ソウル、歯の痛みと変更不可の格安航空券と客室乗務員の機転
もう時効と言ってもいいぐらい前の話。
ソウルの国際空港が金浦空港だった頃の話。
ソウル経由の飛行機で東南アジアを旅行していた。
東南アジアをメインに旅行するつもりだったが、利用した便はソウル経由の便。
追加料金なしでソウルに何日か滞在することができた。
「せっかくだから」と2日ほどソウルに滞在し、ソウル観光を楽しむつもりだった。
しかし、東南アジア各地を1か月弱周っていると身体が疲れる。
加えて、歯が痛くてたまらない。
タイ・バンコクからソウル行の便に乗っている頃には痛みが耐え難かった。
一刻も早く帰国したかったのだが、手持ちの航空券は日時変更不可のチケット。
とりあえず、航空会社の地上職員に尋ねた。
けんもほろろに変更不可と航空券を返された。
さてどうしようかと考えたいのだが、とにかく歯が痛い。
ぐったりと空港の椅子に腰を掛けていた。
すると、私の座っている前を客室乗務員(CA)が通り過ぎる。
私の手持ちの航空会社の方である。
「あの・・・」歯が痛いのを振り切って呼び掛けた。
「歯が痛くて、すぐに日本に帰りたい、どうすればいいのでしょうか?」
手持ちの航空券を見せた。
CAの方は、航空券を預かり、ここで待つようにと言葉を残して、
急ぎその場を離れた。
「どうしたんだろう・・・?
私の航空券どうなるのかしら?」
と考えつつも、ここで焦ってもどうしようもない。
いやそれいぜんに歯が痛すぎて頭が上手くまわらない。
10分ぐらいすると、先ほどのCAが私の元に帰ってきた。
「出発日時を今日の一番早い便に変更してきた。
ただし4時間後の便になるけれど、よいか?」と尋ねてきた。
2泊滞在するに比べると、これぐらいなら許容範囲。
しかも手数料もいらない。
言うまでもなく、承知した旨を伝えた。
そしてお礼を述べると、CAは去っていった。
本当にありがたい。
何があったのかはわからないし、聞いても仕方がない事だろう。
結果として、最速で帰国できる方法にたどり着けたのだから。
CAさんの配慮に大いに感謝する。
帰国した翌日、歯医者に滑り込んだのは言うまでもない。
冒頭の写真は2年前にソウル、インチョン空港で撮影したもの。
トランジットの合間に空港内を歩いていると、古式ゆかしい装束のパレードが行われていた。