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ブダペスト世界陸上2023 最終日 女子走り高跳び決勝、Paraviの解説が面白かった。

世界陸上最終日

男子マイルリレーで日本が予選敗退しちゃったので、最終日夜の部は日本選手はなし。(昼間の男子マラソンは劇的展開でしたが。)

フラットな気持ちで見ていました。

女子走り高跳び。Paraviの解説、日本女子体育大学常務理事、石塚浩さんが、初めは身体的技術(助走の走り方とか、踏み切りとか空中動作とか)解説をしていたのに、どんどんメンタルの整えかたがいかに大事てあるかが8割くらいの解説になっていって珍しかったし面白かった。

 石塚さんはこの前、槍投げ北口のときもParaviで解説していた人。どの競技が専門なのか調べてみたら大学HPにあった。研究テーマは

「動き」ができるようになり「いつでも上手にできる」の発展過程と、タレントの発掘、選抜、育成の関係について

なんだ。今日は走り高跳びを見ながら、その研究テーマ視点から解説してくれたんだな。

 そもそもは、アメリカの2mジャンパー、超有名なアメフトのスターの娘、というカニンガム選手が、はじめの185で二回失敗し、三回目から急に調子がよくなり190でも好調持続してどんどんいけそうだったのが194で三回失敗で競技おしまい。実力を、出せなかった。これが助走の技術的問題である以上に、メンタルコントロールの失敗、ムラであるというような方向で解説はどんどんそっちの方向にいったのである。「いつでもできない」タイプの選手とみてあるわけだ、石塚さんは。

 さらにオーストラリアのオリスラーガ、最終的に199を跳んで銅メダル(試技数の差)と好成績だったのだが、メンタル整え方法が特徴的だった。このせんしも石塚先生の研究対象として興味深いんだな、きっと。

オリスラーガにはふたつ、メンタル整え的に大きな特徴があって、
①競技を楽しもうとする姿勢を常に表現し、助走の前に笑顔になる。というか笑顔を作ろうとする。石塚先生は毎回のオリスラーガの笑顔を「たゃっとわざとらしい作り笑いになっていますね」とか「今回は自然な笑顔になってますね」とか、笑顔を作るといもルーティンも、それ自体に意識がいってしまうと効果が薄れる。もう跳躍そっちのけでオリスラーガの笑顔の解説をするので(もう跳び終わって次の選手の助走が始まっても笑顔論が止まらなくて)実況アナが困りはてていて気の毒であった。

もうひとつは、一回翔ぶたびにノートを開いて何やら書いており、それが分析や改善点とかではなくて、絵それも高跳びそのものと関係ないようなお花とかそういう絵を描いているという話から、また今度は絵を描くことと無心になること、禅とかどんどんそっちの話になっていったのである。

 ウクライナのマフチクが優勝、もう1人のオーストラリア代表パタソンが銀メダル。ウクライナ戦争という大変な事情や、パタソンは怪我からの復活という、個人的な大変な事情をかかえており、そういうことがうまく競技へのしゅうちゆにつながる、みたいな話は石塚先生、特にしていなかった。しかし今回キプロス代表のクリチェンコ選手は実はロシア人でキプロスに帰化して出場したのであった。そういえば、ロシア選手、オリンピックなどのような個人資格としても参加を認められなかったのだな、1人も見かけなかったもんな。

そのことに大会最終日にして初めて気がついたのも、この女子走り高跳びでした。

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