「推しが作った(という体の)プレイリスト」を作ろう!【絢辻詞の場合】
どうも、リサフランクです。
突然ですが、僕には趣味があります。
それは、アニメやゲームなどのキャラクターについてあれこれ妄想することです。
以前、個人名義でこんな記事を書いたことがありました。
これは、『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターたちが普段何を聴いているのか考えてみようという記事です。
リサフランクはいつもこんなことを考えて過ごしているわけです。
そんな日々を送っていたところ、僕はSpotifyでとんでもないものを発見してしまいました。
それがこちらです。
そ、その手があったかぁ~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!
そう、こちらのプレイリスト、先日"違法DJ"なるパワーワードで話題になったメディアミックスプロジェクト『電音部』の登場人物、日高零奈が直々に用意した(という体の)お気に入り曲集なのである!!!!!
しかもこれ、公式による提供で全キャラ分が用意されている。なんという充実っぷり…!!!!
今までリサフランクは、「あのキャラクターってどんな音楽聴いてるだろうなぁ~」という妄想をしたことはあれど、「あのキャラクターがプレイリストを作ったらどんなものになるかなぁ~」などという地点にまでは到達したことがなかった。まさに青天の霹靂だ。
これは…
これはぁ……
作るっきゃねえ!!!!!!!
ということで、今回の記事ではリサフラが愛してやまない『アマガミ』の登場人物、絢辻詞が作った(という体の)プレイリストを本気で作っていきたいと思う。
さあ、果たしてどんなものが出来上がるのでしょうか。
それは作ってからのお楽しみ。
それでは、今回は皆さんも一緒にね。
せーの、
ヴァ~♡
※なお、この記事では、絢辻詞のシナリオについてド派手にネタバレします。今後アマガミのプレイ等を検討している人は、そちらの方が済んでから読むことをオススメします!!
チュートリアル: 『アマガミ』について
はい、まずは『アマガミ』について説明させていただきたいと思います!
『アマガミ』は2009年にエンターブレインからPS2用ソフトとして発売された恋愛シミュレーションゲーム。
2010年・2012年と、2回にわたってアニメ化され、最後の放映からちょうど10年経った今年にも新たなイベントが開催されるほど、根強い人気を誇る作品だ。
作品の舞台となるのは輝日東という街、時代は携帯がギリギリ普及していないくらいに一昔前。そこでひとりの冴えない高校生男子が「うわぁ、クリスマスまであと1カ月!!やばいよやばいよぉ~、それまでになんとかして彼女を作らなくッチャフォカッチャ!!!」といった具合に、校内のヒロインたちと果敢に交流しクリぼっち回避を目指す物語である。
そして、絢辻詞はこの作品におけるパッケージヒロイン。
つまりは作品の顔的な存在といえる。
絢辻詞は校内外で品行方正、眉目秀麗として知られており、勉学のみならず委員会活動にも精を出す優等生で、一見すれば非の打ち所がないように思える。
しかし、それは表の顔。
彼女は優等生を演じるその裏でかなりの鬱憤と孤独を抱えており、また性格に関しても悲観的かつ激情的だ。なんとも妄想し甲斐がありそうな感じでしょう?
さあ、予備知識はこのくらいで十分だろう……
それでは絢辻詞が作ったプレイリストを作るため、いくつかの手順を踏んでいくぞ!!!
ステップ1:あらゆる絢辻詞を網羅する
当然の話ではありますが、絢辻詞が作ったプレイリストを作る上では、絢辻詞のことを最大限に知る必要がある。
ということで、まず第一のステップとして、本編のやりこみはもちろん、絢辻詞に関連する派生作品についても手の届く範囲で全てに触れ、あらゆる角度から絢辻詞の情報を集めた。
ここからは、それぞれから得た有益そうな情報をまとめることで、プレイリスト作りの参考にしていくことにする。
1.ゲーム本編から得られた情報
はい、初めはゲーム本編をプレイすることによって得られた情報についてだ。やはりこれが最も重要!!
