マガジンのカバー画像

文化人類学がおもしろい

186
わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文…
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

区別の仕方をメタモルフォーゼさせる ー岩田慶治著『草木虫魚の人類学』を読む

(この記事は有料に設定していますが、おわりまで無料で読めます) ◇ 岩田慶治氏の著書『草木虫魚の人類学』を読む。 人類学、人類つまり「人間」について考えるはずなのに、草、木、虫、魚、と来る。草は人類なのだろうか?木は?虫は?魚は人類だろうか? 駅前で100人に聞けば、おそらく多くの人は、草は人類ではない、木も虫も魚も人類ではない、と当然のように答えるのではないか。私たちの日常の常識は、人間と人間ではない動物や植物を区別している。人間と自然を区別しているといってもいい。

¥150