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ファラオサンダースとの出会い22の泡
今日
ふと聴きたくなった
Jazzの中で1番好きな曲
Pharoah Sanders
Love is everywhere
今も初めて聴いた日を覚えている
世田谷豪徳寺
当時一緒に暮らしていた彼に
Unionでバイトしていた弟くんから
興奮気味に
「兄ちゃん!!すごいJAZZの名盤見つけた」
と電話が入る
夕方ビールとご飯を買い
自転車に乗って
松陰神社前の弟くんの家に行く
冬だったと思う
集まった写真家4人と私と弟くんの彼女の6人
プレーヤーを囲み正座で座って
シーンとした部屋に
弟くんがキラキラした瞳でみんなの顔を見渡しながら
そっと針を落とす
ベースリフからピアノやパーカッションが絡んで
どんどん高揚していく音
19分という長い時間それぞれが音に集中して耳を傾けていた
20代前半の私たち
初めてこんなJAZZを聴いた
身体ごと宙に浮いてものすごい集中力で音の中に居た
ずっとhappyな心で誰かをとても愛してると感じていた
それは彼だったか
自分だったか
弟くんが
「どう?どう?ゆいちゃんこれがスピリチュアルなんだよ」
って言ったのが印象的で
スピリチュアルってなんだろう、と思った
貴重なアナログで1枚しか手に入らないらしく
それ以来ずっと聴けなかった
ある日彼が
「聴かせたいCDが沢山ある」
と10枚くらいCDをくれた中に
Love is everywere があった
とても嬉しくて「どうしたの?」
と聞くと
音楽関係者を当たってずっと探してくれていたらしい
時間は流れ
そんな彼ともお別れしたけれど
今でも秋になると毎年聴きたくなる
そして
ぼんやりと薄れてきたあの日のみんなを思い出す
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今はサブスクでも聴けるけど
これはCDで聴いてる
いつかアナログも欲しいな