グリーンカードがもたらしてくれたもの カリフォルニア編
宇佐和通です。いつもお読みいただき、ありがとうございます。今日のエントリーで連続14週投稿という状態になっております。そこで、たまには変化球もいいかなと思って、これまでとはまったくちがうテイストの話をさせていただきます。
実は、グリーンカードを持っています。いわゆるロタリーというシステムに奥さんと二人で申し込んで、2005年に奥さんが当たりました。当たるわけないと思っていたので、当選通知が来た時には本当に座っていられない状態になりました。
当時はとにかく海外で仕事をしたくて、オーストラリアの翻訳者ビザ取得を狙って説明会に通い、準備を整えている最中でした。資格試験を受けようかなと思っているところにグリーンカードに当選しました。
直後からアメリカ大使館での手続きとか予防接種とかいろいろな段取りがあって大変だったのですが、何とかもろもろこなして、まずは住むところを決めるためにとりあえず1度行こうということになりました。
結局アメリカには継続的に5年間住むことになったのですが、この5年は本当に高密度な時間でした。NYとかも魅力的に感じたのですが、まずは何回も旅行で訪れていたカリフォルニアに住もうということになり、カリフォルニアならLAということで、最初はラブレア通りとかロバートソン通りとか、サンタモニカ周辺で住むところを探したのですが、予算が合わなくて断念しました。ホテルに滞在しながら物件巡りをして、1カ月くらい経ったとき、エンジェルスタジアムがあるアナハイムから車で15分くらいのところにあるアーバインという町で住むところを見つけました。
1LDKの物件なのですが、それぞれのパーツもバスルームもとても広く、まったく不便は感じませんでした。家を決めて、外国人登録をして、家具を買ったり借りたりして揃え、普通に生活できる状態にして一度帰国することになりました。
当時、すでにフリーライターとして10年以上仕事をしていたのですが、フリーという身分を証明する書類を作るのが意外に難しく、お世話になっていた出版社数社の担当さんにお願いして「定期的に仕事をしている」旨を説明する書類を書いてもらい(これについては会社のレターヘッドを使うよう指定されていることがアメリカっぽく感じました)、日米双方の該当政府機関に所得税に関する書類を提出して、日本での所得税を免除されながらアメリカで納税するという身分を確立しました。ここまで整えるのに3カ月くらいでした。
最初の手続きは本当にめんどくさくて時間がかかるのですが、わからないことはきちんと訊ねれば丁寧に教えてくれるし、指定された書類さえ揃えてしまえば淡々と進んでいきます。ほかの州では事情が違ったのかもしれませんが、少なくともカリフォルニアではそれほど不便は感じませんでした。
いや、ひとつだけ。クレジットヒストリーは重要です。過去のクレジットカードの利用状態から信用度を推し量るというシステムが一般化しているアメリカ社会で、外国人がいきなりアパートを借りることはほとんどできません。私の場合、とりあえず家賃の3か月分をトラベラーズチェックで支払って、貸借人に対して義務づけられている保険に加入して住めるようになりました。
クレジットヒストリーは、日本でのカード使用実績は反映されません。しかたなく複数のデパートのハウスカードを作り、ガンガン買い物をして一括支払いを半年から1年くらい続けていたら、それなりのスコアになりました。日本的感覚で考えれば、それほど難しいプロセスではありませんでした。
ちなみに、免許の取得は簡単でした。学科試験の教本は中学校英語程度の文章で書かれているし、日本と比べて道路が広いので路上検定も楽勝でした。
以外だったのは、テレビの契約の種類です。当時はまだ固定電話を置くことが普通だったので、電話もバンドルになっていて日本のテレビも見られるプランにしたのですが、大した内容じゃないのに月230ドルくらいになってしまったので、無駄だと思われる部分を削っていったら約半額にすることができました。
あとは、近くのコミュニティカレッジで運営されていたスペイン語講座に通ったこと、そしてスポーツクラブでの人間関係の構築が印象に残っています。アメリカ人はもちろん文字通り世界中からいろいろな人種が集まっていて、本当に面白かったです。そういえば、スペイン語講座がきっかけでサルサダンスのレッスンに通い始めて、スポーツクラブではエアロビクスとかボクササイズのクラスに毎日出ていたので、夫婦そろってインストラクター養成講座に本気で誘われました。
グリーンカードが第一にもたらしてくれたのは、40を過ぎてそれまでまったく経験がなかったことや新しいシステムに慣れていく過程です。毎日が刺激に満ちていて、ぼーっとしてる時間はまったくありませんでした。アメリカ人になるRPGをやってるみたいで本当に楽しくて楽しくて、明日あの生活に戻れといわれても躊躇なくそうします。
今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでまたお会いしましょう。
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