まずはメインシナリオによって得られた絢辻詞の重要な情報として挙げられるのは、彼女が家庭環境に問題を抱え、「家に居場所がない」と感じているという点について。
本人いわく、彼女はエリート思想の強い父と視野の狭い母の下に生まれ、また4つ上の姉は詞と違って生まれながらに優秀で愛嬌があったため、自分を理解してくれる人が家族内に誰もいない状況で育ったという。
それ故に、「本当の自分を知ってほしい、受け入れてほしい」という願望が根底にあるキャラクターとなっている。
選曲を行う上では、そのような背景を持つ彼女はどういった音楽を支えとして選ぶか、ということを十分に考える必要がありそうだ。
また、『アマガミ』のゲームシステムとして、「会話モード」というものがある。これはその名の通りヒロインと会話するモードであり、適切な話題を選んで話を弾ませよう!といったものだ。
この選択肢の中で今回重要になったのが「娯楽」で、これを選ぶと音楽、本、映画などといったことについての話が展開される。
以下の情報は、それによって得られたものだ。
ものすごく有益な情報ばかりじゃないか……!普段聴いている音楽のジャンル、傾向などが事細かに明かされている。
また、直接は関係しないのでここには挙げてないものの、本に関する会話もたくさんあって、絢辻詞がかなりの読書好きであることも判明した。
プレイリストの曲目を選ぶ上では、これらが大いに参考元となりそうだぞ!!
2.アニメから得られた情報
さあ、お次はアニメ作品、『アマガミSS』と『アマガミSS+』を視聴したことによって得られた情報をまとめていきたい。
『アマガミSS』では第21~24話が絢辻詞編だったが、21話では「絢辻さんは普段、どんな音楽聴いてるの?」という質問から始まる、ゲーム本編で見られるものと同じ内容の会話が展開された。
それに対する受け答えも基本的には同じだったので新たな情報を得ることはできなかったものの、このシーンで興味深かったのは絢辻詞の返答の際の詰まり方である。「どんなって聞かれると難しいな」みたいなことはゲーム本編でも言ってはいたが、アニメではこの部分が強調され、絢辻詞がガチで難しそうにしている。
リサフランクはこのような場面を幾度となく目にしたことがある。そう、これを読んでいる方々にも共感していただけると思うが、日頃音楽をたくさん聴いている人間は「どんな音楽聴いてる?」と訊かれると、どの返答が適切かメチャクチャ悩むのだ。
絢辻詞も人並み以上に音楽を聴いていそうな雰囲気が漂うワンシーンだった。
また、『アマガミSS』での絢辻詞に関して言えば、彼女のクリスマスにかける思い入れが全編通して非常に強調されていた。その強調され具合はゲーム本編以上だったと思われる。彼女はクリスマス・イブの日に学校で開催されるお祭り、通称"創設祭"を必ず成功させたいようだった。
これについては選曲の際にも活きる情報かもしれない。
なお、『アマガミSS+』の方から得られる情報は特になかったが、それはそれとして絢辻詞がかわいかった!!イエ~~イ!!!
3.キャラソンから得られた情報
絢辻詞に関しては、キャラソンが4曲用意されている。
こちらの方も聴いていきたい。
まず1曲目、「嘆きの天使」。
これは『アマガミSS』の絢辻詞編にてEDソングとして起用された曲だ。
中多紗江編における「あなたしか見えない」、そして七咲逢編における「恋はみずいろ」などもそうだが、本シリーズにおいてEDに使われた曲は、それぞれのキャラの個性が強く反映される傾向にある。
そうした視点から「嘆きの天使」を聴いてみると、なんだかアイドル歌謡っぽい。これが本人の音楽的嗜好に即したものであるとするなら、非常に興味深い。
2曲目、「White or Black?」。
歌詞が小悪魔系的でカワイイ。
音楽としては、とにかく歌うのが難しそうな曲である。メロディーの動きにひと癖ある。作編曲はIOSYSなどでも活動しているD.watt氏とのこと。カラオケに一切興味がなく、普段歌う習慣がないという絢辻詞はさぞかし歌いこなすのに時間がかかったことだろう。
3曲目、「I Believe」。
主人公に対する素直な気持ちを歌っていて非常にほっこりする歌だ。
作曲を担当しているのは、劇場版エヴァ主題歌「魂のルフラン」やアニメ版ジョジョ2部OP「Bloody Stream」などで有名な大森俊之。付点八分ディレイがいい感じ。
最後、4曲目の「Your Smile」。
