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「美人林」はいつまで美人でいられるか?
昨年、大地の芸術祭に行った際に一緒に訪れた、新潟県十日町市の「美人林」。
ブナの木の立ち姿が美しくそう呼ばれているそうだ。4月末に行ったのだが、さすが豪雪地帯、雪が一面に残っていた。
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ただブナの木の根元の周りだけ、木が発する熱で雪が溶けてこのような美しい円形を作っている。当たり前だが、木も生き物なんだとあらためて気付かされる。
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雪と新緑のコントラストが美しかった。
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春に行ってとても良かったので続けてその年の秋にも訪ねてみた。
前回雪で覆われていた地面は、落ち葉で真っ赤なカーペットのようになっている。
同じ場所を同じ年に続けて訪ねてみると、その違いがよく感じられる。エネルギーに満ちた濁りのないグリーンの林が、秋には少し寂寥感のある味わい深い林に変化している。希望に満ち満ちて社会に出た若者が、酸いも甘いも噛み分けて、歳を重ね続け、もうすぐ定年を迎える、そんな感じだ。そういえば最近、髪の毛もちょっと薄くなってきたかもって。。。
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さて、表題の『「美人林」はいつまで美人でいられるか?』だが、昨今の気候危機により、美しいブナ林の維持の困難さを訴えている、のではない。
それよりも先に、ジェンダーやルッキズムへの過度な配慮から「美人」の言葉が使えなくなることを危惧しているのだ。
林を女性に例えること、また女性の外観を上だ下だとランク付けするのは不適切だ、という考えが、この「美人林」にも適用されてしまうのではないか。。
もちろん、ジェンダーや外観で不当な差別を受けることはあってはならないことだと私は思う。
しかし、正しいことも極端に突き詰め過ぎると危険である。「言葉狩り」のようなことが起こりかねない。何事もほどほどが良いと思う。
「正しいけれどつまらない」。私はそんな世の中は嫌だな。