転職がめんどくさいので部署を転々と移動する男の1日
AM9:00|総務部(新入り)
今朝から総務部に異動。
「よろしくお願いします!」と爽やかに挨拶し、すぐに業務マニュアルを渡される。5分読んだ後、ふと気づく。
「……これ、めちゃくちゃつまんなくね?」
すぐに「やっぱり営業向いてる気がします」と上司に相談。
AM10:00|営業部(3回目の出戻り)
「お、また戻ってきたの?」と苦笑いされるも、すぐに商談同行を任される。
が、外回りに出る直前、「外暑くないすか? 俺、内勤の方が向いてる気がする」と直感。
「一回戻ります」と席を立つ。
AM11:30|経理部(見学)
「数字に強くなりたくて来ました!」と元気よく宣言。
が、伝票処理を5分見ただけで退屈すぎて無理と確信。
「ちょっと昼休み、考えさせてください」と撤退。
PM0:30|人事部(カジュアル面談)
「やっぱり、人と関わる仕事がいいなと思いまして!」
「君、さっきまで経理にいたよね?」と疑われるも、「適性を見極めているんです」と言い張る。
しかし、労務関連の説明を受けている間に、「これ、ミスったら訴えられるやつじゃね?」と気づき、退散。
PM2:00|開発部(未知の領域)
「エンジニア、憧れてたんですよ!」と飛び込むも、いきなりコードを見せられ、3秒で理解を諦める。
「ちょっとトイレ行ってきます」と言い残し、そのままフェードアウト。
PM3:00|社長室(最終手段)
「社長! 僕、どの部署が合うかわかりません!」
「もうフリーアドレスでいいんじゃない?」
「それ最高です!」
こうして、男はどこにも所属しない”社内ノマド”となった。
だが、半年後、誰も彼に仕事を頼まなくなり、ついに転職を考え始めるのであった——。