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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
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2023年4月の記事一覧

hyper-Δ項 虹、そして金星 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(22)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第22回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 前回の記事では、図1に示す八項関係においてΔのうちのどれかひとつが空っぽの「抜けた穴」になった場合、そこにしばしば「プレヤデス星団」という項が充当されるという話を検討した。 なぜ唐突に「プレヤデス」なのか? それはプレヤデスと非-プレヤデスの対立関係が「分節している/分節していない」「存在する/しない」

里見龍樹 著『不穏な熱帯』に没頭中 二分法からも、関係論的な一元論からも逃れる不穏で、不確かで、語り得ないモノたちと生きることφ(。。 語り得ないものについて、「語り得ない」と語る。 『不穏な熱帯』は読み物としても先が気になって止まらない。 最近の人類学はやっぱりおもしろい。