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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
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2022年5月の記事一覧

意味分節理論とは(9) 人間たちにとって意味ある世界を発生させるアルゴリズムへ -ピエール・クラストル著『グアヤキ年代記』を読みつつ考える

ピエール・クラストル著『グアヤキ年代記』を読んでみよう。 クラストル氏といえば『国家に抗する社会』という本が有名である。 人類における社会関係の編み方のいくつもの可能性を考えさせられる一冊であり、政治思想の名著にも数えられている。 『グアヤキ年代記』でも、グアヤキ(アチェ)の人々の社会関係(子どもと大人、女性と男性、同じ部族の人と他の部族の人、生者と死者、人間と人間ならざるもの、などなどの社会関係)の組まれ方にふれることができる。それは現代のわたしたちの社会とは異なる「

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