ジャケがひどい。絢辻詞の曲の中だとこれが一番王道なバラードって感じするかも。最後に転調する展開含め、こういう曲がひとつくらいあってくれると嬉しいよね。
そんな絢辻詞のキャラソンでした。
4.攻略本から得られた情報
古き良きフォーマットの攻略本、『アマガミ オフィシャルコンプリートガイド』では、特に音楽関連については何も書かれていなかったものの、ちらほら重要そうな情報が載っていた。
それは、"絢辻詞は毎月10,000円のお小遣いをもらっている"ということだ。なんだかんだ言ってもお小遣いはくれるのだから、モラハラ的な部分が強いだけで親としての務めは果たしているということか。
何にしても、高校生でバイトせずに毎月10,000円もらえて、特に遊ぶ友達もいないとあれば、かなり文化的な生活を営めそうだ。
また、絢辻詞のプロフィールにおける「好きなこと」の欄で、"読書"は載っていたのに"音楽鑑賞"は載っていなかったのも興味深かった。やはり彼女のメインの趣味は本を読むことのようだ。
5.ドラマCDから得られた情報
次はドラマCD、『アマガミ Vol.2 絢辻詞編 ~私の帰るべき場所~』だ。
これを聴くことによって得られた情報はほぼなかった。まあまあ高い額使って買ったのに残念……。強いて新情報を挙げるとすれば、父親のエリート志向的発言というのがどういったものか、その片鱗が明かされたことくらいか。
6.漫画から得られた情報
『アマガミ precious diary』では、1~2巻が絢辻詞編、5巻が特別編(うち絢辻回は1話)となっている。
1~2巻に関してはゲーム本編におけるスキルートとナカヨシルートのそれぞれからいいとこどりしたストーリーとなっていて、セリフもかなり原作準拠だったので、新たな情報は特に得られなかった。
しかし、5巻から得られた情報は非常に興味深かった。
この特別編におけるストーリーは完全なオリジナルで、彼女と同じ大学に進学すべく奮闘する主人公と、それをサポートする絢辻詞が描かれる。
そして中盤から"頑張ってるご褒美"的なお色気展開に発展していくのだが、ここで絢辻詞が発したセリフ、「卒業するまでは健全な関係でいるって約束でしょ(的な発言)」は注目に値する。
絢辻詞はこうした部分できっちり一線を引くタイプの、ある種のプラトニックさを持ち合わせている人間であるということを踏まえて曲を選んでいきたい。
まとめ
ここまでで得た情報を抜粋してまとめると、
【絢辻詞の音楽に関連する情報】
・基本ノンジャンルで聴くが最近ハマってるのはクラシックとJ-POP
・直近で買ったCDはクラシックのオムニバス
・音楽は寝る前や勉強の息抜きタイムなど、リラックスしたい時によく聴く
・普段聴いている音楽の傾向としてはしっとりした曲が多い
・「どんな音楽を聴くか」という質問への反応を見るにわりと聴いてそう
・主たる趣味は読書
・キャラソンが絢辻詞の嗜好を反映しているものだとすれば歌謡曲の類も好みかもしれない
【絢辻詞のパーソナルな情報】
・家庭には居場所を見つけられず、孤独感を強く感じている
・クリスマスには人並み以上の思い入れがあり、イベントを必ず成功させたいと考えている
・恋愛に関してはプラトニックな一面を持ち合わせている
・毎月10,000円のお小遣いをもらっていて、経済的には苦労してなさそう
といったところか。
ステップ2:絢辻詞の足跡を辿る
さあ、情報は十分に集まりましたね……
だけど、これだけではプレイリストなど到底作れない。
だって、リサフランクはまだ絢辻詞をすごく知っているだけの人間にしかなれていない。
本当に絢辻詞の作ったプレイリストを作るためには、絢辻詞を己の中に憑依させる必要があるのだ。
ということで、絢辻詞の普段の生活を追体験すべく、アマガミの聖地、千葉県銚子市に向かうことにした。
リサフランクが住まう横浜から片道3時間、運賃2,640円。
そして、銚子の地に降り立った。
絢辻詞……
絢辻詞…………
絢辻詞………………
絢辻詞…………………………
絢辻詞ッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
その時、リサフランクの中に絢辻詞が宿った。
絢辻詞の見た景色、嗅いだ匂い、聴いた音、感じた味、浴びた海風。
それら全てを自らの五感によって追体験したことにより、初めて彼女を本質的に理解することができたのである。
さあ、妄想の時間だ。
ステップ3:絢辻詞がどんな音楽を聴いているのか妄想する
完全に絢辻詞をインプットすることができたので、いよいよプレイリスト作りに取りかかっていきたい。
