祝!チャンネル登録10万人突破!!西村ケントくん。Daft Punk - Something About Us - Solo Acoustic Guitar [×4] - Kent Nishimura ケントくんの志を感じる、多重録音アプローチについて。
西村ケントくんについて、ずっと「フィンガーピッキングスタイルのソロギター」と紹介していたのだけれど、フラットピック使いも、抜群にうまい。昨年9月にアップした(もちろん九月にだよね、)September - Earth, Wind & Fire - Acoustic Solo Guitar同様、今回のDaft Punk - Something About Usも、YouTube動画は四分割、四人のケントくんによる多重録音のアレンジだ。(下線部クリックすると飛びます。以下も同様。)
YouTube上のファンのコメントの中には「ソロギター(ギター一本)が聞きたい」と言う声もあって、気持ちは分からんでもないが、この多重録音アプローチも、ケントくんの「原曲をリスペクトして、その世界観をアコースティックギターで再現したい」という志ゆえだと思う。僕はものすごく好き。というか、もう永遠に聞いていられるくらい好き。
Isn’t She Lovely - Stevie Wonderでも、ソロギター、ギター一本で完璧に弾けているのに、あえて、途中、原曲でハーモニカソロになるところだけは、フラットピッキングのソロを、多重録音している。スティービーのボーカルパートと、ハーモニカソロは、メロディーラインがほぼ共通だから、別の響きで表現したいという、ケントくんのこだわりゆえのの選択だったと思う。ハーモニカソロ特有のニュアンスを、フラットピックにハーモニクスを織り交ぜるテクニックで表現していて、本当に素晴らしい。
今回の Something About Us、四分割画面左上が、フィンガーピッキングスタイルで、スラップベースと、ドラムパート+メインメロディーから、それをオクターブ奏法で弾くところまでやってしまう。ケントくんのいつものスタイルでのアプローチ。おそらく、この左上パート、完全ソロギタースタイルから、アレンジを始めたのではないかと思われる。オクターブ奏法になるところとか、もう物すごくて、何が何だか分からない。ベースが、本当にベースの音に聞こえることも、なんだか、よく分からないが、恐ろしい感じがする。
単に、「ソロギターで、人を驚かせる」なら、左上のフィンガースタイル、ソロギターだけで完成品にしてもみんな、納得、満足したと思う。
でもやはり、この曲、原曲の各パートが、全部、ボーカルもボコーダーだし、単音ギターバッキングも、キーボードも、全部にエフェクターが絶妙にかかっていて、それが曲の独特の雰囲気つくっている。それぞれのニュアンスを描き分けようとすると、四人のケントくんに分身したくなったんだと思う。その効果は、狙いは、みごとに達成されていると思う。
選曲にしても表現方法にしても、誰の言うことも何にも聞かずに、自分の思う通りに、心の命じるままに、自分が美しいと思うように自由に、行けるところまで、わがままに、突っ走っていってほしいなあ。天才プリンスに抱いていたのと同じような気持ちを、僕はケントくんに抱いてしまう。
YouTubeのコメントでも「ハーイ、ケント、今度は××を弾いてよ」というお願い、おねだりをする人も多いけれど、「諸君、ケントくんにおねだりするのはやめようではないか。この若者の音楽の趣味を信じて、次はどんな曲が来るのかを、どう驚かせてくれるのか、楽しみに待とうではないか」と呼びかける大人なコメントもある。僕は、どちらかというと、後者の意見に賛成だなあ。どんな曲を、どんな風に弾いてくれるのか。今まで全然好きじゃなかったジャンルや、知らなかった曲を、はじめて、ケントくんを通じて知った、好きになった、というコメントも、YouTubeには溢れている。僕も、本当にそう。
でも、もしかすると、リクエストされた曲を、ケントくんも聞いてみて、「お、知らなかったけれど、これはいい曲だなあ」と思って、挑戦してみたり、というパターンもあるのかもしれない。あながち、リクエストも否定しない方がいいのかも、などと、いろいろ思ってしまう。
話は、すこしズレるけれど、このコロナ騒ぎが納まった後の、ケントくんの未来についても、全くのただのファンの1人として、いろいろ考えてしまう。ケントくんがメジャーデビューする日も、そう遠くはないのではないかと思うけれど、心配は、メジャーレーベルの、我の強いプロデューサーが、ケントくんの、自由に突き進む方向性に、変な手を加えてしまうことだなあ。たとえば、「オリジナル曲で勝負しろ」とか。逆に「とにかくメジャーな曲のカバーじゃないとダメだ」とか。
天才、ジェイコブ・コーリアーがYouTube動画で注目を受けて、メジャーデビューするときに本当に幸運だったのは、見出して、マネジメントを申し出たのが、クインシー・ジョーンズだったこと。100%、ジェイコブ君の思う通りに、口を出さずに、アルバムを作らせてくれたことだと思うんだよね。ジェイコブ君の天才には、下手に手を出さない、100%好きにやらせることが大切だと、さすが、世界一のプロデューサー、クインシーは分かっていたのだと思う。デビューアルバムは、YouTube動画で評価された、スティービーの名曲はじめ、カバー曲とオリジナルを、そのまま織り交ぜて収めている。
きっと、いろんなメジャーレーベルからの誘いとか、CM音楽やTV番組音楽なんかの誘い、今もあると思うし、今後もどんどん増えると思うけれど、ケントくんには、自分が素敵だと思うことならやる。素敵だと思わないことは断る、そうあってほしいなあ。ケントくんが意志を貫けるように、プー松岡さんも、ご両親も、ケントくんを守ってあげてほしいなあと、一ファンとして、心から思います。僕自身が、もともと広告屋(元・電通の戦略プランナー)だから、「どうしたら売れるか」みたいなことを考え勝ちだけれど、ケントくんには、世界中に、ありのままのケントくんを愛して期待してチャンネル登録しているファンが10万人もいるのだから。「売らんかな」の姿勢ですり寄ってくる大人たちに負けずに、ケントくんの思う道を突き進んでほしいと思います。
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