい

186
わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

三人組の浦島太郎は世界を創造したあと猿になる -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(48_『神話論理2 蜜から灰へ』-22)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第48回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができますが、これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。 則ち、神話的思考(野生の思考)とは、図1に示すΔ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言うために、β

二匹のホエザルから二匹のピラルクへ。あるいは電気ウナギと魔法使いの娘の結婚 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(47_『神話論理2 蜜から灰へ』-21)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第47回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 はじめにこの一連の記事では、弘法大師空海が曼荼羅でモデル化したことと、レヴィ=ストロース氏の『神話論理』に集められた神話の構造とが、同じような姿をしているのではないか。ということを考えている。 空海の曼荼羅、胎蔵曼荼羅の中央に描かれる中台八葉院は大日如来

うちそと あるない -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(46_『神話論理2 蜜から灰へ』-20)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第46回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 うちとそと、あるとない 内/外 有/無 うちとそと、あるとないの区別は、生きているわたしたちにとって、あまりにもあたりまえのことのように思える。 「わたし」は、この体の「うち」から、「そと」のものやひとやあれこれを眺めているという感じがする。 「