さて、曲目を選ぶ上で注意しておかなければならないことがある。
まず、冒頭でのゲーム内容説明の際に少し触れた通り、『アマガミ』は時代背景がわりと古めに設定されている。
具体的に西暦何年なのかは作品内では明かされないが、これについては非常に説得力のある検証がネット上で発見できた。
当記事ではこの検証結果に倣い、『アマガミ』が1999年の物語であると仮定して曲目を選ぶ。
つまり、プレイリストに2000年以降の曲は入らないということだ。
まあ、その部分について突き詰めていくと、1999年にプレイリストなどという概念はないというところに行き着いてしまうが、それについては「普段聴いている曲をリストにしてもらった」という体でいきたい。
また、"歌詞が絢辻詞のシナリオとマッチする"といった、我々プレイヤー側によるいわばイメージソング的視点オンリーでの選曲も避けなければならない。
これはあくまで絢辻詞が作ったプレイリストであり、曲目を選ぶ基準は"絢辻詞が聴いてそう"のみであることに注意しておきたい。
つまり上記の例の場合、本人が自己投影的な感じで聴いてそうだったら入れても大丈夫ではあるが、マニアでない限りたどり着けそうもないマイナーな音楽や、歌詞の相性が良いだけで絢辻詞の音楽的嗜好に合ってなさそうな音楽などは入れてはならないということだ。
以上のことを踏まえて、曲目を選んでみよう!!!
ここまで長い道のりだったけどがんばるぞ、オリャーーーーーー!!!!!
絢辻詞がプレイリストに入れる曲①:スピッツ「ロビンソン」
国民的バンドであるスピッツの言わずと知れた大名曲。モロにJ-POPだ。
「ロビンソン」は1995年発売ということで、1982年生まれの絢辻詞はこの曲が売れまくり流れまくりの時期をリアルタイムで経験していることになる。
まず第一に、絢辻詞は草野マサムネの書く歌詞が大好きである。
詩的で含みのあるフレーズ、一見前向きなようでいてわりとヤケクソなこともままある登場人物たち、そして時としてゾッとさせられるテーマ。
それらの要素すべてが、自らの過去を"うさぎとかめ"に喩えて打ち明けたり、主人公を信じていたかつての自分を"あの子"と称して別れを告げたりする絢辻詞の嗜好と、非常にマッチしている。
で、彼女はそんなスピッツの中でも特に曲全体として憂いの深い「ロビンソン」をお気に入りとして挙げるのだ。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲②:スガシカオ「愛について」
『プロフェッショナル 仕事の流儀』のテーマソングやSMAPへの楽曲提供などで有名なシンガーソングライター、スガシカオ。
「愛について」は彼が1997年11月にシングルとしてリリースし、その翌年リリースの2ndアルバム『FAMILY』にも収録された楽曲である。
週間のチャート成績的にはシングルで44位、アルバムで8位ということで、ぼちぼちレンタルショップに通っていそうな口ぶりだった絢辻詞が知っていても確かにおかしくはない。
スガシカオも作詞面で高く評価されているアーティストのひとりだ。真正面から愛欲と向き合い、時としてグロテスクなほどに飾らない表現を用いる。そんな彼の作風は彼女の琴線に触れた。
数ある楽曲の中から「愛について」がチョイスされた理由としては、曲調がメロウであり、しっとりした音楽をよく聴くという絢辻詞の好みに合っているためだ。
また、"木枯らし"などの単語から連想される厳しい冬の情景が作中の季節とマッチしているほか、彼女の性格上"ぼく"のぎこちなさにも共感できるようである。
絢辻詞は寒い夜の就寝前、沁み入るようにこの曲を聴いている。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲③:椎名林檎「本能」
椎名林檎の「本能」のリリースは1999年10月、まさに『アマガミ』の時代設定にドンピシャである。
最近J-POPにハマっているという絢辻詞は、彼女の名が世間に認知されるきっかけにもなったこの曲をしっかりマークしていたようだ。
1998~99年はMISIA、浜崎あゆみ、aiko、宇多田ヒカルなどといった名だたる女性アーティストたちがデビューした時期であるが、そんな中で絢辻詞は椎名林檎派だった。
文学的な要素が目立つ歌詞、そして諸MVにも見られる演技派な一面など、言われてみればいかにも絢辻詞のような子が好みそうな属性満載である。
