見出し画像

2024年6月16日 日比谷公園大音楽堂にて 

 そういえば昔書いてたnoteがあったなと思い出し、心の動きや体に浴びた音を忘れないよう書くことにした。
 朝起きると前日飲みすぎて気持ちが悪い。吐こうにも胃には何も残っていないので、胃酸が上がって口内に酸味が広がるだけ。そんな2024年6月16日に、日比谷公園大音楽堂にてCRYAMYというバンドがライブをする。発表は確か1年前だっただろうか。調べてみたら7月10日に恵比寿 LIQUIDROOMの『脱皮』にて発表されたらしい。

 CRYAMYとの出会いは覚えていない。最初にライブで見たのは2020年2月22日のOne Night STAND -EXTRA-だと思う。写真フォルダを見返す限り。当時初めて音源を聴いた時は正直あまりハマっていなかったかと思う。このライブだって、PK shampooをみるために行った気がする。そこで初めてCRYAMYを観て好きだと感じた。爆音の演奏を聴いて、カワノの本気か嘘か分からない話を聴いて。(そのライブの映像:https://youtu.be/WY6YTePkBuo?si=XeoxoAQiVBj-IsuP)それからライブに通うようになり、カワノは人によく見られたいからあんなに耳ざわりの良い話をしているわけではないということが分かった。カワノは純粋に信じているのだ。それができると。世界はそうあるべきなんだと。そして、カワノはライブにきてくれた人々を本気で救えたらと思っている。歌詞に関しても同じで、こういう歌詞だったらウケるだろうという打算はないのだろうなと思う。もしそうでないのだとしたら、アホみたいにうだうだと言い訳にも聞こえるような話をしないと思うし、ダサいオフィシャルサイトを維持し続けないと思う。わたしはカワノと直接話したことがあるわけでもないし、人伝でそういう話を聞いたわけでもない。ただ、この目で視て、この耳で聴いてそう思った。だからわたしはこれまでカワノとCRYAMYを信じてきたし、これからも信じ続けるつもりだ。例え終わりが来ようとも。

 そんなCRYAMYが日比谷公園大音楽堂でライブをする。ロックの聖地と呼ばれるそんな場所で。刺々しく感情を露わにしたアルバム「世界 / WORLD」がリリースされたからか、それとも「世界 / WORLD」を引っ提げたツアーの「人、々、々、々」での振る舞いのせいか日比谷公園大音楽堂を機に解散するのではないかという噂がまことしやかに囁かれていた。

CRYAMYがこれで野音で解散しなかったら俺はファンを辞めると思う、潔く最後のライブにしてほしいよ、最後を見届けるよ.

いつだったかこのようなツイートもみかけた。誰が言い始めたのか分からないが、CRYAMYを想う人々は解散するかもしれないということを知っているようだった。わたしもCRYAMYの解散を憂う1人で2024年に入ったあたりでその噂を耳にした。そこから、日比谷でのCRYAMYは楽しみだという気持ちと解散したらどうしようかという気持ちが自分の中でせめぎ合い、2024年6月16日という日を迎えることが信じられなかった。そして今日、その日を迎えたのだ。そんな日を迎えて堪るものかと抵抗するつもりで2024年6月15日は吉祥寺中の酒を飲み干し、結果として二日酔いでライブ当日を迎える。

 理想的には物販を買い占め、音漏れを聴いて、1日をCRYAMYの日として仕立て上げるべきだったのだが、如何せん二日酔いのため、開場ギリギリまで家から出られなかった。家から出る頃には二日酔いはほぼ治っていたのが不幸中の幸い。(Twitter(自称X)をみるに音漏れでかなり盛り上がっていたり#2が売られていたりと今となっては早起きして行っておけば良かったなと後悔している。)そんなこんなで15時半頃日比谷駅到着。

 それから開演するまではあっという間だった。飲み物を買ったり御手洗を済ませたりしている内に17時前に差し掛かり無事に席に着。17時になるとともに、いつものライブのようにDisorderが流れ始める。いつもなら曲が始まって1分以内に全員姿をみせていた記憶があるが、今日は違う。記憶が正しければフルで流れ切った後に登場したのだ。この時はデカいステージ特有の特別仕様っぽくていいなとか思っていた。そして演奏が始まる。

