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「はらぺこあおむし」の作者、絵本作家エリック・カールさんが91歳で亡くなった。ので、子どもへの読み聞かせの思いでを、ちょっと書いておこう。
朝日新聞デジタルの記事
「はらぺこあおむし」実は日本で誕生 穴あき・幅が異なるページ 印刷・製本先、米では見つからず。
〈当時の米国では、穴あきの仕掛けや、ページ幅が様々なこの本を印刷製本してくれる会社が見つからなかった。1968年夏に訪日した編集者は、試作持参で出版社を回り、偕成社の社長が惚れこんでくれた…69年に米国で出た初版本の奥付には「Printed in Japan」と印字されている〉
ここから僕の感想と思い出
偕成社、えらいなあ。
上の子が生まれてから、六番めの子が小学校の3か4年生くらいまでの間、1988年~2014年、26年間くらいだと思うけれど一晩も欠かさず、僕と妻のどちらかが、寝る前の読み聞かせをした。ので、絵本、児童書の類だけで、一部屋の壁一面の五本の大きな本棚が占められている。とはいえ、何度も繰り返し読む本というのは限られていて、子どもがやたらとせがむ本と、親が読んでいて楽しい本、おそらく100冊~200冊くらいが、高頻度で、繰り返し登場した。私と妻で、お気に入りの本も、重なるものもあるが、微妙にずれている。
小さい子供というのは、気に入った本は、聞き終わるとすぐ「もう一回」とねだるので、一晩で5回も、いや、いつまでも寝なくなるときなどは、一晩に10回以上、同じ絵本を読むこともあった。
子供に本を読み聞かせるというのは、思い返してみても、僕の人生の中で、いちばん幸せな時間で、それをこれだけたくさんできたのだから、それは幸せな人生だったのだと思う。本の世界に引き込まれると、子どもの体温が上がり、息をつめたり、大きく吐いたり、そして気づくと、すやすやと寝ているのである。そういう子供の全身での反応を懐に感じながら本を読み聞かせるということ、ああ、楽しかった。ああいう時間はもう戻ってこないのである。
『はらぺこあおむし』は、妻もわたしも子供たちも気に入って、繰り返し読み聞かせた本だから、きっと1000回くらいは読んだり聞いたりしている。誇張ではなく本当に。
あの本は、最後に蝶になるというところも感動的ですてきだけれど、その前に、食べ過ぎておなかがいたくなるところ
「そのばん あおむしは おなかがいたくて なきました」
子どもたちが共感して楽しくなるところなんだよな。その食べ過ぎ感を、いろんな食べ物が重なったページになって、穴が開いているという絵本の製本加工が、よく表しているのだよな。
という製本加工、そもそもの初めから、アメリかで出版されたものから、偕成社がやっていたとは。知らなかった。偕成社さん、ありがとう。