「夢幻花」を読んで
注意!
今回は東野圭吾著「夢幻花」を読んだ感想です。
「まだ読んでないよ!」「これから読もうと思ったのに!」
そんな方はブラウザバックお願いします。
それではどうぞ。
黄色のアサガオ
黄色のアサガオはこの世に存在しないそうだ。江戸時代にはあったのだが、今では無くなってしまったらしい。
アサガオの毒性については知っていた。その時にも思ったのだが、小学校で育てていたのを覚えている。種を食べることはそうないのだろうが、安全な品種があるのだろうか?
とても身近な花をめぐるミステリーは面白かった。
主人公の一人、梨乃の祖父である秋山周治が殺される。
花を愛でながら余生を送っていた秋山に、亡くなった祖父を重ねた。
なんのこと無い日に、事故で亡くなった祖父を思い出して苦しくなった。
猫目の女性
東野先生は女性をミステリアスな存在としてよく描く。
猫目の神秘的な女性、というモチーフは、「白夜行」などでも出てきた描写だ。印象的でよく覚えている。
話すことの難しさ
家族の問題、才能の問題がこの作品の大きな主軸だ。
特に家族の問題は、本当に言葉を尽くさなければ解決しない。けれど、口にできない理由がある。この理由が、物語になるのだ。
自分の才能への自信を持つには、とても強い心がいる。そのことに気づくには、他人からの言葉が必要な矛盾があると思った。
祖父への思い
祖父が亡くなってもう4年がたつ。それなのに、祖父のことを書こうとすると胸が苦しくなる。
この作品はそんな祖父への思いを思い出させる。もっと話をしたかった。どんな人生を歩んできたのか知りたかった。