また、「本能」に関しては、冒頭の一節である"約束は要らないわ 果たされないことなど大嫌いなの"を筆頭に、絢辻詞にとって自己投影しやすそうなフレーズがモリモリだ。
リリースされて間もないことも相まって、お気に入りの曲が何かと問われた際にはまずこれを挙げてオススメするらしい。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲④:村下孝蔵「初恋」
1999年、それは村下孝蔵が46歳にして亡くなった年でもある。
そのあまりに早すぎる訃報は多くの音楽ファンに悲しみを与えたと同時に、絢辻詞ら後進世代の中にはこの一件で彼を知ったという人も少なからずいるだろう。
村下孝蔵の代表曲である「初恋」、それは世にも美しい至高のフレーズたちによって構成されている。中でも特にサビの"好きだよと言えずに初恋は ふりこ細工の心"は象徴的だ。相手のことを想っていてもあと一歩踏み込むことのできない臆病さが純粋かつ詩的に表現されており、思わず胸を打たれる。
もし本当にあのキャラソン、「嘆きの天使」が絢辻詞の音楽的嗜好を反映していて、昭和歌謡がいけるクチなのだとすれば、この曲も好んで聴いているのではないだろうか。
いや、間違いない。絢辻詞はこの曲を好んで聴いている。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲⑤:Blur「Coffee & TV」
ノンジャンルで音楽を聴く絢辻詞は国外のロックもある程度聴いている。
専門外ではあるものの、一応90年代のロックをリアルタイムで追っている彼女は、Oasisなどのブリットポップ勢、Nirvanaを筆頭にしたグランジ勢(絢辻詞にとっては少し前の音楽ではあるだろうが)、そしてRage Against The Machineなどのニューメタル勢あたりを、聴くかどうかはさておき認知している。
で、絢辻詞はロックに関してはイギリスびいきだ。彼女はしっとりした曲を好んでいるので、必然的にそちらの方へ傾倒した。
そして、ブリットポップ勢の中で知名度が高く、そして彼女のテンションに最も合っているバンドがBlurだったのである。
今回選曲した「Coffee & TV」は1999年リリースということで、こちらもかなりリアルタイムな楽曲だ。
この曲は全体的に気だるげで、歌詞も「コーヒーとテレビをくれ~、もう俺はだめだ脳が死んでいる~、社交性とか無理だから~」みたいなすっかり諦めムードのものになっている。
絢辻詞もたまにはこういうのを聴いて心を休ませているのだろう。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲⑥:エリック・サティ「ジムノペディ 第1番」
ついにクラシックからの選曲。
まずはエリック・サティの楽曲の中でもトップクラスで知名度が高い「ジムノペディ 第1番」がチョイスされた。
まず、絢辻詞がクラシックを聴く主な理由は「リラックスしたい」というものである。また、音楽を始めるとすれば選ぶのはピアノかヴァイオリンということで、聴くのもこれらの楽器が中心となる楽曲だ。
だが、絢辻詞はあくまでノンジャンルで音楽を聴く人間であり、クラシックを専門的に攻めているわけではない。そのため、プレイリストには、オムニバスに選出されるような、ある程度有名な楽曲が入る。
その第一の例がこの曲だ。
これはピアノの独奏曲であり、そしてこの上なくしっとりしている。
環境音楽という概念がない時代から環境音楽を志向したエリック・サティの作品は非常に心地よく、我々の荒んだ心を癒してくれる。
絢辻詞も勉強の息抜きや寝る前のタイミングにこの曲を愛聴している。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲⑦:ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「ピアノソナタ第8番 『悲愴』 第2楽章」
第二の例はこの曲だ。
ベートーヴェンの『悲愴』、そしてその中でも特に第2楽章はちょくちょくオムニバスに入る有名曲で、これも「ジムノペディ」と同じくピアノの独奏曲だ。
『悲愴』(第2楽章)はその曲名が示している通り、全編にわたって物憂げで哀愁のオーラを漂わせる曲だが、それは常時孤独感を抱えている絢辻詞にとってむしろ心地の良いものである。ひとりの夜、心の支えとして聴くのだろう。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲⑧:モーリス・ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
