イーロン・マスク氏に「日本が消える」と言われても本気で考えない人が多いので、もう視野の狭い少子化対策(人口増加策)なんかやめてしまえ、と自暴自棄になって暴論を書いてみた。日本ロボ化計画に予算集中したほうがいいんじゃないか。
イーロン・マスク氏に(きっと気持ちとしては)「バカでもわかると思うが、このままだと日本はなくなるぞ」と言われているの、算数ができればその通りだとわかるのに、誰も止めようとしない。バカの国はバカゆえに消えてなくなるのである。無念。
高齢者の多くと言うか、僕らの世代ももう還暦なわけでここに含まれるのだが、問題の深刻さも、原因も、解決への正しいアプローチも、まともに考えていないし、理解していないもんね。解決しません。無理。
少子化問題を扱うと「別にいいじゃん、地球規模で見れば人口減ったら資源や環境問題解決するし」とかいうバカが湧いて出る。うん、いいけどさ。日本社会がどれくらい悲惨なことになるかの想像力が欠如しているようだから。
いままで少子化対策についていろいろ書いてきたけれど、馬鹿馬鹿しくなった。高齢者とその予備軍は少子化対策は考えないくせに自分が老いて医療や介護を受けるときは誰かが面倒見てくれると思ってんだもんな。
介護や看護してくれたり救急車で搬送したりするの、みんな自分より若い世代の人間だからな。有事や地震や災害のときに助けてくれる自衛隊員だってそうだよ。人間は誰か人間のお母さんが生んで、誰か親とか家族とかが他に仕事もしながら一生懸命育てて、国の支援なんてホントに酷いくらい少ないなかで高い教育費を払って教育うけさせてあるいは若者自身が重たい奨学金という名前の借金を背負って教育をうけて、やっとそういう仕事についているんだからな。移民だって外国人だってそうだよ。人間は人間からしか生まれないし、人間が育てないと人間にならないんだよ。子育てなめんなよ。人間はその辺からタケノコみたいに生えてくるわけじゃないんだよ。もうほんとに頭にきた。
少子化(正確には少子高齢化なんだが)それ自体を解決するのはもう無理。
なので、発想を変えて「少子高齢化によって生じる問題を、別の方法で解決する」にシフトしたほうがいいんじゃないか。
一見、少子化を回避したり解決したりした先進国の多くが、「移民政策で、移民自体の人口増分+移民がどんどん子供を産むので、人口構成上の少子化が回避または解決されている」のがほとんど。それまで少子化が進んでいた、もともとのその国を形成していた「国民国家」起源の人種民族自体での少子化が止まった例はすごく少ない。(フランスが少子化を克服、というけれど、旧植民地からの移民による増加と少子化対策の混合効果だと思うのだよな。)もともと移民国家か、移民だよりでしか先進国の少子化は止まってないのだな。ドイツだって介護医療の人材の1/6~1/4くらいは移民と海外からの労働者に頼っているんだというニュースを昨日のZDFでやってたな。
まず、認めよう。移民政策を取らず、既存国民だけに対する少子化対策で人口問題が解決することはない。
で、次に、日本国民が「大胆な移民拡大」路線に舵を切れるか。切れないと思う。「労働力」としては受け入れても、それぞれ文化的背景を持つ人間・家族集団ごと、まるごと大量に移民を受け入れていくという政策には転換できないと思うのだよな。
というか日本がどんどん貧しい国になっていっているのにその自覚が日本人には薄く、かつての経済大国だったプライドだけがあって外国人への差別意識が強い日本に、移民したい人はそもそもそんなにいないだろうし。「技能習生制度」なんていう恥さらしな現代の奴隷制度を運用する国だって、どんどんばれちゃっているからな。今日ツイッターで、「手話通訳に対する報酬、タイでは時給4000円だけれど、日本では半分以下、日本が東南アジアの中でも貧乏な国になっていることに気付け」という投稿があったな。医療介護の人材を東南アジアから、という制度も、資格試験についてうるさいことを言っているうちに、日本の経済的魅力が低下して、だれも来てくれなくなるだろう。
だとすると、人口を増やすのではなく、少子高齢化で生じる問題を、人間の数ではなく解決する、という道しかないのじゃないか。
少子高齢化の問題は、社会基盤となるサービス(警察消防医療介護防衛、道路水道エネルギーなどのインフラ)が維持できないこと。
これらは現在の技術水準では、ほぼ若年層の人的労働サービスに依存している。老人ばかりの消防隊だの警察だの、老人だけの技術者と労働者で道路や橋や下水や電気ガスの点検維持修繕保全ができるかというとできない。医療介護も若い介護士看護師さんが補充されていかないと、医療介護を必要とする人口と、サービスを提供する人のバランスが崩れるのは当たり前。
これらを、ロボットとAIその他の先端技術で、人を使わずに解決する方法を開発する方に、予算を全振りして、「人口増加」を、目指す少子化対策はやめた方がいいんじゃないか。
この「日本ロボット化」科学技術産業政策に予算を集中投下すると(医療介護から軍事から原発廃炉から物流ドローンから全部。人間の仕事をロボットに代替させる研究)、実は産業振興と大学研究開発予算増加と大学院博士課程修了者の就職先増加になる。低学歴日本問題も解決する。
ロボコップとロボ消防隊員とロボ介護士とロボ看護師とロボ道路と地下埋設各種(上下水道管、電気、ガス、電話通信ケーブル)保守管理ロボ、橋梁保守管理ロボ、ロボット自衛官。こういうものを全部ロボットに置き換える技術開発に、予算を大幅に振り向ける。防衛費からも社会保障費からも予算の一定割合を「日本社会ロボ化」に振り当てる。そのための研究開発費が大学にも企業にも潤沢に注がれる。こういう本気の国策による投資、産業と学問振興策の方が、「それに関連する産業での賃金上昇と、大学・大学院高学歴就職の好転」で、まわりまわって少子化に効くのじゃないのか、と思うのだが。関連大学学部の学費無償化、大学院生から生活費支給にしたらいいと思うよな。「医療系と理工系だけ」と思うかもしれないけれど、ロボットを人間社会に大量にいれていくには、そのための倫理哲学、言語、心理、その他人文系学問領域の「ロボット化社会への対応」が迫られるから、そういう学問も振興されるのだと思うぞ。
アメリカがかつて、人類を月に送ろうとしたアポロ計画くらいの、戦争中に原爆を開発しようとしたマンハッタン計画くらいの、死に物狂いの緊急国策として、「少子高齢化で生じる問題を全部ロボ化で乗り越える」計画をすすめたらいいんではないかなあ。もう少子化対策はやめて。
50年後の日本は、人間が4000万人くらいしかいなくて、その代わり1億体くらいの「なんとかロボ」が働いているの。人間がやらなきゃいけない仕事はほとんどなくなっていて、食料生産から社会インフラ維持から、医療サービスから、ほとんど全部、ロボットがしてくれる社会になっている。もちろん防衛も、ロボット自衛隊になっている。
他の先進国のように「移民で少子化を乗り切る」という方向を拒絶するのであれば、これしかない。
「ベクシル 2077日本鎖国」という近未来SFアニメだと、日本は、完全に鎖国状態になっていて、三菱重工をイメージしたと思われる企業が画期的ロボット技術を開発していて、という設定なのだよな。ほら、今から55年後の設定でしょう。
少子化を止められないなら、移民激増も嫌ならば、そうするしかないと思います。
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