![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154116045/rectangle_large_type_2_4377e34f3c1ec0e11508667ae00ba47f.jpeg?width=1200)
アラセイトウ
猛暑はおさまるけれど来月の中旬ごろまで残暑が続くらしい。これからは、厳しくて長い夏が普通になっていくのだろう。
それでも秋は来る。
秋がそのピークを迎える頃、花屋の店先には、まっすぐに伸びた茎に白く小さな花と蕾がたくさんついた花が並ぶようになる。
ストック(アラセイトウ/Matthiola incana)である。白以外にも黄、ピンク、マゼンタなどがある。
白のストックが好きだ。
白のストックを見ると、前に飼っていた鳥を思い出す。
彼女は、とりわけ好奇心が強くて勇敢で賢かった。まるで自分の娘のように思えた。彼女のことは、前にも書いている。
彼女が亡くなったのは秋で、何か花を飾ってあげようと思い店に行くと、白いストックが並んでいた。
店先で見た白いストックは、まさに彼女そのものだった。
亡き骸の周りに淡い緑の萼を持つストックの白い花を並べたら、花に囲まれた彼女はとても幸せそうに見えた。
今朝、ついさっき、ベッドの中で目覚めたとき、ふと彼女とストックの花のことを思い出した。
今年もまた秋が来たのだ
優しくて深い愛情に満ちた秋が