第三の例、クラシックからの選曲はこれで最後。
絢辻詞はクラシックに対して「純粋に気持ちだけを揺らしてもらいたい」と思っており、それ故にロマン派・印象派周辺の楽曲を好んで聴いている。
そうした中でチョイスされたのが「亡き王女のためのパヴァーヌ」だった。
絢辻詞はドビュッシーやらリストやらも好きそうな雰囲気ではあるが、ここで敢えてラヴェルのこの曲が選ばれた理由としては、彼女はピアノ以外の楽器にも興味を持っているため、オーケストラ演奏によるロマンチックな楽曲も入れてプレイリストのバランスを取りたかったということだろう。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲⑨:Brad Mehldau「All the Things You Are」
お次はジャズから一曲。
これはなかなか渋めの選出なようにも思えるが、確かに、クラシックを好んで聴くのであれば、ピアノ主体で"欧州"的な色の強いタイプのジャズなどもリラックス用としてぼちぼち聴いていそうである。
で、彼女がお気に入りとして挙げるアルバムがBrad Mehldauの『The Art of the Trio, Vol.4: Back at the Vanguard』。これは1999年9月リリースのライブ盤で、絢辻詞からしてみればわりとリリースほやほやである。そのため、適当なアルバムを借りに来たら"おすすめの新譜"的な感じでプッシュされてたからなんとなく手に取ってみた~みたいな知り合い方をしたようだ。
そんなこんなで、アルバム内からは、最も印象に残りやすい1曲目がチョイスされた。
今回選んだのはBrad Mehldauだったが、Bill EvansとかKeith Jarrettあたりも聴いてそうな感じはする。後者はクラシック方面でも評価されているピアニストなので特に。
絢辻詞がプレイリストに入れる曲⑩:Frank Sinatra「Santa Claus Is Comin' to Town」
これが最後の曲。なんだか感慨深いな……
絢辻詞はクリスマスに並々ならぬ思い入れがあり、必ず聖夜のイベントを成功させたいと意気込んでいる。しかし、それでも日々の激務に疲れ果て、思わず全てを投げ出したくなってしまうこともあるだろう。
そんな時に彼女の支えになるのが、Frank Sinatraのクリスマス・アルバムなのである。クルーナー唱法によって歌われるクリスマスのスタンダードナンバーは、彼女を原点に立ち返らせ、あと一歩頑張るための活力をくれるのだ。
そんな自らの元気の源がプレイリストの締めとして用いられるべきだということで、この位置に入ったようである。
プレイリスト完成
ついに完成しました!!!!!!!!
う、うおお……これが、これが聴きたかった……。
それでは早速、目を瞑って聴いてみましょう。
~試聴中~
ーーーー1時間後。
素晴らしい出来です。これは間違いなく絢辻詞が作っています。
聴いていると、瞼の裏に彼女が浮かんできて、あの子はこの曲を聴きながらこんなことを思っていたんだろうな~とか、こんな時に聴いていたんだろうな~とか、そんな風に色々な思いを馳せることのできるプレイリストが仕上がりました。
皆さんにも自信をもってお出しできる曲目になったかと思います、ぜひ聴いてみてください。
終わりに
想像の2倍くらい長い記事で、皆さんもさぞかし驚いたことでしょう。
でも、最も驚いているのはリサフランクです。
こんな個人的な趣味満載の記事を敢えてWater Walkで書かせていただいた理由としては、本サークルの読者にも妄想によるプレイリスト作成の楽しさを知ってほしいと考えたためです。作っている間、リサフランクはずっとウキウキでした。
皆さんもぜひぜひ、好きなキャラクターの音楽的嗜好を掘り下げてプレイリストを作ってみてください!!
そして完成した暁にはリサフランクの方に送ってください、それがどんなキャラクターであろうとも僕はニンマリしますので!!!
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました~~!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?