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【開催報告】第3回オンラインセミナー「海と物理 〜海洋ゴミはどこから来てどこへ向かう?!〜」

『ウォーターフロントアクティビティプロジェクト(WFAP)』は、日本財団「海と日本PROJECT」の助成事業として開催される、海の環境保全や海を契機とした環境問題全体への意識付けと実際の行動を促すプロジェクトです。

<WFAP公式サイト>

2023年は、2つのテーマを元にそれぞれ4回のイベントを開催いたします!
テーマごとに、知る、興味を持って頂くきっかけ作りとしてのオンラインセミナー3回と、好奇心を育てることを目的とした体験を通して学ぶリアルイベントを1回を実施予定です。

■第1弾テーマ:海と科学~みんなで紡ぐ未来の海~

■第2弾テーマ:海と文化(仮)

第三回目のオンラインセミナーが終了しましたので、開催報告です。

今回のテーマは「海と物理 〜海洋ゴミはどこから来てどこへ向かう?!〜」

90名近くのお申し込みをいただき、大盛況のイベントとなりました!申し込みいただいた皆様、ありがとうございました!

今回は、地球や生命の理解などに広く貢献すべく、地形や海洋生物、海洋ゴミに至るまで幅広い海洋研究に取り組まれている海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究員である磯部さんをゲストにお招きし、海洋ゴミの行方や海への影響についてお話ししていただきました。

「海は広い」ということは皆さんもご存知かと思いますが、なんと平均水深は3800メートルと、富士山がすっぽり入るくらいの深さだそうです。水深200メートルより下は「深海」と定義されますが、地球上の海のほとんどは「深海」であり、冷たく(冷蔵庫くらい)、暗く(何も見えない)、すごい圧力(10円サイズに1トン)とのこと。普段私たちが目にする海は、ほんの一部で、海の中にはまだまだ知らない世界が広がっているんですね。

海洋ゴミの中でも特に多いプラスチック。世界では、1950年代からこれまでに、83億トンものプラスチックが生産されています。そのうち捨てられたプラスチックの量は64億トン。そこからリサイクルされた量はわずか9%、焼却が12%、のこりの8割は埋め立てという形で自然環境に放り出され、風に飛ばされて海へとたどり着くそうです。

海洋に流出したプラスチックは最低でも2500万トンとされていますが、観測から見積もった実際に浮いている量は26万トン。のこりの99%の行き先のひとつが、「深海」なのだそう。海流によって海ゴミは移動し、かなりの量が海の底、特に海流がぐるぐる回っているうずの底に溜まってしまっているそうです。
汚れがついたゴミは、目に見える海面で漂うのではなく、海の奥深くまで沈んでいってしまうんですね。


プラスチックの代替品としてよく挙がる紙素材ですが、透明でないことから容器として選ばれづらい側面があります。
そこで磯部さんは、現在、厚い透明な板紙の開発の取り組んでいるそうです。天然素材でリサイクルもでき、実際に深海底に置いたところ自然分解にも成功したとのこと。
研究者によって様々な新素材の開発が進んでいますが、最終的に未来を支える素材を決めるのは消費者である私たちです。どんなものが身の回りにあるのか、どんなものを使っているのか、このようなことを普段から意識するようにしたいですね。

普段は目にしない深海の様子を写した映像も面白かったですね!

海の中にはエビなどのさまざな生き物がいました。普段生活をしている中では実感を持ちづらいかもしれませんが、海と私たちの日常は非常に大きく関係しています。
セミナーのお話を聞いて、皆さんの日常に少しでも変化が生まれたら嬉しいです。

====今後のセミナー&イベント情報====

第2弾テーマ:海と文化(仮)のセミナー&イベントは、現在調整中です。詳細が決まりましたら、HPにてお知らせいたします。


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