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凍り付いた時間たち

引き続き、話半分で聞いてください。

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前の記事で二重・三重の夢について触れた。

二重、三重の夢とは、夢から覚めて起きて動いていたら実はまだ別の夢の中にいた、という多層の夢のこと。多層の夢の中では、とりわけ、最初に起きて夢の層を一つ上に移動したときに異常な出来事が起きることが多い。壁や床から何かが出てくるのも嫌だが、一番嫌なのは時間の混乱である。

どうしてこういう夢を見ていたのか、わかった気がする。
多分、そう。

私の場合は。


異常な出来事が起きる(まるで眠りと覚醒の間にあるような)夢の世界は、バラバラになった私の感情や人格の破片が実際に体験し続けている(た)世界だ。


これで説明できるように思う。


破片は、おそらくはその「大きさ」によるのだと思うが、同じ時間をひたすらループし続けていたり、彼らのいる世界で酷い目にあっているのではないか。そして、眠りの中にある現実の私が現実の世界に戻る(目が覚める)までの過程で、何らかの理由でそのループや世界を通過することがあって、それが二重・三重の夢として認識される。彼らの世界と現実の世界とは違うので、時間の混乱が起きたりする。


突然、このことに気付いて驚いたし、怖かったし、そして、破片たちのことがとても可哀そうになった。ただ単に地面の下に埋められていたのではなく、時間の中に閉じ込められていた破片がいたのだ。そういう風に思える。いや、どちらかといえば、このことをかなり確信している。


ある破片は、朝の部屋で目覚ましが鳴り、それを止めようとする数分の時間を永遠にループしている。ある破片は、誰もいない家の中を歩いており、不意に玄関から入ってきた知らない女に刺されている。ある破片は、月夜に水辺を歩いていて、突然、水の下から出てきたたくさんの手に絡めとられている。これらは全て、私が中学生から20歳になる頃まで見続けた二重・三重の夢のほんの一部で、今でも、生々しく思い出すことができる。


幸い、現在の私が二重・三重の夢を見ることはない。少なくとも7~8年は、見ていない。

やっと謎が解けたという思いと、そして、彼らがまだ凍り付いた時間の中にいて助けを求めているのではないかと心配する思いが複雑に入り混じっている。

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最初、破片のことが水面下にある動かない泡のように思えたので、この記事のタイトルは泡という言葉が入るものにしようと思っていたが、18番の意見により「凍り付いた」時間にした。確かに、彼女の提案するこちらの方がいい感じ。その後、"frozen"というマドンナの曲が思い浮かんできて、内容的にもこの曲に似ている。どうでもいい話だが、マドンナの代表曲だと思うんですよね、frozenは。というか、frozenが収録されているアルバムは名盤。ほんと。


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ところで、ガトーショコラは成功しました🌸

懸念のメレンゲは、ハンドミキサーを使ったら意外と簡単だった(どちらかといえば、付け合わせ?の生クリームのホイップの方が最初飛び散って厄介だった)。

「ガトーショコラは、ベーキングパウダー(熱膨張剤)ではなく、メレンゲが含んでいる泡で膨張させる。つまり、泡がとても大切だ」ということは知っていたし、バレンタインに大切な人(たち)に食べてもらうものなのに失敗など絶対にするものかという強い決意があった。なので、チョコベースと混ぜる際にメレンゲをできるだけ潰さない方法をあらかじめ調べておいたのが良かったのかも。ポイントは、メレンゲを複数回に分けて混ぜること、泡が潰れてもいいから初回にチョコベースとよく混ぜておき、その後は、回数を経るごとに混ぜる程度?強さ?を抑えていく(最終的にメレンゲがダマにならなければよい)ことにあるみたいだ。

レシピは富澤商店のにした(かなりどたばたしたけど、難易度としては初級なんだって)。とても美味しかったです。

ガトーショコラについて、肝心の私の中の彼らですが、オーブンで焼いているときにみんなで眺めている(膨らんでくるのを、おーーーっ!と思っている)気配がありましたが、食べるときは特に何も感じられなかったのが意外でした。現実の世界が忙しかったからかも。まあ、でも、喜んでると思う。みんなのお祝いだし。