 1曲目は「WASTAR」。覚悟した、終わりに向かっていることを。演奏と同時に日比谷公園大音楽堂全体に緊張が走った気がした。そんな空気の中ライブが始まった。どの曲がどうとかMCがどうとか細かいことは覚えていない。最初のMCだったかな。「かっこいいことを言おうと思ってステージに立ったけど、みんなの顔をみたらどうでも良くなった」といつものカワノみたいでいいなと思った。どれだけ大きくなろうと、わたしのそばに居てくれる、そんなバンドなんだろうなと確信させてくれた。その後、「僕はみんなの目をみて歌ってきた」という話をしていた。何度かライブでもこの話をしていたなとか思い出しながら、今日は一瞬たりともカワノから目を離しはしまいと誓った。そこからアンコールまでには何度かMCがあった。「みんなに優しくしたいといいながらも自分は酷い奴だ」といったカワノお馴染みの話もあれば、「5年間みんなのお陰でやってこれた」「今までありがとう」といった過去形で、まるでこれから解散しますと言うような話もいくつかあった。それを聴いて徐々に噂が現実味を帯びる感じがした。

 目頭が熱くなるのを腕に力をこめて堪えているうちに、アンコールの演奏が始まった。アンコールが来るということは、その日のライブが終わるということ。つまり、解散するのであればそろそろ解散宣言が行われる予定だということだ。1曲目は「道化の歌」。歌う予定は無かったんだけどといいながら歌い始める。今までCRYAMYで道化を演じていて、みんなに喜んでもらえて嬉しかったからそのためにあえて手のひらで踊ってきたということ?止まったらということは今日で止まる可能性があるってこと?胸騒ぎがする。が、不安は的中せず。アンコールは無事に終わった。あれ?今までの噂や今日の緊張感は何だったんだ?と拍子抜けした。

 そこから唖然としているうちにアンコールの2回目が始まる。1曲目は「世界 / WORLD」から「葬唱」。この曲に対してカワノは「俺が、俺の作った歌たちに歌っている。」とここで発言している。「使いこなせていない愛と誠実を売って持て余した曲で君を抱いた」や「歌うということは負けると言うことだよ」といった歌詞のある曲。今までの作品および活動に対して、カワノはこう思っているからCRYAMYを終わらせたいのだろうか?途中で書いたように、カワノは本気でわたしに向き合っていると思う。だから、今までの作品や活動に対して嫌気が刺したというわけではないと思う。本編のMCにあった「みんなに優しくしたいといいながらも自分は酷い奴だ」と同じで、優しさを振り撒くような作品を作っておきながら本当に人を救えているのだろうかという気持ちになり、作られた作品なんじゃないかなと思う。閑話休題。そこから歌詞でもMCでも「愛してくれてありがとう」や「長生きしてね」と何度か言うようになった。ああ、ついにお別れか。そう思いながらただ時間が過ぎていくのを待つことしかできなかった。

 最後にカワノがわたしのために作った曲である「世界」をカワノとわたしで歌い、20時28分頃にライブが終了。結局「解散」は宣言されず、終演を迎えたのだ。3回目のアンコールなどで場が作られてそこで宣言が行われるのだろうと勘繰っていたが、そうでもないらしい。スタッフさんが「日比谷公園大音楽堂は20時半以降音出し禁止なので無理なんです!!!」とデカい声で叫んでいたからだ。また、「世界」の演奏後にはカワノはステージにギターを叩きつけようとして途中で辞めた。つまり、物理的にも解散は宣言されなかった。

 結局噂となっていた解散は行われなかった。ただし、次のライブの宣伝があったわけでもないので、これからTwitter(自称X)やインスタなどで解散や活動休止が宣言されることはあり得る話である。一先ず安心だが、今後の動向に注視したい。できれば、生涯讃美歌は終わらせないで欲しい。

 長々と読んでくださり、ありがとうございます。読んでいるみなさんは本投稿の内容は忘れてしまって良いので「健康でいること」「悪い奴もいるけど良い奴もいること」「長生きすること」の3つだけ覚えて帰ってください。それでは。


いいなと思ったら応援しよう!