レントゲンで見たかわいい骨は実物も可愛かった。入棺、火葬、骨上げを経て
愛猫の体が硬くなり始めたのを確認したら、すぐに火葬場に電話をかけた。
数回のコールのあと受付の方が出られた。
「猫を飼っていて…」
そこから先が、話せなかった。
「そうだったんですね」と優しい声で、応えていただき
「いくつだったんですか?」
「猫ちゃんだと、4キロくらいかな?」
「ああ、痩せちゃったのね。」
嗚咽する私に、簡単な単語で答えられる質問でエスコートしてくださった。
目の前で起きた事実を初めて人に伝えた瞬間だったから、本当に辛くて、心遣いがものすごくありがたかった。
バスタオルの上にアイスノンを乗せ、
ペットシートを敷き、体を寝かせた。
生き物は死後、体液が出てきちゃうから 脱脂綿などで塞いであげる必要がある。
やり方がわかんなくて、ペットシートの上に寝かせることで代用した。
棺に入れるまでの20時間ほどの間、ペットシートは3度交換した。
体を冷やすためのアイスノンを交換しながら
翌日昼過ぎのお迎えまで
ほとんどを座椅子の上で抱き抱えて過ごした。
痙攣が起きる前と同じ状態で
冷たくかたくなってしまったけど相変わらず、かわいいままだった。
翌日、予定時間の5分前に紙製の棺と共に業者の方が来られた。
のちに話してくださったが、同じように猫を亡くした経験があるとのことだった。
丁寧に棺に納め、経を詠んでくださった。
車で火葬場まで移動し、
火葬場では再度、棺を開けて最後のお別れに数分間の時間をとっていただけた。
焼香をあげ、礼をし、ドアが閉じられた。
1時間弱、他の人は入ってこない控え室で時を過ごした。
火葬が終わり、骨上げをした。
数ヶ月前にレントゲンで見た通りのかわいい小さな骨がトレイに並んでいた。
思わず触ってしまった頭蓋骨も、骨も、背骨も、尻尾も、撫でていた時に感じたゴツゴツ感が感じられて
本当にあの子の骨だと思った。
どの骨がどこの骨か、分かんなくなるのがイヤなので
写真を撮らせていただいた。
きっとスタッフの方々はひいてたとおもう。
別にInstagramに載せたいわけじゃない。
大衆に晒したりしたくないから
眠った後の姿すら、載せる気はない。
ただわたしの目には頭蓋骨も
太ももの骨も
尻尾の骨も
とってもかわいく見えるので、忘れずに大切に記憶していたいのだ。
骨壷を抱き抱えて家に帰った。
ペットを亡くした方のうち、何割程度がお墓を設けてるんだろう。
ずっと一緒にいたのに、よそに置いてくるなんて
今は考えられない。
用意していただいた骨壷カバーは立派だったけど、見ていて悲しくなるから
グレーのフェルトで包んでみた。
編みぐるみの要領で作れるみたいだから
不器用だけど、ちまちま作ってみようかなぁ
なんてぼんやり考えている。
頭蓋骨の、とくに額の感じが
ずっと撫でてきたおでこと同じで
本当にかわいい。
よその国で、亡くなったペットのドローンを作っている。
批判されてるようだけど
今の私にはすごく魅力的に感じてしまうよ。
たまに聞こえる幻聴がとてもつらいよ。
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