区別の仕方をメタモルフォーゼさせる ー岩田慶治著『草木虫魚の人類学』を読む
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岩田慶治氏の著書『草木虫魚の人類学』を読む。
人類学、人類つまり「人間」について考えるはずなのに、草、木、虫、魚、と来る。草は人類なのだろうか?木は?虫は?魚は人類だろうか?
駅前で100人に聞けば、おそらく多くの人は、草は人類ではない、木も虫も魚も人類ではない、と当然のように答えるのではないか。私たちの日常の常識は、人間と人間ではない動物や植物を区別している。人間と自然を区別しているといってもいい。