20241124ふかいメルマガ178回 人を評価すると言うこと
新しい人事制度がスタートして
MBOの目標設定と面談がスタートしていると思います。
MBOってなに?
MBOはManagement by Objectivesの略で、
「目標管理」と訳されます。
ChatGPTによれば「MBO」を以下のように定義しています。
1. 目標の設定
- 組織全体の目標から各部署、個人の目標を設定する。
- 目標は「具体的」「測定可能」「達成可能」「関連性がある」「期限がある」(SMART原則)であることが望ましい。
2. コミュニケーションと合意
- 目標は上司と部下、またはチーム間で話し合い、合意のもとに設定される。
- 双方向のコミュニケーションを通じて、目標の妥当性や理解を深める。
3. 自律性の重視
- 設定された目標の達成方法は個人やチームに任される。
- これにより、主体性や創意工夫が促される。
4. 成果の評価
- 一定期間後、目標達成度に応じて評価される。
言いかえると、会社やチームにおける役割、
それぞれのキャリアに応じた目標を設定して、
その実現度合いで評価することです。
評価ってなに?
ただ「評価」って聞くと、
ちょっとモヤモヤする人もいると思います。
ウェーブには「職責要件」がありますが、
・「職責要件」のすべてができないといけないのではないか。
・要件の一つ一つの定義が明確でない部分があって、
自分がどこで評価されるか不安だ。
・そもそも評価する側が、自分をどこまで見てくれているのか。
などです。
MBOを中心にした評価は、会社やチームの成長・成果と個人の成長・成果を一致させる目的で実施するものです。
できなかったことのマイナス評価や、スケール(目盛)を厳格化・精緻化することが目的ではなく、成長や成果が実感できるようにチームとして取り組んでいくことが目的です。
そういう意味で評価とは、マイナス(できなかったこと)を見つけたり指摘したりするものではなく、どうすれば達成できるか成果が上がるかを目指すもので、どこまでできたのかを本人と評価者で確認しあうものなのです。
面談ってなに?
目標設定も評価においても面談が重要です。
面談というとどこか面接のような、
いろいろ質問される場のような、
試されているような、そんなイメージがあるかもしれません。
面談は、対話です。
対話は、
目的を持って問題を解決したり、
理解しあって合意を得ることが目的です。
目標面談は
「ここまでやりたいよね」
「ここまでできたらこういう評価だね」
という合意を得ることだし
評価面談は
「ここは達成しなかったけど、ここまでやったね」とか
結果成果だけでなく、
「そこに至るプロセス」も評価の対象になる、
それがMBOです。
評価者の心得
それでも人が人を評価することは、難しいものだという認識を
評価する側が持つことが重要です。
福沢諭吉が残した
「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」は、
「人は生まれた時に優劣はないからこそ、学問や努力が重要だ」と説いた「学問のススメ」に出てくる言葉です。
まさにMBOの考え方だと思います。
それから、
評価者は、評価される人より専門力がなければ評価はできないのではないか、という疑問や不安は、どの会社でもよく聞きます。
この疑問には、MBOを発案した経営学者ピーター・ドラッガーが答えています。
ドラッガーは「知識労働者の上位者は、専門知識や技術で上位に立つ必要はない」としたうえで、求められることは「成果の方向性を示し」「信頼関係を築き」「問題や障害を解決し」「成果を共有しフィードバックする」ことだと著書「マネジメント」に残しています。
そうでないと、上司以上のスペシャリストもプロフェッショナルも育たない組織になってしまうからです。
あらためて会社と組織と私たち一人ひとりが、
目標を確認して成長と成果を目指すもの、
それがMBOであり評価だということを認識して
臨みたいと思います。
深井賢一